停電、漏水、ビル内立入禁止、サーバ・ダウン、その時どう対処したのか!?
サイバー・ソリューションズ東日本大震災の被災地の1つである仙台には、1日も早い復興を目指し、大地震の発生直後から業務再開に向けて始動した企業がある。そうした企業の取り組みは、今回の震災で直接的な被害を受けなかった地域の企業にとっても、システム復旧や事業継続の参考になることだろう。ここで紹介するのは、停電、漏水、ビル内立入禁止、サーバ・ダウンといった幾多の苦難に直面したサイバー・ソリューションズによるノンフィクションの物語である。
Computerworld編集部
[3月11日(金) 14:46] 大地震発生 一瞬にして停電、ネットワ―ク・ダウン
その日、彼はいつものように自分の席で開発スタッフの1人と打ち合わせを行っていた。打ち合わせの内容は、現在開発中のプログラムについてである。3月中に顧客に納品しなければならなかったが、開発は計画どおりに進んでおり、さしてスケジュールが切迫していたわけではなかった。そのため、真剣な打ち合わせの最中にも、冗談やプライベートな話題が自然と混ざっていた。
彼の名は、キニ グレン マンスフィールド。宮城県仙台市を本拠とするネットワーク/セキュリティ技術の開発会社、サイバー・ソリューションズの社長である。グレンは、インドの大手IT企業、タタ コンサルタンシー サービシズでシステム・アナリストとしてインドや欧州で活躍したあと、1984年に来日。東北大学大学院工学研究科を卒業後、研究員として通信システムの研究開発に従事し、1999年からサイバー・ソリューションズの社長を務めている。
「これなら予定どおり3月中に開発を終えて顧客に納品できそうだ」
そう思った矢先、揺れを感じた。2011年3月11日(金)14時46分のことである。仙台はもともと地震の多い地域だ。この2日前にも大きな揺れはあったものの、サイバー・ソリューションズには何ら被害はなかった。そのため彼は「どうせすぐ収まるだろう」と平然としていた。だが、今回は違った。揺れは収まるどころか、徐々に激しさを増した。
「まだ続くのか!?」
これまでに経験したことのない激しい揺れだ。机上の書類は床に滑り落ちて足の踏み場もないほどに散乱し、観葉植物も倒れた。机の下に潜ろうとしている社員たちに向かって、グレンは叫んだ。
「ここにいては危険だ。屋外に避難するんだ」
グレンの脳裏には、2011年2月22日にニュージーランド南島の最大都市クライストチャーチ近郊で発生した大地震のテレビ映像がよぎっていた。語学学校が倒壊し、多数の日本人留学生が死亡したことは記憶に新しい。

























