グーグル・ストリートビューの法的問題を考える|[連載]ITエキスパートのための法律入門|トピックス|Computerworld

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[連載]ITエキスパートのための法律入門

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【法律入門 第28回】

グーグル・ストリートビューの法的問題を考える

とことんわかりにくい法律を とことんわかりやすく解説!
(2009年11月28日)

 ひところ大きな議論を呼んだグーグルの「ストリートビュー」サービスには、どんな法的問題があったのか。また、総務省から出された見解はどのような内容なのだろうか。今回はストリートビューをめぐる法的議論を整理、検討してみたい。

ストリートビューは権利侵害? サービス開始から議論沸騰まで

Googleの提供する「ストリートビュー」サービスでは、実際に撮影された街の画像が使われている。偶然通りかかった車や人、さらに私宅の塀の内側などが写っていることがある

 昨年(2008年)8月に日本国内でのサービス提供が始まったグーグルの「ストリートビュー」。初めて見たときには、きっと誰もが驚いたことだろう。自分の住む地域の町並みがくまなく撮影され、まるでその場を歩いているかのように周囲の風景を見渡すことができるからだ。

 だが、ストリートビューを使っていると、そこにはちょっと微妙なものも写っていることに気付かされる。撮影時に偶然そこを通りかかった人や車、庭に干された洗濯物、放置されたゴミなど――。

 案の定、サービスが始まるとすぐに、ネットでは「面白い画像」探しがブームとなった。ストリートビューの画像をくまなく見ていくと、立小便をしている人、風俗店から出てくる男性、キスをするカップルなどが写っていたりするのだ。あまり趣味がいいとは言えないが、確かに「面白い」。

 人気が高まるにつれ、ストリートビューが「肖像権やプライバシーを侵害するのでは」という指摘も出るようになった。テレビや新聞での報道が増え、サービス開始から3カ月後の11月には早くも衆議院総務委員会でストリートビューに関する質疑が行われた。さらに、多くの地方自治体でも議論がなされ、特に東京都の「情報公開・個人情報保護審議会」が行ったグーグル担当者を交えての意見交換においては、複数の課題が指摘された。

 こうした動きを受け、総務省は「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」に「インターネット地図情報サービスに関するワーキンググループ」を設置。この問題に関する検討を行い、本年(2009年)8月に「第一次提言」という形で検討結果を公表した。この第一次提言が公表されたことで、ストリートビューを巡る議論もひとまず落ち着いたように思われる。

○「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第一次提言 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban08_000025.html

 ちなみに、報道などではグーグルのストリートビューだけが取りざたされているが、同様のサービスは他の事業者も提供している。例えば、国内ではNTTレゾナントの「ウォークスルービデオシステム」や、ロケーションビューの「LOCATION VIEW」といったサービスが提供されている。こうしたサービスを、ワーキンググループでは「道路周辺映像サービス」と総称している(本稿でも以下そう呼ぶ)。

 本稿では、道路周辺映像サービスに関する法的な問題を整理しながら、第一次提言の内容を紹介していく。

 なお、公正を期するために書いておくと、筆者は同ワーキンググループのメンバーであった。そのため、筆者個人の意見は第一次提言とおおむね同じである。ただし、この問題に関しては多くの法律家がほぼ同じように判断するのではないかと考えている。

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