バックアップの目的を明確にしよう
初級アドミンの多忙なる一日最も恐ろしいシステムトラブルの1つとして、「データの損失」をあげる管理者は多いだろう。データが失われる機会は非常に多く、単純な操作ミスで取り返しの付かないことになってしまう可能性すらある。そのような場合でも、データをきちんとバックアップしておけば、業務への影響は最小限で済むはずだ。今回は、バックアップを取得する目的とその手法について解説しよう。
人物紹介
一条乱太 IS部門の新人。探究心は人一倍。目指すは日本を代表するネットワーク技術者!
綱元世界 IS部門3年目の若手社員。超一流のアドミンになることを夢見ている。やる気はいつも人二倍
糸無課長 IS部門課長。厳しいところもあるが、実力があり、部下に慕われるよき上司。頭髪の話は御法度
涼しさから寒さへと変化しつつある晩秋。それに同調するかのように、A社で悲劇が起きた。メインで使っているファイルサーバのハードディスクが、突然クラッシュしてしまったのだ。
正確には、ディスクコントローラの異常が原因で、ハードディスクに正常なファイルを書き込むことができなくなった。ユーザーからは、ファイルの書き込みが成功しているように見えるが、いざそのファイルを閲覧しようとすると、読み込みに失敗してしまうのである。
A社では、あらかじめ万全なバックアップシステムを準備しておいたため、データが失われるなどの最悪の事態は免れた。しかし、膨大なデータを復旧するため、乱太くんと綱本先輩が徹夜の作業に当たったことは言うまでもない。
よし…何とか通常業務が行えるところまで復旧できたぞ。
ふぅ、間に合いましたね。正直、RAIDを組んでいればバックアップなんて必要ない──なんて思ってたんですけどね。
RAIDは、バックアップの代わりにはならないからね。
あくまでもRAIDは、ディスクを冗長化し、ディスク装置の“物理的な故障”に備える仕組みである。したがって、ディスクコントローラ(ハードウェア)やディスクを制御するデバイスドライバ(ソフトウェア)に不具合が生じ、ファイルが正常な状態で書き込めなくなった場合などには意味をなさない。人為的なミスで重要なデータを削除してしまったり、書き換えてしまったりしたケースでも同様だ。
大学でバックアップについて学びましたけど、あまり現実的ではなかった気がするな〜。
そうか?
テープライブラリを使ってたんですよ。ストレージ担当の教授は「バックアップと言えばテープだ」とか言ってたけど、あまりに遅すぎて使いものになるのかどうかわからずじまいで。
確かに、TB(テラバイト)を超えるデータをバックアップするのにテープじゃ遅すぎるな。最近は、バックアップにもハードディスクを使うのが一般的になってる。だが、テープはテープで、ちゃんと利用価値があるんだよ。
そういった“現実”が知りたいんですよ!
よし、それじゃ授業してやろう。ただ…。
じゅ、授業料か何かですか!?
いや、ちょっと寝かせてくれ…。
初級アドミンの多忙なる一日 バックアップ編(全2回)
第1回 バックアップの目的を明確にしよう
第2回 フル/差分/増分バックアップを組み合わせる手法
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