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マルチコア・コンピューティング(プロダクト&テクノロジー)
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【高品位映像ソリューション】
「AMD HD! エクスペリエンス」(日本AMD)
高精細動画のスムーズな再生/編集をメインストリーム上で実現
(2008年06月30日)
デジタル動画がより高精細なHD(ハイディフィニション)/フルHD環境へ移行していくのに伴い、Blu-ray Discで供給される高品位コンテンツや、HD対応ビデオカメラで撮影した高品質映像をPC上で快適に再生したり編集したりすることが求められようになっている。そうしたトレンドの変化に応え、日本AMDが2008年3月に発表したのが、HDソリューション「AMD HD! エクスペリエンス」だ。
チップセットに内蔵されたUVDが
HDの符号化/復号化を高速処理
現在、デジタル動画は高品質なHD/フルHD環境へと急速に移行しつつある。大型サイズの薄型テレビにBlu-ray Discプレーヤー/レコーダーやゲーム機、HD対応ビデオカメラなどをつないで楽しむというのが、その典型的な利用シーンであろう。
一方、PC上でHDクラスの高精細なデジタル動画をスムーズに再生/編集するのはまだまだ難しいのが現状だ。原因は、プロセッサ能力のほとんどが映像の符号化/復号化といった処理に割かれてしまうため、映像のコマ落ちが発生したり、他のアプリケーションを同時に稼働させることができなかったりすることがあるためだ。
そうした問題を独自技術によってクリアした最新のHDソリューションが登場した。日本AMDが2008年3月12日に発表した「AMD HD! エクスペリエンス」である。
注目ポイントの一つは、「Unified Video Decoder(UVD:動画再生支援機能)」搭載のGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を内蔵する「AMD 780Gチップセット」を採用した、初のメインストリームPC向けのプラットフォームをベースとする点だ。
UVDとは、従来、プロセッサで行われていた動画の符号化/復号化処理をGPUに実行させるAMDの独自技術。ビデオ・データの符号化/復号化がチップセット内で行われるので、プロセッサの負荷が抑制されることに加え、消費電力も大幅に抑えられる。
加えてAMD 780Gチップセットでは、DirectX 10対応のグラフィックス・コアである「ATI RadeonTM HD 3000シリーズ」をはじめ、「ATI Hybrid Graphics」「ATI AvivoTM HD」といったコンポーネントや機能群を搭載したことで、よりパワフルなグラフィックス能力を実現している。中でも、HDクラスのビデオ・データの高速な符号化/復号化を可能にするUVDの原動力となっているのが、ATI Avivo HDだ。
HDで画像データの圧縮に使われている符号化方式のH.264/MPEG-4/VC-1は、高いデータ圧縮率が得られる反面、そのための処理量も膨大になるという性質を持つ。例えば、DVD-Videoで採用されている符号化方式のMPEG-2と比較すると、データ圧縮率こそ2倍になるものの、符号化/復号化に必要な処理量は10倍から100倍に達してしまう。その結果、プロセッサ側ですべてを処理しようとすると、どうしても表示速度が犠牲になってしまうのは否めない。
一般に、デジタル動画やゲームを快適に楽しむには30フレーム/秒(fps)程度の表示能力が必要だと言われる。現行のデュアルコア・プロセッサのみによる処理でこれだけの性能を得るのは難しい。だが、AMD 780GチップセットのATI Avivo HDなら、プロセッサに余分な処理負荷をかけることなく、30fps以上の表示速度を達成できる(図1)。外付けグラフィックス・カードを併用しないPC本体の性能だけで、HD動画の再生/編集に必要な能力をまかなえるのだ。
| 図1:AMD 780Gチップセットのプロセッサ負荷率グラフ。従来のAMD 690Gチップセットと比較して、処理負荷が大幅に抑制されている(*株式会社アスキー・メディアワークス発行「週刊アスキー」5月13・20日号より引用) |
さらにAMD 780Gチップセットは、2枚以上のマルチGPU構成を実現する「ATI CrossFireX」にも対応している。これは、複数のグラフィックス・コアを協調動作させることでグラフィックス性能をさらに高めるというユニークな技術。AMD 780Gチップセットと同程度の性能を持つ外付けのグラフィックス・カードを併用すれば、協調動作によって1.7倍程度の性能が得られる。
AMD HD! エクスペリエンス認定ロゴで
対応製品も一目で選べるように
AMD HD! エクスペリエンスのもう一つの注目ポイントは、そのエコ・システムにある。AMD 780GチップセットのUVDがいくらパワフルであっても、デジタル動画の再生や編集に使う外部ハードウェアやアプリケーションがUVDに対応していなければ、その能力を十分に発揮できない。
そこでAMD HD! エクスペリエンスでは、パートナー企業各社との連携により、様々なグラフィックス・ソフトウェアやビデオ機器とのエコ・システムを構成している(図2)。
| 図2:AMD HD! エクスペリエンスを構成する、パートナー企業30社との連携によるエコ・システム |
一例を挙げると、ビデオ機器については、フルHD/H.264ムービーに対応したデジタルムービー・カメラ「Xacti(ザクティ)」を提供する三洋電機とのパートナーシップを2008年3月に締結。Xactiの上位モデルである「DMX-HD1000」に同梱されているNeroのデジタルメディア統合ソフト「Nero 7」から無償でアップグレードできる「Nero 8 Essentials」を適用すれば、Xactiで撮影したHD動画のスムーズな再生/編集がAMD HD! エクスペリエンス対応のPCで行えるようになる。
グラフィックス・ソフトウェアについては先述のNeroをはじめ、サイバーリンク、コーレルといったベンダーとのパートナーシップが結ばれている。このほか、今年夏にはHDコンテンツを有効に管理・活用できる独自のストリーミング・ツール「AMD LIVE! on Demand」や「AMD LIVE! Explorer」の日本語版が日本AMDからリリースされる予定だ。
さらに日本AMDでは、AMD HD! エクスペリエンス対応システムの動作検証と最適化、協業マーケティング活動を推進している。その一環として、ユーザー向けソリューションサイト「amd.jp」(http://amd.jp/)を開設。同サイトの「AMDパーソナル」では、「HDとは何か?」「こんなことで困ってないですか?」「そこでAMD HD! エクスペリエンス」などの多彩なコンテンツを用意し、HDの優位性や活用法に関する様々な情報を図解や実例をふんだんに使用して分かりやすく解説している(画面1)。
| 画面1:ユーザー向けソリューションサイト「amd.jp」の「AMDパーソナル」 |
| 写真1:AMD HD! エクスペリエンスの認定ロゴ。UVD対応製品にはこのロゴが付される |
また、前述したパートナー企業から提供されるUVD対応の製品に対して、「AMD HD! エクスペリエンス」の認定ロゴを付与し、サイトで紹介するなど、ユーザーが対応商品を一目で選択できるような取組みも進めている(写真1)。
AMD HD! エクスペリエンスを稼働させるためのプラットフォームとしては、すでにいくつかのデスクトップPCとPCパーツがAMDやサード・パーティーから販売されている(上記Webサイトに紹介あり)。メインストリームのノートブックPCについても、6月4日に発表した次世代AMDノートブックPCプラットフォーム(Puma:コードネーム)で対応した。さらに2008年後半には、45nmプロセス・ルールを採用したプラットフォームも利用可能になる計画である。
精細な表現と滑らかな動きが魅力の、HD/フルHDクラスのデジタル動画――。PCでそのコンテンツを存分に楽しもうとするユーザーにとって、AMD HD! エクスペリエンスは最適な選択肢となるだろう。



















