海外事例に見るWiMAXのアドバンテージ
スマート・グリッドのパイロット・プログラムにWiMAXを採用したねらいとはいつでもどこでも高速通信を実現できるWiMAXは、ビジネス・シーンで活用できるネットワークとしても注目されている。本稿では世界に目を向けてみよう。米国では現在、スマート・グリッド(次世代送電網)技術の実現に向けたパイロット・プログラムに、WiMAXネットワークが利用されている。数あるネットワーク技術の中から、なぜWiMAXが選ばれたのだろうか――。
米国General Electric(GE)は2010年3月末、米国ClearwireのWiMAXネットワークを使用し、電力会社とその顧客にデータを提供するスマート・グリッド技術のパイロット・プログラムを開始したと発表した。
GEによると、電力/ガス会社である米国Consumers Energyと協力し、WiMAXベースのグリッド・センサーと電力メーターを、ミシガン州の600万人以上に上る顧客の住宅や施設に設置するという。
スマート・グリッド技術は一般的に、電力会社が電力需要の監視と電力供給を効率的に行うのに役立つ情報技術と定義されている。GEはこのスマート・グリッド・パイロット・プログラムの実施について、「住宅内の電力メーターと電力会社のネットワーク管理/制御システム間をWiMAXを利用したリアルタイム通信を行うことで、効率と信頼性がどのように向上するかを実証するのが目的だ」と説明している。
第4世代(4G)のネットワークには、LTE(Long Term Evolution)も存在する。なぜGEは同プログラムのネットワークに、LTEではなくWiMAXを選んだのか――。その理由を求め、GE Energyのスマート・グリッド部門でコマーシャル・リーダーを務めるマーク・フラ(Mark Hura)氏に話を聞いた。
――同プログラムのネットワークにWiMAXを採用した理由を教えてほしい。
フラ氏 WiMAX技術は、業界ですでに使われている標準規格をベースにしており、固有の帯域幅と遅延が規定されている通信規格だ。電力会社がこの規格を使用して自社ネットワークで運用できることは、電力使用量の測定の自動化や、測定対象機器との通信だけでなく、さまざまなことが実現できる。
例えば、再生可能エネルギー発電による電力を、グリッドで活用することが可能だ。さらに、電力会社のネットワークに、コミュニティ(地域)レベルで導入される代替エネルギー発電とその蓄電を行うこともできる。つまりWiMAXを使ったグリッドは、既存のインフラよりも機能が豊富なのだ。
また、(WiMAXを利用した)スマート・グリッドによって電力会社は、適切なセキュリティ・プロトコルを含む標準的な通信プラットフォームを確保できるという利点もある。
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