IEEE 802.11n部会、ドラフト規格の原案決定に至らず
オーストラリアのクイーンズランド州ケアンズで開かれているIEEE 802.11ワーキング・グループの本会議で5月18日夜、次世代の高速無線LAN規格「IEEE 802.11n」の策定に取り組んでいるタスク・グループN(TGn)が、ベンダー・グループ「TGnSync」 の技術案をドラフト規格の基礎原案とするための承認投票を行なったが、十分な票を得られず、否決となった。
2004年11月、4つの案についてそれぞれ検討すべきか否かの投票が行なわれ、その得票(MITMOT案 47.4%、TGnSync案 73.7%、WWiSE案 64.7%、Qualcomm案 56.8%)や2005年1月からの話し合いに基づいて、TGnSyncとWWiSEの2案まで絞り込まれた。3月にその2案の選択投票が行われた結果、TGnSync案が過半数である57%の支持を得て勝ち残っていた。
IEEEのルールでは、こうした提案がドラフト規格の基礎原案として承認されるには75%の賛成票が必要である。そこで今回、TGnSync案は承認投票にかけられたが、その得票は約49%と過半数を割り込んだ。
今回の結果により、その次に有力だった、もう1つのベンダー・グループ「WWiSE」の案も、TGnSync案とともに再検討される可能性が出てきた。
両団体の案は、どちらも、MIMO(multiple-input/multiple-output:多入力多出力)技術に基づいている。802.11nでは最低約100Mbps以上を実現すべきとされているが、推進派は、MIMOによって無線LANのスループットを300Mbps以上に高められるとしている。
両グループの支持者によると、両案の違いは実装のさまざまな細部にある。たとえば、TGnSyncはチャネル・サイズを20MHzから40MHzに拡大することを提案しているが、WWiSEは現行の20MHzに据え置くことを提案している。
WWiSEのメンバーであるベンダーの一つは、両グループは歩み寄り、承認に必要な75%の支持を得られる妥協案を迅速に策定するべきとの考えを示している。
「今回の投票結果は、2グループへの支持がほぼ拮抗していることを示している。両グループがこれから進むべき道は、これまでの相違点を克服し、IEEEの7月、場合によっては9月の会合で共同提案を行うことだ」とコネクサントのWLAN事業部門担当マーケティング・ディレクター、ジム・ジレン氏は語る。「妥協しなければ75%の支持は得られない。両グループの案の技術的な違いはそれほど大きなものではなく、妥協することは技術的に可能だ」
(Originally reported by John Cox, Network World 05/19/2005)



















