第2回 英国人記者が見た避難騒動と震災報道の温度差
「だれが正確な情報を発信しているのか」に振り回された1カ月東日本大震災は地震と津波の被害だけでなく、原子力発電所の事故による放射性物質の漏洩、さらにはそれに伴う電力不足も引き起こした。今回は原発事故に関する1カ月間の報道を通じて、私が感じたことを紹介したい。
リポート/Martyn Williams(IDG News Service東京支局)、構成/Computerworld編集部
東京から“ガイジン”が消えた
私はこの1カ月間、多くの日本人の知人から「逃げなかったのか?」「まだ日本にいるのか?」と聞かれ続けた。この類の質問には、「多くの外国人はとっくに避難しているのに、なぜ君は…」という前置きが隠されている。
多くの外資系企業では、原発事故が明らかになった段階で、社員(特に外国人)に対して避難勧告を出した。例えば米国のある大手テレビ局は、東京のオフィス機能をすぐさま大阪に移した。また米国系の経済専門報道機関は、日本人社員以外、ほぼ全員が日本から出国した。さらに東京千代田区にある外資系高級ホテルは、3月17日から4月14日まで休業していた。こうした動きには、外国人幹部が率先して避難したことも背景にあったようだ。
かばうわけではないが、彼らの行動も理解できる。外国で報道された今回の震災は、あまりにも悲惨な内容が多かった。私の知人(外国人)には「東京を離れたら仕事にならないが、家族や本国の友人に懇願されたので、とりあえず避難する」という者が多かった。
震災直後に東京から避難した人々は現在、徐々に戻ってきているようだ。読売新聞の報道によると、米国国務省は4月14日、原発事故後、名古屋より東側で働く大使館員や政府職員の家族を対象に発令してきた自主的な国外避難勧告を、解除すると発表したという。
しかし、状況は好転しているとは言い難い。原発の状態は「落ち着いてきた」どころか「予断を許さない状況」だ。原発事故の深刻さを示す国際評価尺度(INES)は4月12日、最悪の「レベル7」と評価された。現在でも高濃度の汚染水が海に流れ出ていたり、セシウムが検出されたりしている。外国人が(もちろん日本人も)不安に感じるのも無理はない。
とはいえ、今回の外国メディアの震災報道は、外国人の私から見ても「それは違うぞ」と感じる記事が少なからず見受けられた。

























