硬性のセキュリティと軟性のセキュリティ
初級アドミンの多忙なる一日「セキュリティ」と言えば、ITの安全性──すなわち情報セキュリティのみを考えがちであるが、企業活動においてはビジネス全体のリスクを考えなくてはならない。そこで今回は、2つのセキュリティ対策を組み合わせることの重要性について学ぶ。ただしこの“2つ”とは、“2つの技術”という意味ではないことに注意してほしい。
木村尚義
人物紹介
一条乱太 IS部門の新人。探究心は人一倍。目指すは日本を代表するネットワーク技術者!
綱元世界 IS部門3年目の若手社員。超一流のアドミンになることを夢見ている。やる気はいつも人二倍
糸無課長 IS部門課長。厳しいところもあるが、実力があり、部下に慕われるよき上司。頭髪の話は御法度
うちの両親、セキュリティ対策ソフトがあるから「もう何をしても安心だ」って言いだしまして…。
あー、典型的なモラル・ハザードだなぁ
それって、「他の人がやってるから、自分も悪いことやってもかまわない」ってヤツですよね?
元々は、「保険に入ったから、もう何をしてもだいじょうぶ」という考え方なんだよ。自動車保険に入ったからとドライバーが油断して、かえって事故の確率が高まってしまうという。
あー、完全にそれです。
問題は、ご両親を説得できるかどうかってことだな。
それがなかなか…。
それじゃ、社員にセキュリティ対策の大切さを教えることはできないぞ。
今日の授業は「素人にもわかるセキュリティ対策の過ち」だな。
はい!
硬性のセキュリティと 軟性のセキュリティ
一般的に、セキュリティ対策には「硬性」のものと「軟性」のものがある。簡単に言えば、硬性のセキュリティは例外なくまったく同じ対応をすること、軟性のセキュリティはケース・バイ・ケースで柔軟な対応をすることだ。例えば、マンションの入り口の鍵を複雑なものにすることは硬性のセキュリティであり、受付を設けて管理人が来訪者を確認することは軟性のセキュリティである。
そう言えば、ボクの叔母が住んでるマンションでは、暗証番号を忘れる住人が多いからって、専用のカギに変更したらしいですよ。
イイんじゃないかな。暗証番号は、漏れたら防犯の意味が無くなるからね。
ところがウチのおばちゃん、しょっちゅうカギをなくすから予備の鍵をたくさん用意してくれって自治会に言ったそうで。
そりゃ意味ないな〜。まずはカギをなくさないようにしないと。変なヤツの手に渡ったらどうするんだ。
おばちゃんは「不審者なら格好が怪しいから一目でわかる!」って…。
残念ながら(?)、今時の不審者は一目でわかるような怪しい格好はしないそうだ。ジャージ姿で住人の振りをしたり、スーツ姿で営業マンの振りをしたり。宅配業者を装って、マンションのオートロック・ドアを住民といっしょに入ってしまうこともあるという。オートロック・ドアの役割は、深夜に住民の出入りが少ないときに侵入を防ぐことなのだ。
一方、管理人が訪問者をチェックする場合は、柔軟な対応が可能となる。管理人は、荷物の伝票を見て届け先を確認できるし、住人の在不在を確認して荷物を預かることもできる。あるいは、飛び込みの営業マンは無条件で断るという対処も可能だ。
マンションの管理人もやはり人だから、100%有効というわけにはいかん。夜は寝るものだしな。そこで、オートロック・ドアと組み合わせることで、強力なセキュリティ対策が実現できる。
空港のセキュリティ・チェックで、金属探知機と係員が配置されているのは、硬性と軟性の組み合わせというわけですね。
銀行でも、ATM(Automated Teller Machine)と案内係を置いて、硬性と軟性のセキュリティを組み合わせている。
社会の中には、硬性のセキュリティと軟性のセキュリティを組み合わせたものが、けっこういっぱいあるもんだ。みんなも、探してみるといいぞ。
何で急に教育番組のノリなんスか…?
























