アジア太平洋地域のSaaS型CRM市場、2010年まで年率61%で拡大
大手ベンダーも同市場をターゲットにした新戦略を相次いで発表シンガポールの調査会社Springboard Researchは先ごろ、日本を除くアジア太平洋地域のSaaS(Software as a Service)型CRM(Customer Relationship Management)市場に関する調査結果を発表した。
それによると、同地域のSaaS型CRM市場は、2010年まで年平均61%増の成長が見込まれており、2006年に6,900万ドル規模だった同市場は、2010年には4億6,000万ドル規模に拡大する見込みだという。
アジア太平洋地域の主要国は、オーストラリア、シンガポール、香港、インド、中国である。このうちSaaS型CRM市場のシェアがいちばん大きいのはオーストラリアで、同市場全体の35%を占めている。
Springboardの新興ソフトウェア担当シニア・マネジャー、バラカ・バルア・アガーワル(Balaka Baruah Aggarwal)氏は、「SaaS型CRMは急速に普及しており、2008年には大規模企業の採用が急増すると見込まれる。同時に中小規模企業を対象にしたSaaS型CRM市場も、空前の成長を遂げるだろう。SAP、Microsoft、Oracleといった大手ベンダーは、同市場をターゲットとした新販売戦略を相次いで打ち出している」と語る。
大規模企業がSaaS型CRMを導入することで、同市場の拡大にさらに拍車がかかり、普及へのターニングポイントとなることは明らかである。同時にこれまで主に中小規模企業で利用されてきたSaaS型CRMは、(大規模企業での導入実績という)大きなお墨付きを得ることができそうだ。
Aggarwal氏は、「従来型のソフトウェアを提供するベンダーが、プロプライエタリなSaaS型CRMアプリケーションを積極的に販売していることを受け、これまで他社の導入事例を横目で見ていた大規模企業も、SaaS型CRMを採用するようになる。(SaaS型CRMにとって)大規模企業は、新たな顧客層なのだ」と語る。
実際、これまで中小規模企業をターゲットとしてきたSalesforce.comのような大手ベンダーも、すでに大規模企業に目を向けている。Springboardによると、アジア太平洋地域のSaaS型CRM市場で有力なベンダーは、Salesforce.com、RightNow、Oracle、NetSuiteだという。
さらにSpringboardは、SaaS型CRMは同地域のSaaS市場全体の45%を占めており、次いでコラボレーション、ERP/PLM/SCM、人事のアプリケーションとなっていることも明らかにした。Aggarwal氏によると、同地域のSaaS型CRM市場の成長は中小規模企業が支えており、これらの企業は比較的シンプルなSaaS型CRMアプリケーションを選択する傾向が強いという。
これについてAggarwal氏は、「CRMベンダー、とりわけ従来型のソフトウェアを提供してきた企業は今後、中小規模企業向けに特化したSaaSアプリケーションの開発を迫られるだろう」と指摘している。
(Sandra Rossi/Computerworldオーストラリア版)
























