ワンビの遠隔消去ソリューション「トラストデリート」
モバイルPCを安心して持ち出せる環境を提供したい「PCを爆発させれば、データは消える」
スパイ映画をヒントにした遠隔消去ソフト
「機密情報が入ったケースが敵に奪われたら起爆装置のスイッチを押して、ケースごと爆発させる。スパイ映画によく登場するシーンですよね。これと同じことをPCでもできないかと話し合ったんです」
ワンビの取締役で開発責任者を務める板井清司氏は、同社の遠隔消去ソフトウェア「トラストデリート」を開発した経緯について、そう語る。
トラストデリートのコンセプトは、「盗難・紛失されたPCのデータを破壊する」と明快だ。PCの中にあらかじめ“起爆装置”を仕込んでおき、PCを紛失したり盗難されたりしたときにリモートからスイッチを押し、PCに保存された重要データをことごとく消去する。データは一瞬で消えるから、PCを盗んだ者は、データが存在していたかどうかも気づかない。暗号化されたハード・ディスク(HD)の中身を、時間をかけて解析してやろうなどという気を起こさせることもない。
「スパイ映画からインスパイアされた発想ですが、それを実現するために必要な技術や方法は、すぐに見通しがついたんです。HD内のデータを消去するプログラムを作り、リモートから命令があったらそれを起動させるだけ。あとは命令を待ち受けるためのサービスを、OSのバックグラウンドで稼働させておけばよいのですから」(板井氏)
このアイデアをあるソフトウェア・ベンダーに提案したところ、二つ返事で製品化のゴーサインが出た。そのため、あわてて会社を設立したという。創業メンバーは、スパイ映画の話で盛り上がった加藤貴氏(代表取締役社長)と国房啓一郎氏(取締役)、そして板井氏の3人。実は、3人はトレンドマイクロで「ウィルスバスター」の開発にかかわった間柄だ。
会社設立から3年。最初はパッケージ販売していたトラストデリートも、現在は、ASPサービスやクライアント/サーバ・システムとして販路を拡大している。2005年に施行された個人情報保護法への対応や日本版SOX法による内部統制の強化、さらに情報漏洩事件の多発など、情報管理への関心は高まっている。その中でトラストデリートは、6万超のユーザーに利用される人気商品に成長していったのである。



















