ブログ記事の削除要請と法的リスク|[連載]ITエキスパートのための法律入門|トピックス|Computerworld

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[連載]ITエキスパートのための法律入門

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【法律入門 第14回】

ブログ記事の削除要請と法的リスク

とことんわかりにくい法律を とことんわかりやすく解説!
(2008年09月08日)

 ブログサービスの事業者やインターネット掲示板の管理者が、読者から誹謗(ひぼう)中傷や著作権侵害を理由に情報の削除を求められ、一方でそのブログや掲示板のユーザー(情報発信者)が削除を認めなかった場合、どのように対処すべきだろうか。削除すべきか、放置すべきか。法的リスクを考慮して、慎重に対応を決定する必要がある。

ブログや掲示板の情報に
削除要請が来た場合の対応

 ブログサービスやWebホスティングサービスの事業者、インターネット掲示板の管理者などが、ユーザーから誹謗(ひぼう)中傷や著作権侵害を理由にWebサーバ上の情報の削除を求められた場合、どのように対応すればよいのだろうか。これは、インターネットが普及し始めたころから議論されている問題の1つだが、いまだに多くの管理者を悩ませている。

 現在、この問題に対し、「名誉毀損の違法性阻却事由」「プロバイダ責任制限法」「ガイドライン」などと各種専門用語が登場し、さまざまな理解や意見が飛び交っている。今さら「名誉毀損とはどのような場合に成立するのか」とは聞けず、わかった振りをしているWebサイト管理者も多いのではないだろうか。

 しかし、「情報の削除要請」に関する多くの法律問題は、すべて難解なものばかりだ。実際に、ある情報が名誉毀損に該当するかどうかを見極めるのは、筆者のような法律の専門家にとっても容易なことではない。

 少し区分がわかりにくいため、削除要請を受ける可能性のある事業者や管理者について、図1にまとめておく。なお本稿では、これらのサービス事業者や掲示板管理者を、合わせて「管理者」と呼ぶことにする。


図1● ブログや掲示板上の情報の削除要請を受ける可能性のある事業者や管理者の例

 それでは、次のようなケースを考えてみよう。

 A社は、一般ユーザー向けにブログサービスを展開している。あるときA社は、誹謗中傷の被害者と称する中学校教師Bから、ブログサービスのユーザーCが公開している情報を削除するように要請を受けた。

 A社の担当者がユーザーCのブログを確認すると、ブログのタイトルは「Cの暴力教師告発ブログ」となっており、Bから削除要請のあったエントリーには「東京都港区●●中学校の暴力教師Bはすぐに辞めろ」と書かれていた。

 A社の顧問弁護士に相談すると、「ユーザーCに削除を依頼すればよいのでは」という回答を得たため、担当者は早速Cに連絡を取り、事情を伝えて削除を依頼した。

 ところがユーザーCは、「これは正当な告発であって、断じて誹謗中傷などではない。したがって、このエントリーを削除するつもりはない。もし、わたしに無断でこのエントリーを削除したら、A社を提訴する」と強い調子で回答してきた。

 A社の担当者は頭を抱えてしまった。

 果たしてA社は、「削除」と「放置」のどちらを選ぶべきだろうか。この問題を検討するには、これら2つの選択肢のリスクをそれぞれ考える必要がある。

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