オンライン海賊行為防止を目指す米国の2法案、より穏健な内容に見直しか
下院がSOPA法案を再検討、上院のPIPA法案起草者は内容を一部修正へ「reddit」や「Wikipedia」のような大手Webサイトが1月18日(米国時間)、サービスを一時停止しようとしている。米国下院で審議されている「Stop Online Piracy Act」(SOPA:オンライン海賊行為防止法)の法案や、上院で審議されている同様の法律「PROTECT IP Act」(PIPA:IP保護法)の法案に抗議するためだ。
この動きをはじめとするIT業界からの抗議の高まりを受け、米国議会が両法案の見直しに動きつつある。これらの法案は、商品が偽造されたり違法コピーされたりしやすいエンタテインメント業界やさまざまな業界団体に支持されている。
インターネット企業を除くIT業界では意見が分かれており、ソフトウェア業界団体「Business Software Alliance(BSA)」は、当初はSOPAを支持したものの、のちに支持を撤回している。
ネット業界関係者の多くは、これらの法案は米国政府が検閲を行うこと、または言論の自由やインターネットにおける情報の流れを規制することを可能にするとともに、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)やWebサイトに、不可能な要求を突きつけるとしている。
これらの法案により、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)やWebサイトは、自社のネットワークで宣伝やプロモーションが行われるサービスについて、正当性を確保するために警察のように取り締まりを行わなければならなくなるほか、裁判所により、海賊行為や偽造に関与している疑いがある外国のサイトへのアクセスをブロックするよう命じられた場合、インターネットの一部へのアクセスをブロックする必要が生じるという。
下院の多数党である共和党の院内総務エリック・カンター(Eric Cantor)議員(バージニア州選出)は1月13日、「大きな欠陥のある」SOPAの法案は、新たな合意が形成されるまで、表決に付されないだろうと述べた。
下院全体でSOPA法案の審議が行われるためには、前提として、下院司法委員会が同法案を承認する必要があるが、同委員会は13日、SOPAについて結論を出すことなく、休会となった。下院司法委員長で、同法案の起草者の1人でもあるラマー・スミス(Lamar Smith)議員(共和党、テキサス州選出)は、SOPAがインターネットの運用を混乱させる可能性に関する懸念が妥当かどうかを判断するには、さらなる調査が必要だと語った。
同様に、SOPAの上院バージョンであるPIPAの法案起草者の1人であるパトリック・レーヒー(Patrick Leahy)議員(民主党、バーモント州選出)は1月12日、PIPA法案のうち、侵害行為を行っていることがわかった外国サイトのドメイン名を差し押さえる権利を連邦政府に与えることを定めた部分を、作成し直すことを明らかにした。この部分では、差し押さえられたドメインへのアクセスをブロックするようISPに義務づけることも定められている。多くのISPは、それは不可能であるか、あるいは、実行された場合、インターネットに害を与えると表明している。
バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は1月15日付けのブログで、「表現の自由を抑制し、サイバー・セキュリティ・リスクを高め、ダイナミックで革新的なグローバルなインターネットの基盤を損なう」すべての法律に反対すると述べ、現行のSOPA法案およびPIPA法案への反対の意向を示唆した。しかし、オバマ大統領は、両法案に拒否権を行使する考えを示したわけではなく、何らかのかたちで提出された両法案を受け入れ可能と判断する可能性は残っている。
(Galen Gruman/InfoWorld米国版)




























