アドビ、AIR 2.7ランタイムおよびSDKを公開
OS上でのレンダリング速度が向上、各種モバイルOSをサポート米国Adobe Systemsは6月14日、リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)実行環境の最新版「AIR(Adobe Integrated Runtime)2.7」とそのSDK(ソフトウェア開発キット)「AIR 2.7 SDK」の提供を開始した。最新版では、米国AppleのiOS搭載デバイス上でのパフォーマンス向上など、デスクトップおよびモバイルAIRアプリケーションの機能強化が図られている。
Adobe AIRは、Flash WebアプリケーションをWebブラウザの外で実行できる。AIR 2.7では、Android 2.2+、RIM BlackBerry Tablet OS、Apple iOS 4以上などのOSがサポートされている。Adobeは、「企業は、今月中にリリースされるAdobe Flash Builder 4.5のAIR 2.7対応版を使って、AIR 2.7アプリケーションを開発、展開できる」と、Adobe AIRおよびAdobe Flash Player開発チームのブログで述べている。
AIR 2.7では、iOS上でのレンダリング速度が向上しているほか、iOSアプリケーションが従来より迅速に開発できるようになっている。また、Android版AIRランタイムは、SDカードにインストールしたり、移動したりできるため、端末のストレージが節約できる。
「われわれは、2011年末までに、Adobe AIRアプリケーションをダウンロードして実行できる、AndroidやBlackBerry Tablet OS 、iOS搭載のスマートフォンやタブレットが、2億台以上に達すると予想している」と、Adobeの担当者は述べている。BlackBerry Tablet OSは、カナダRIMのタブレット「PlayBook」用のOSで、AIR 2.7の同OS対応版は6月末までにリリースされる。
「Adobeは、モバイル・プラットフォーム用のFlashとAIRの改良を一貫して継続している」と、米国IDCのアナリスト、アル・ヒルワ(Al Hilwa)氏は語った。「プラットフォームやフォーム・ファクタが急速に多様化する中、彼らは、合理的な範囲でできるだけ多くのプラットフォームに対応しようとしているようだ。そのおかげで、ゆっくりとだが着実に、Adobe AIRは、マルチプラットフォーム・モバイル開発環境として有力な地位を築いている」
Appleは、以前はiOSデバイスからFlashとAIRを締め出していたが、iOS上でのAIRアプリケーションの実行は認めるようになった。AIRでは、ブラウザの外で動作するスタンドアロン・アプリケーションが提供されるからだ。
一方、デスクトップ用AIR 2.7ランタイムでは、Flash Player 10.3と同じくMedia Measurement(メディアの測定)がサポートされている。この機能により、例えば、企業は、自社のビデオ・コンテンツの配布状況、視聴者の層、ビデオの再生頻度をリアルタイムに集計したレポートを作成できる。
また、音声エコー除去もサポートされており、開発者は、例えば、ユーザーにノイズキャンセリング・ヘッドセットの利用を要求することなく、アプリケーションやゲームにVoIP機能を組み込める。
HTMLコンテンツのナビゲーションも改善されており、雑誌ビューアや電子ブック・リーダのようなデスクトップ・アプリケーション内でWebリンク風のナビゲーションを提供することが可能になっている。
さらに、Adobe SiteCatalystもサポートされており、開発者は2行のコードだけで、Webサイトにビデオ解析を実装できる。
Adobeは、Adobe AIRおよびAdobe Flash Player開発チームのブログで、デスクトップLinux版のAIRランタイムとSDKについては、既存のAIR 2.6ランタイム、AIR 2.6 SDKを最後に、アップグレードを行わないことも明らかにした。
Adobeは、Open Screen ProjectパートナーがPCや広範な各種デバイス用にAIRのLinux実装を完成させるために利用できる、AIRのLinux移植キットに優先的に取り組んでいる。パートナーがデスクトップLinux版AIRのアップグレードを行うことを期待しているという。同社は、デスクトップLinux版AIRのこれまでのダウンロード件数は、AIR全体の0.5%に満たないとしている。
(Paul Krill/InfoWorld米国版)



















