「法規制強化」だけで 違法/有害情報は減らせるか
とことんわかりにくい法律を とことんわかりやすく解説!インターネット上の違法情報や有害情報(以下、「違法有害情報」と記す)の規制に関する議論が方々で行われている。必要な規制もあるだろうが、「ギョーカイ」(特に電気通信事業者)から見れば過度な規制もずいぶんあるように感じるのではないだろうか。この問題について、どのように考えればいいのだろうか。
近時の法規制と自主規制の動き
一般論として、やみくもに新たな法規制を作ることは、表現の自由、事業活動の自由の観点から問題がある。すでにある法規制の執行を十分に行うことと、自主的な取り組みによって違法有害情報を減少させることは重要だ。これらを行ったうえで効果が期待できないものについてのみ、新たな法規制を検討すべきだろう。まずは、最近の法規制、自主規制の動きをざっと見てみよう。
平成20年(2008年)半ばから昨年にかけて、違法有害情報に関する立法は大きく動いた。平成20年5月には、改正出会い系サイト規制法が成立し、同12月に施行された。同年6月には、青少年インターネット環境整備法が成立し、平成21年(2009年)4月に施行された。平成20年6月に国会に提出された児童ポルノ禁止法改正法案は、いったん廃案となったが、平成21年11月に再度国会に提出されている。
また、本年1月には東京都青少年問題協議会が「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」と題する答申を東京都知事に提出した。これは、特に携帯電話を通じて青少年がインターネット上の違法有害情報に接することの問題と、児童を性の対象とするメディアの問題を検討し、東京都が取り組むべき対策や条例改正の方向性を示すものだ。
●第28期東京都青少年問題協議会答申「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」 http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2010/01/40k1e101.htm
これらの法令による規制とは別に、自主規制の動きも活発化している。
まず、平成20年5月、健全な携帯向けサイトの第三者認証機関である「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)」と、携帯のみならずPCのサイトについても健全性を審査する「インターネットコンテンツ審査監視機構(i-roi)」が設立された。EMAは、前述の青少年インターネット環境整備法によって義務づけられるフィルタリングの基準を携帯キャリア等に提供している。
次に、青少年インターネット環境整備法の成立を受けて、平成21年2月に「安心ネットづくり促進協議会」が設立された。設立の目的は、安心なネットづくりを推進しインターネットの利用環境を整備することだ。この団体は、ユーザー、PTA、学校、企業といったインターネットにかかわるあらゆる当事者の参加を想定している。調査企画委員会と普及啓発委員会の2つが活動の柱であり、前者の中に「児童ポルノ対策作業部会」が設置されて、児童ポルノのブロッキングについて検討している。
さらに、平成21年6月には、インターネット上の児童ポルノの流通を防止する対策について検討を行うため、「児童ポルノ流通防止協議会」が設立された。児童ポルノの流通防止対策に関係する事業者、民間団体、学識経験者らが参加して、児童ポルノ掲載アドレス・リストを作成/管理する団体の検討とブロッキング等の手法に関する検討が行われている。



























