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[米国]
議論を呼ぶグーグルとヤフーの広告事業提携――米国司法省が違法性を調査へ
多数の業界団体が提携を批判。グーグルはあくまで有益性を主張
(2008年09月22日)
米国Googleと米国Yahoo!の広告事業の提携について米国司法省が調査を進める中、Googleはこの契約を死守するために奔走している。
先週はじめ、全米広告主協会(ANA:Association of National Advertisers)および世界新聞協会(WAN:World Association of Newspapers)は司法省に対し、両社の提携がWeb広告に与える影響を調査するよう申し入れた。1万8,000に上る世界中の新聞社を代表し、パリに本拠を構えるWANは、欧州委員会(EU)およびカナダの競争局にも同様の調査を依頼している。
WANのプレジデントを務めるガビン・オライリー(Gavin O'Reilly)氏は、前述の3組織へ宛てた書簡に次のように記している。「現在、GoogleとYahoo!の間に存在している競争関係は、WAN会員が自社サイトのオンライン広告から相応の収入を得たり、有料検索広告を適切な価格で購入したりするのに必要不可欠だとわれわれは考えている。WANとしては、GoogleおよびYahoo!が検討している広告事業の提携は、こうした競争関係を著しく弱体化させ、WAN会員の収入減少や広告価格の高騰といったデメリットをもたらすと考えざるをえない」
先ごろ、両社の提携を調査するために、独占禁止法に強い著名な弁護士を米国司法省が雇用したと報道された。
また先週には、著名な3つのブログが両社の提携を批判する記事を掲載した。これを受けて、Googleの広告および商取引部門北米担当社長であるティム・アームストロング(Tim Armstrong)氏は、両社の提携がオンライン広告コストを押し上げることはないと主張した。
| ティム・アームストロング氏が「Google Public Policy Blog」に投稿した記事 |
同氏は9月18日、「GoogleもYahoo!も広告の出稿価格を定めたりはしない。広告料金は、当該広告の価値に対して広告主が値を付けるオークション形式で決まるからだ」と、Googleのブログに投稿した。
さらにアームストロング氏は、両社の提携により、Yahoo!のWebサイトに掲載される広告をこれまでより広告主が適正な価格で購入できるようになると強調した。「GoogleとYahoo!の提携が成立すれば、より関連性の高い広告をYahoo!サイトに掲載できるようになり、広告主にとってはクリック数の増加につながる。結果的に、広告への投資額に対して、従来以上の見返りを広告主は得られるようになる」(アームストロング氏)
Googleとの提携で年間最大8億ドルの利益がもたらされるとYahoo!は見積もっているが、批評家らは、広告料金を値上げせずにそれだけの利益を得ることが可能なのかと疑問を呈している。アームストロング氏はこれに対し、広告料金を値上げしなくとも、Googleとの提携を通してYahoo!は広告市場シェアを拡大できるはずだと反論した。
「(提携が)Yahoo!の増収につながるとの理由は、主に2つある。1つ目は、Googleとの提携でYahoo!は、これまで広告を一切掲載していなかったWebサイトや、ほんのわずかしか広告を掲載できなかったWebサイトに、より多くの広告を掲載できるようになる点だ。2つ目は、サイトに掲載した広告の質や関連性が高まるため、広告クリック数を増加させることが可能になる」(アームストロング氏)
アームストロング氏が投稿したブログ・エントリでは、Yahoo!が独立した広告プラットフォームではなくなることへの疑問や、広告主がYahoo!サイトに提携後も広告を出稿し続けられる理由などについても言及されていた。
同氏によれば、今後も独自のオンライン広告業務をYahoo!は継続し、現時点でYahoo!の広告が掲載されていない、もしくはわずかしか掲載されていないWebサイトに、Googleの広告を優先的に掲載していく予定だという。「広告主がYahoo!サイトの自社広告枠を確保する唯一の方法は、Yahoo!プラットフォーム経由で広告を出稿することだ」(アームストロング氏)
とはいえ、Googleのこうした主張も一部の批評家を納得させることはできなかった。
WebにおけるプライバシーおよびWebのオープン性に関する権利擁護団体Center for Digital Democracyのエグゼクティブ・ディレクターで、Googleをしばしば批判しているジェフリー・チェスター(Jeffrey Chester)氏は、「Googleは問題の本質をぼやかそうとしている」と述べている。
今回の問題は、アームストロング氏がブログに書いたように単純なものではなく、計画どおりYahoo!が検索機能の根幹部分を変更すれば、同社は“致命傷”を負う可能性もあると、チェスター氏は指摘した。これに加え、同氏によれば、両社の提携にはプライバシー面での懸念もあるという。
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)
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