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[米国] 【BrainShare 2008】
ノベル、モジュール型インフラ構想「Fossa」を発表

(2008年03月18日)

 米国Novellは3月17日、米国ユタ州ソルトレイクシティーで開催中の年次ユーザー・コンファレンス「BrainShare 2008」で、新たな技術戦略を明らかにした。ユーザーが物理マシンと仮想マシンの両環境において、Linuxディストリビューションやシステム運用管理、アイデンティティ管理、コラボレーションといった同社製ソフトウェアを柔軟に組み合わせて活用できるようにすることが目指されている。

 Novellの新戦略は開発コード名で「Fossa」と呼ばれ、仮想化、Linux、オーケストレーション、ポリシー、アイデンティティ、コンプライアンス、コラボレーションという同社の広範な製品ラインに、新たな拡張機能を盛り込んだものだという。

 NovellのCTO(最高技術責任者)、ジェフ・ジャフ(Jeff Jaffe)氏は、BrainShareコンファレンスの基調講演で、講演会場に集まった約5,500人の参加者に向かって、「今後、エンタープライズ・コンピューティングが変容していく中、われわれはその中心的な存在でありたい」と抱負を語った。同氏は、Fossaを「Free and Open Source Software plus Agility」の略だと説明した。同氏によると、キーワードであるAgility(俊敏性)は、、主にNovellのインフラストラクチャ・ソフトウェア・スタック内でポリシーとアイデンティティの管理を確立することでそれが実現されるという。

 Jaffe氏はこの講演で、Novellはアジリティを念頭に置き、SuSE Linux 11の開発にも着手すると発表した。また、SuSE Linux Enterprise 11に、最新の仮想化技術とデスクトップ関連機能の改善を盛り込む予定だという。これについては、コードの大部分はopenSuSEコミュニティでの成果が反映されるようだ。

 同社はさらに、SuSE Linux Enterpriseと同社の仮想化/アイデンティティ管理プラットフォーム上でSAPアプリケーションを最適化するため、ドイツのSAPと提携することも発表した。今後、両社はSAPアプリケーション・インフラとNovellのLinux OSを組み合わせた環境の最適化に取り組む予定だ。

 とはいえ、Fossaという戦略/コンセプトは、Novellにとって、LinuxからZENworksに至るまで、同社のあらゆるインフラ・ツールを概念上の単一アーキテクチャに束ねる方法を合理化する手段にすぎない。柔軟性と適応力を併せ持つインフラは、HPやIBM、Microsoftが数年前から開発に着手しており、特に革新的な発想というわけではない。

 「NovellがFossaで目指していることと、同社が現在行っていることでは、基本的にどこが違うのか」と、米国の市場調査会社IDCのアナリスト、マーク・レビット(Mark Levitt)氏は疑問を呈する。「単にビジョンとロードマップを社内で整理・検討しているだけに見える。Fossaは変革をもたらすものではなく、これまで歩んできた方向性を検証しているだけではないか」(Levitt氏)

NovellのCEO、Ron Hovsepian氏は「われわれはIBMおよびMicrosoftの広範な戦略を補完する」と話した

 NovellのCEO、ロン・ホブセピアン(Ron Hovsepian)氏によると、同社はデスクトップとサーバ用にツールセットを最適化し、そのツールセットを、IBMとMicrosoftが現在開発中のより大きな動的プラットフォームに統合することに専念するという。「Novellとしては、これら大規模なフレームワークの一員として、IBMおよびMicrosoftの広範な戦略を補う役割をはたしたい。隙間を埋める役割ということだ」(Hovsepian氏)

 ある大手ヘルスケア会社のITマネジャーは、匿名を条件にこう語った。「ビジネスは変化し続けており、コストを抑えながら臨機応変に対応していく必要がある。そしてビジネスのあり方を変える場合、以前より悪化するようではまずい。Fossaなら利用価値がありそうだ」

 Novellは、Fossaのコアに「Physical Distributions(略称:Physical Distros)」と呼ぶ、サーバ・ハードウェアで稼働するホストOSを作成するため、Linuxのモジュール機能を使う考えだ。もう一方は、「Virtual Distros」と呼ばれ、これは仮想化環境のゲストOS(WindowsまたはLinux)とミドルウェア、アプリケーションからなる。

 Virtual Distrosは、Novellの運用管理、アイデンティティ管理、コンプライアンス・ツールに接続するためのあらゆる標準に対応する。ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)が自社で開発したアプリケーションをVirtual Distrosにバンドルすることで、ユーザーはすぐさま自社のITアーキテクチャに展開できるようになるという。

 また、Virtual Distrosはサーバに格納したり、自由にコピーしたり、必要に応じて展開したりできるという。これにより、ユーザーは、容量を増やしたいとき、Virtual Distrosを動的に展開することが可能だ。Virtual Distrosを展開すると、そのアーキテクチャに関連するメタデータを使って運用管理/アイデンティティ管理ツールに接続するという仕組みになっている。

(John Fontana/Network World米国版)




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