第4回 「SIMロック問題」は「iPhone問題」
エンタープライズ市場で多様化するクライアント端末――その可能性と課題――前回は「SIMロックさえ解除されれば、ユーザーは自由に通信キャリアと端末を選択できる」という主張は果たして正当なのかを考察した。今回はさらに一歩進んでSIMロックを巡るキャリア間の攻防に焦点を当ててみたい。
6月21日、本連載の著者である元麻布春男さんが急逝されました。本サイトにとって本記事が元麻布春男さんの最新の、そして最後の記事です。心よりご冥福をお祈り致します。 (Computerworld編集部 一同)
SIMロックフリー化でユーザーは
ハッピーになれるか?
世界的に見ると、市販される携帯端末のほとんどがSIMロックフリーになっている国も存在する。その代表が中国だ。中国では端末の販売とキャリアが分離されている傾向が強く、SIMロックを行うことが難しい。海外から入ってくるロックされた端末も、すぐにロック解除されてしまう。
特に2G世代の通信方式を利用する場合、中国移動通信(China Mobile)と中国聯合通信(China Unicom)が同じ通信方式(GSM)を採用しているため、SIMカードを差し替えるだけでキャリアを乗り換えられる(ちなみに残る中国電信/China TelecomはCDMA)。
しかし、3Gでは中国移動がTD-SCDMA、中国聯合がW-CDMA、中国電信がCDMA 2000と通信方式が分かれてしまったため、SIMカードを差し替えてキャリアを移ることはできなくなった。通信方式の違いによる囲い込みは、ある意味SIMロックよりも厄介だが、まだ3Gが十分に普及していないせいか、あまり問題視されていないようだ。
中国のようにキャリア(通信サービス)と端末の販売が分離されており、かつ共通の通信方式を採用していれば、SIMロックフリー化はある程度は意味を持つ。ユーザーは市場で好きな端末を選び、好きなキャリアのSIMカードを購入し、組み合わせることが可能となるからだ。だが、これはユーザーが最も幸福になれるシナリオだろうか。



















