オンライン海賊行為防止法案にインターネットの生みの親たちがダメ出し
「自由の国・米国」が根底から揺らぐと痛烈批判DNS、IM、MP3などの違いがわからない米国議員たちがインターネット上での海賊行為を撲滅しようと張り切りすぎると、どんなことが起こるか。それがわかるのが、下院で審議されている「Stop Online Piracy Act」(SOPA:オンライン海賊行為防止法)の法案だ。この厳格な法律は、想定をはるかに超える影響を及ぼし、市民の憲法上の権利を脅かすものだ。こんな法律が可決されてしまうかもしれない。
ビント・サーフ(Vint Cerf)氏(TCP/IPの共同開発者)やロバート W. テイラー(Robert W. Taylor)氏(ARPAnetの創設者)など、多くの著名なインターネットの生みの親やエンジニアが米国連邦議会に宛てた12月15日付けの公開書簡は、議会に対し、SOPAとPROTECT IP Act(PIPA:IP保護法。SOPAの上院バージョン)の法案を撤回し、廃案にするよう請願している。同書簡には、次のように記されている。「もし可決、施行された場合、どちらの法案も、技術的なイノベーションを阻害するきわめて恐ろしい不安な環境を作り出し、主要インターネット・インフラの管理役としての米国の信用を著しく傷つけてしまうだろう」
さらに、同書簡は次のように議会に強く警告している。「米国がネットワークの中心的立場を利用して、政治的および経済的課題の達成促進を目的とした検閲を行えば、甚大かつ破壊的な結果を招くだろう」
また、Forbesに時々寄稿しているポール・タッシ(Paul Tassi)氏は、同氏が立ち上げに加わったWebサイト「Unreality.com」の運営で主に生計を立てている。Unreality.comは、映画、TV番組、ゲームのレビュー・サイトで、これらのクリップやスクリーン・キャプチャにリンクを張っている。
タッシ氏はこう訴えている。「インターネットは私の生活を支えている。私はインターネットで得た収入で家賃を払っているし、この収入で将来の家族を養うつもりだ。私や何百万人もの人々を著作権犯罪者にしてしまう法律が成立すれば、ほかのどの業界よりもイノベーションと成長性に富んだ業界が、たがにはめられることになる。速やかに経済を落ち込ませる方法として、これに勝るものはない」
SOPAが、成立を阻止すべき悪法であることは、1つの事実を知れば理解できる。それは、SOPA法案が、RIAA(全米レコード協会)とMPAA(全米映画協会)に支持されている(そしておそらく、作成された)ことだ。これらの団体は、近所の子供たちを怒鳴って、自分の敷地の芝生に入らせまいとする頑固な老人に似ている。しかしこの場合、彼らの“芝生”はインターネットであり、彼らは“怒鳴る”代わりに、そこに地雷を埋め込んで、実質的に使えなくしてしまおうとしている。
間もなく2012年だが、ProdigyやAmerica Online(AOL)のようなサービスによってパソコン通信が一般に利用されるようになってから30年近くが経つ。Netscapeが登場し、Webとインターネットが爆発的に普及し始めてからも20年近くになる。議員がいまだにインターネットの仕組みに無知なことにはうんざりさせられる。こんなことはもう許されない。
SOPA法案が通れば、インターネットに壊滅的な影響を与え、すべての米国民の市民的自由を脅かすおそれがある。だが、見たところ今の議員は、この法案を通してしまうほど頭が鈍いか、無分別かもしれない。自分の選挙区の下院議員と上院議員に、SOPAについてどう思っているかを、今こそ声を大にして伝えなければならない。
(Tony Bradley/PC World米国版)



























