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マルチコア・コンピューティング(特別インタビュー)

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マルチコア・コンピューティング

【AMD meets Microsoft 特別対談】
IT環境の“64ビット化”と“仮想化”を加速する
AMD OpteronプロセッサとWindows Server 2008
【日本AMD/マイクロソフト】

(2008年05月01日)

IT環境の64ビット化に向け、これまで密接な協業を進めてきた日本AMDとマイクロソフト。その一端は、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)に向けて、Windows Server 2008のベータ版や技術情報の提供、AMD Opteronプロセッサ搭載サーバの貸し出し、サポートなどを提供する「AMD64/Windows Server 2008対応ソフトウェア開発支援プログラム」を共同で実施してきたことからもうかがえる。システムの64ビット化、さらにWindows Server 2008よってIT環境がどう変わるのか。日本AMDで代表取締役副社長を務める吉沢俊介氏と、マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部で業務執行役員本部長を務める五十嵐光喜氏の話から、その“解”を探りたい。

聞き手・構成 岡崎勝巳

“真”の64ビットサーバ環境へ
円滑に移行するための支援を提供

日本AMD 代表取締役副社長 吉沢俊介 氏

吉沢氏 日本AMDはマイクロソフトと2006年12月から「AMD64/Windows Server 2008対応ソフトウェア開発支援プログラム」を共同で実施し、ISVを対象にAMD Opteronプロセッサを搭載したサーバの無償貸し出しや、x64対応アプリケーションの構築方法/最適化に関するコンサルティングなどを行ってきました。これはサーバ環境を現状の32ビットから64ビット環境に円滑に移行させるためにほかなりません。

 当社のサーバ/ハイエンドワークステーション市場向け64ビットプロセッサであるAMD Opteronプロセッサはその高いパフォーマンスが好感され、2003年のリリース以来、大学・政府系研究機関を中心としたハイパフォーマンスコンピューティング用途での採用が進んでいます。ただし、今後、AMD Opteronプロセッサの利用をより拡大し、企業ユーザーにも採用してもらうためには、AMD Opteronプロセッサ上でのビジネスアプリケーションの検証を十分に重ね、64ビット環境に対する企業ユーザーの信頼を獲得することが不可欠です。

 こうした背景から当社では、企業向けOSとして圧倒的な導入実績を誇るマイクロソフトと共同で開発支援プログラムを実施し、ISVに64ビット環境を提供することを決断しました。ISVの開発現場で実際にAMD Opteronプロセッサのハイパフォーマンスを実感してもらい、アプリケーションの検証や開発を促進しようと考えたわけです。日本のISVには独自のアプリケーションも数多くありますので、今後もこのようなプログラムは必要とされるでしょう。

五十嵐氏 当社にとっても、このプログラムは非常に大きな意味を持ちます。Windows Server 2008のリリースにあたって、当社としては64ビット環境に完全対応したこのOSをできるだけ多くのパートナーに触れていただきたい。しかし、コスト面などから、利用環境の整備をあきらめざるを得ないパートナーも少なくありません。

 今回のプログラムを利用すればコストを負担することなく、64ビット環境でWindows Server 2008を検証することができます。このプログラムを提供できたことで、Windows Server 2008のリリースに合わせて真っ先に導入し、独自に最適化しようというパートナーのやる気を引き出すことに成功していることを、パートナーとのコミュニケーションを通じて改めて実感しています。

吉沢氏 実はマイクロソフトがWindows Server 2008の開発を始めるにあたり、AMDが64ビットプラットフォームを無償で提供しました。Windows Server 2008の核となる技術は、AMDの64ビットテクノロジで開発されたと当社は自負しています。そう考えれば、無償貸し出しプログラムの最初のユーザーは、実はマイクロソフトだったと言えるのかもしれませんね。

サーバ環境の変化に応じた
ITスキルの習得が必要不可欠に

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 五十嵐光喜 氏

五十嵐氏 今回のプログラムを通じ、マイクロソフトとしてパートナーにぜひとも訴えたいことがいくつかあります。1つは、64ビット環境を意識したOSやアプリケーションの利用方法を考えていただきたい、というものです。確かに、Windows Server 2003も64ビット環境をサポートしていましたが、もともと同OSは32ビット環境での利用がメインでした。Windows Server 2008は当初から64ビット環境に最適化されており、パフォーマンスなどが大幅に向上しています。

 一方、64ビット環境の広大なメモリ空間は、データベースなど一部のアプリケーションでしか必要ないと思われていました。しかし、マルチコア化によりCPUの処理能力が飛躍的に高まったことで、OSやアプリケーションを仮想化し、サーバ側で一元管理したいといったニーズが急速に盛り上がっています。その実現のため、4GB以上の大容量メモリをOSやアプリケーションに適切に割り振って活用できる環境が強く求められています。

 ですから、開発者の方には、仮想化環境上で複数のOSやアプリケーションをいかに管理するかも学んでほしいと思っています。

吉沢氏 実際に当社がハードウェアベンダーとともに提供するサーバ製品でも、CPUのマルチコア化が急速に進んでいます。2007年まではクアッドコアが占める割合は10%程度でしたが、その割合は2008年に急速に高まるはずです。また、Windows Server 2008のリリースを機に、サーバ環境の64ビット化も今年後半から急速に進むのは明らかです。

五十嵐氏 今後、OSやアプリケーションの管理性をいかに高められるかが、システム開発のポイントになるはずです。その点、当社はOSレベルでその実現に注力してきました。例えば、新しい「ターミナルサービス」を用いれば、各クライアントに割り当てるリソースの集中管理とプレゼンテーション層の仮想化を実現できます。つまり、OSやアプリケーションごとの煩雑な管理業務から、管理者は開放されることになるのです。

 また、今後はセキュリティ強化を目的とした仮想化技術の利用も確実に進むはずです。必然的に、クライアントとサーバ間のトラフィックは急増します。そこで、マイクロソフトではすでにRDP(Remote Desktop Protocol)の最適化で定評のあるCalista Technologies社を買収するなどして、ユーザーにストレスを与えることなくクライアントにサービスを提供できる仕組みをWindows Server 2008に取り入れることを計画中です。サービスレベルやセキュリティが適切に管理された、理想的なシステム環境を実現できるのではないでしょうか。

仮想化技術の積極的な活用が
グリーンIT推進の“鍵”に

吉沢氏 AMDでは仮想化ニーズの盛り上がりを踏まえ、プロセッサレベルでの仮想化支援機能の実装を進めてきました。2006年夏にリリースした第2世代のデュアルコアAMD Opteronプロセッサには「AMD Virtualization(AMD-V)」を、また、2007年9月にリリースしたクアッドコア AMD OpteronプロセッサにはAMD-Vを拡張した「Rapid Virtualization Indexing(RVI)」を実装しました。当社の仮想化支援機能はマイクロソフト製品に完全対応しており、Windows Server 2008の仮想化機能「Hyper-V」にもRVIが対応して高いパフォーマンスを実現します。

 また、ここ数年、地球環境への配慮から、省電力化に対するニーズも高まりを見せています。当社ではいち早く製品アーキテクチャに省電力化の考えを反映しており、単にCPUのクロックスピードを上げるだけではなく、システムとして高いパフォーマンスを確保することに注力してきました。その結果、競合他社製品よりも、AMD Opteronプロセッサを搭載したサーバは比較的低いクロックスピードで、同等以上のパフォーマンスを発揮することに成功しています。つまり、AMD Opteronプロセッサを搭載したサーバを採用することで、ユーザーはグリーンITに容易に取り組めるのです。

五十嵐氏 データセンターにおける発熱量の抑制は、企業にとって切実な問題ですね。仮想化技術の利用はその点でも、非常に大きな意義があると思います。企業のサーバの70%以上は、その性能の20%程度しか利用されていないと言われています。それらのサーバを統合して台数を減らすことができれば、発熱量も抑えられるわけです。

 とはいえ、現実の利用動向を見ると、当社の調査では仮想化されたサーバの割合は約10%程度で、日本国内では約3%にとどまっています。この原因は、仮想化技術を利用するための知識やノウハウが必要になるからです。つまり、仮想化を促進させるには、技術的なハードルを下げる必用があるわけです。

 当社ではユーザーに対するサポートを通じて、どんなユーザーでも仮想化技術を使えるように支援していきます。例えば、ミッションクリティカル分野に仮想化技術を適用したいユーザーには、パートナーと共同でホワイトペーパーなどを製作・提供し、高いスキルやナレッジをユーザーが習得できる環境を整備する計画です。同様に、中小規模企業に対しては、トレーニングプログラムや書籍、Webでの情報提供を考えています。

複雑化する仮想化環境での
効率的な運用をOS側から支援

五十嵐氏 しかし、仮想化環境ではOSとハードウェアの関係が1対nとなり、複雑化することが避けられません。結果、サーバ統合を通じてハードウェアの管理性は高められるものの、OSやアプリケーションの管理性が低下することも考えられます。OSやアプリケーションにどれぐらいメモリやCPUの処理能力を割り当てているのか、容易に把握できなくなるわけですから。

 しかし、Windows Server 2008では運用管理製品群の「System Center」で、仮想化環境を効率よく管理できます。シングルコンソールでデスクトップやアプリケーション、サーバ、データなどを直感的に管理できるのです。仮想化技術の普及の鍵は技術面ではなく、運用管理面にあるとの見方もあります。運用管理に関して十分に配慮されたWindows Server 2008によって、今後、仮想化技術の利用の裾野が急速に拡大することを私自身、確信しています。

吉沢氏 昨年までの技術的な議論の段階を過ぎ、もはや仮想化技術は実運用が可能なソリューションが登場する段階にまで差し掛かっています。さらに、Windows Server 2008がリリースされれば、普及が進まないほうが不思議です。事実、当社がパートナーとともに提供するプラットフォームも高密度化がさらに進んでいます。これも、仮想化技術の利用を前提にプラットフォームを選定しているからでしょう。

 プロセッサベンダーである当社としても今後、仮想化技術の利用を積極的に支援する計画です。具体的にはWindows Server 2008の利用を前提に、ISVやハードウェアベンダーと共同で特定の業種や業態、企業規模向けに個別にカスタマイズしたパッケージをラインアップしようと考えています。これらを利用すれば、ユーザーは容易かつ迅速に導入することが可能になります。

 今後、普及が拡大するクアッドコア AMD Opteronプロセッサ搭載サーバは、ひと昔前であればユーザーが、どのように利用すべきか悩んでしまうほど高性能です。ぜひ、仮想化技術を活用して、プラットフォームの性能を存分に使い切ってほしいですね。

五十嵐氏 Windows Server 2008とクアッドコア AMD Opteronプロセッサの組み合わせにより、まさに“スーパーマシン”が実現します。エンジニアの方にはこのプラットフォームを徹底的に使い込んでもらいたいですね。今年はエンジニアの方にとって、非常にエキサイティングな年になるはずです。

(Windows Server World)




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