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【Taiwan Int'l RFID Applications Show】

「RFIDの導入で年間2億8,700万ドルの売上増を目指す」――ウォルマート幹部

プロジェクト進捗の遅れを巻き返すべく奮戦する先進RFIDユーザー企業
(2007年10月19日)

 2006年度に年商345億ドルを上げた世界最大のスーパーマーケット・チェーン、米国ウォルマート・ストアーズが、北米4,068店舗におけるRFID導入計画に本腰を入れている。10月9日〜13日に台湾で開催された「Taiwan International RFID Applications Show」で同社幹部が講演を行い、巨大プロジェクトにかける意気込みを語った。

 講演のステージに上ったのは、米国ウォルマートのRFID戦略リーダー、ロン・モーザー氏さ。同氏は、「RFID技術を使って在庫問題の一部を解決するだけで売上げを2億8,700万ドルに増やすことができ、しかも、これはほんの始まりにすぎない」と語った。

 2003年からRFIDプロジェクトに着手したウォルマートは、在庫問題を解決するべく世界初のRFID大規模導入ユーザー企業を目指し、米国およびカナダにある同社の全小売店舗におけるRFIDタグとフォークリフトの導入に取り組んでいる。

 北米4,068店舗におけるRFID導入プロジェクトのカギは、全商品へのRFIDタグ取り付けと、RFIDリーダを搭載したフォークリフトを使って、運転手が店舗倉庫内の商品の正確な場所を把握できるようにすることだ。

 モーザー氏は、現在、自身が率いているこのプロジェクトについて、「当社にとって非常に大きなチャレンジである」と述べた。同社は世界有数のRFID技術早期導入企業として広く注目されているが、プロジェクトの進捗は予定どおりとは言いがたい(関連記事)。137の同社物流センターのうち12センターで、2006年中にRFIDを導入するという目標はまだ達成されておらず、また、2007年4月をめどに1,000店舗でのRFID導入が進められたが、現時点で導入済み店舗は975にとどまっている。

 必要な商品を必要なときに見つけられない――これは店舗が抱える世界共通の悩みだ。まず広い倉庫内を探し回るのに何時間もかかるし、ようやく目当ての商品が見つかったところで、待ちくたびれた顧客はすでに帰ってしまっているかもしれない。これが結果的に、企業の売上損失につながるのである。

 探していた商品が、パレットに積まれて倉庫内の片隅に置かれていたというケースはしばしばある。しかしこれがそのまま見つけられずにいれば、売上損失となるだけでなく、その商品は品切れと判断されて追加注文されるだろう。在庫はこうしてだぶついていくのだ、とモーザー氏は説明した。

 商品にRFIDタグを付けることによって、どこに置かれた商品でも迅速に見つけ出すことができる。現在、北米地域の975のウォルマート店舗でRFIDリーダ搭載フォークリフトとRFIDタグが利用されているが、いずれ米国とカナダにあるウォルマート全店舗でRFIDシステムが導入されれば、売上損失の回避に多大な効果をもたらすと期待されている。

 モーザー氏によれば、店舗における売上損失の原因は、単純な「品切れ」が2%であるのに対し、「在庫問題」が41%に上るという。RFIDの導入でその10%でも解決できれば、ウォルマートは多額の売上損失を回避し、年間2億8,700万ドルの売上げ増を見込めると、同氏はその導入効果の大きさをアピールした。

 さらに同氏は、「RFIDがもたらすメリットは、1984年に登場したバーコードよりも大きいものである」と主張した。バーコードの導入以降、小売企業は在庫管理を強化し、顧客の購買慣習を細かく追跡できるようになったのは周知である。ウォルマートの場合は、レジで読み取られるバーコードを分析し、顧客が定期的に同じ商品を2、3個まとめて買う習慣があることを突き止めた。そのデータを商品メーカーに見せ、当該商品を大きくパッケージ化したものを作ってほしいと依頼した。その結果、メーカー/サプライヤー側はパッケージング作業を削減でき、顧客側はいくつもの同じ商品を買う手間が省けるというメリットが双方にもたらされたという。

 「そして、RFIDによる在庫管理の正確さはバーコードをはるかに上回る」とモーザー氏。商品は今まで以上に速く陳列棚に用意され、その結果売上損失が減り、商品の品切れや在庫が見つからないなどといった問題は過去の出来事になるだろう、と同氏は説いた。

 RFIDプロジェクトを前進させるにあたって、ウォルマートは今後、サプライヤーとの協力関係を強化していく考えだ。これまでに契約サプライヤーの上位600社が各社負担でRFIDタグの使用を開始し、ウォルマートのRFIDプロジェクトに協力している。もっとも、これらサプライヤーのすべてが、RFID導入によって在庫コストが削減できたと喜んでいるわけではないようだ。

 「一部のサプライヤーはRFIDのメリットをまだ享受できておらず、当社が単に(RFIDタグを義務づけたという理由で)仕方なく使っているところもあるのが実情だ。当社はこうしたサプライヤーを積極的に支援し、RFIDによるコスト削減をはじめとした大きなメリットを得られるよう協力していく」(モーザー氏)

(ダン・ニステッド/IDG News Service)

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