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【CES 2008】

CES基調講演を務めたGates氏、ユーモアのセンスは健在

Xbox向けテレビ番組配信やZune向けコミュニティなど新サービスにも言及
(2008年01月08日)

 ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏はビジネスには真剣に取り組むが、決して真面目ぶった人物ではない。1月6日夜にラスベガスで開催された「International Consumer Electronics Show(CES)」の前夜祭において、大勢のスターが出演するユーモラスなパロディ・ビデオから基調講演を始めたのは同氏らしい演出だ。

 ビデオの中でGates氏は、常勤業務の最後の日というフィクションを演じた。大統領候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏とバラック・オバマ(Barack Obama)氏をはじめ、風刺ニュース番組「The Daily Show」の司会者であるジョン・スチュアート(John Stewart)氏など、さまざまな有名人が登場してはGates氏の採用を断わり、大物ミュージシャンのジェイ・Z(Jay-Z)氏と映画俳優のマシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)氏に至っては、ラップとスポーツ・ジム通いというGates氏の痛々しい新たな日課を忍耐強く我慢するという内容だった。

 数千人の観客の笑いと拍手が鎮まるとGates氏は、音声とタッチ操作によるヒューマン・インタラクションが可能なデバイスを各種サービスに接続するという構想――同氏がCESの壇上で数年来説いている構想の概要を繰り返した。Gates氏は「写真を撮ると表示したい場所に表示される。非常に簡単になる」と述べ、最終的にはデバイスがユーザーの位置とコンテキストを把握するようになり、デバイスからの位置情報取得は自動化されると言い添えた。


CES 2008の基調講演を務めるBill Gates氏

 デバイスとサービスが接続された世界というGates氏の構想は、常に印象的だった。だが、同氏がMicrosoftの常勤職を退こうとしている今になっても、まだ同社はこうしたサービスをメインストリームのユーザーに提供していない。今回の基調講演で示されたいくつかの情報は、Microsoftがその準備を進めていることを示唆しているが、同社の戦略は相変わらず本質的に異なる製品ラインを基盤としている。

 そしてMicrosoftは、AppleやGoogleとったライバル企業のますます強い圧力に直面している。これらの企業は、Microsoftが何年もぞんざいに扱ってきたアイデア(例えば、タッチ・スクリーン技術やWebベースのサービス)をすでに利益に変えている。

 とはいえ、Microsoftは同日、この路線を引き続き推進することを示す新たな提携とサービスを発表した。同社は、エンターテインメント企業の米国MGMおよびABCと提携し、「Xbox」ユーザー向けのオンライン・サービスである「Xbox Live」で映画と人気テレビ番組を視聴できるようにするという。このサービスは、Xboxを発展性のあるテレビ・プラットフォームに変え、Microsoftのゲーム戦略をプレミアム・エンターテインメントの提供という同社の目標に結び付けるものだ。この線に沿って、英国BT(British Telecom)との提携も発表し、IPTVサービス「Mediaroom」をXbox経由で配信することになった。

 同日に公開されたほかの製品も、こうしたコネクテッド・サービス構想が具現化しつつあることを表している。基調講演中のデモでは、ユーザーがWindows Liveの中で写真を選び、それらをブログに投稿したり電子メールで友人に送ったりといった操作をシームレスに行う様子が示された。さらに、ユーザーがWindows Mobileデバイスで音声コマンドを用いて映画のチケットを購入し、そのチケットをテキスト・メッセージとしてほかのモバイル・デバイスに送るというデモも行われた。

 メディア・プレーヤー「Zune」については、いまだに多くの人々がiPodに見劣りする製品と見なしているが、同社はこの方面でもいくつかの進歩を示した。その1つが、基調講演中に発表されたオンライン・コミュニティ・サービス「Zune Social」である。同コミュニティでZuneユーザーは、プレイリストを共有できるほか、友人が何を視聴しているのかを自分のデバイスで追跡し、「Zune Marketplace」に自動接続して楽曲を購入するといったことができるという。

 基調講演の終盤、Gates氏とMicrosoftのエンターテインメント&デバイス部門担当プレジデント、ロビー・バック(Robbie Bach)氏は、Microsoft Researchのプロトタイプ・デバイスのデモを行った。これは、Microsoftのコネクテッド・デバイス構想の頂点を示すと思われるものだ。

 同デバイスは視覚認識を用いて“視線”上の人物や場所を識別し、それらに関連するイベントをユーザーに通知する。例えば、Gates氏がデバイスをBach氏に向けると、このデバイスは同氏を識別し、Bach氏が20ドル借りていることをGates氏に通知した。しかし、このようなデバイスの開発完了とリリースに要する期間については、両氏とも明らかにしなかった。


Gates氏の代わりにガンズ・アンド・ローゼズのSlash氏がギターの演奏を披露

 すべてを語り終えるとGates氏は、CESでの最後の熱弁となるはずの機会をスペシャル・ゲストに譲った。人気ゲームの「Guitar Hero」でGates氏とBach氏が20ドルを賭けて競うはずのところを、Gates氏は自分の身代わりとしてガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)の元ギタリスト、スラッシュ(Slash)氏を紹介したのだ。

 Slash氏がGuns N' Rosesの「Welcome to the Jungle」のリフを大音響で演奏するなか、Gates氏は壇上でほほえみ、Bach氏に最後の別れを述べさせた。そして観客に対して、Gates氏は少なくとも来年は戻って来るつもりだと請け負った。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Service ニューヨーク支局)

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