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[米国] 【今週のウォール街】
景気への安心感とM&A報道で、ITセクターに買い集まる

ベライゾンのオールテル買収が、IT関連株の上昇を牽引

(2008年06月06日)

 今週は米国経済に関する明るいニュースが相次いだことを受け、ITセクターの株価が上昇した。また、米国Verizon Wirelessが地域携帯電話会社の米国Alltel Communicationsを280億ドルで買収・合併する方向で交渉を進めていることが報じられたことも、IT投資家の買い意欲を刺激した。

 Alltelの買収が実現すれば、Verizonは米国の携帯電話市場でAT&Tを抜き首位に躍り出ることになる。Verizonは、Alltel買収により「ユーザーはより幅広い商品やサービスを利用できるようになる」と述べているが、今回の買収のねらいは、顧客基盤の拡大にあると見られる。その背景には、携帯電話の普及に伴い、他社からの乗り換えを促す以外に新規顧客を獲得することが難しくなったことがある。

 そうした背景から、携帯電話業界では当面、M&Aが行われなくなることはなさそうである。通信アナリストのジェフ・カガン(Jeff Kagan)氏は、電子メールで次のように述べる。「近年の携帯電話業界は、大型買収が数件続いたあと、しばらく動きが収まっている状況にある。これは、買収対象企業が少なくなったことを意味するが、この先買収が行われなくなるとは思わない。Alltelは中堅クラスの事業者だが、このクラスには、次の再編の波に飲まれそうな企業がほかにもいくつかある」

 Alltel買収のニュースを受け、Verizonの株価は上昇した。6月5日の終値は1.98ドル高の38.96ドルとなった。企業が買収に多額の現金を投入する場合、一般的に、その企業が将来、買収額に見合う成長を達成できると確信していることを意味するが、大型買収は通常、しばらくの間利益を希薄化させるため、大型買収を行う企業の株価は下落することが多い。それだけに、Verizon株の5日の上昇は印象的だった。

相次いだM&A関連報道

 スウェーデンの通信会社TeliaSoneraに買収提案を持ち込んだフランスのFrance Telecomの動機も、Verizonと同じだ。競争が激しい成熟市場では、大企業は買収によって成長する。どちらかと言えば、欧州の携帯電話市場は米国よりも成熟している。TeliaSoneraは5日、France Telecomからの2,520億クローナ(418億ドル)での買収提案を拒否し、この買収額は低すぎると発表したが、交渉は友好的に進められており、この買収は数週間以内にまとまる見通しだ。

 米国EMCが現金2億1,300万ドルを投じたストレージ・ベンダーの米国Iomegaの買収は、ついに手続きが完了しそうだ(関連記事)。EMCが強みとするエンタープライズ・ストレージ市場は活況を呈しているが、同社はIomega買収により、急成長している個人および小規模企業市場への足がかりを一気に獲得する。EMCの株価は、Iomega買収の発表直後の4月15日に年初来安値の14.17ドルをつけたが、その後回復してきた。5日は0.04ドル高の17.44ドルで引けた。

 SaaS型業務アプリケーションを提供する米国NetSuiteは5月2日、Webベースのプロジェクト・ポートフォリオ管理(PPO)とプロフェッショナル・サービス自動化(PSA)ソフトウェアを手がける米国OpenAirを2,600万ドルで買収すると発表した。SaaS業界における買収の動機は、一般的に、ユーザーを引きつける魅力的な新技術を競合他社よりも早く提供できるようにすることにある。今週、NetSuiteの株価は上昇し、5日の終値は0.04ドル高の17.44ドルだった。

 また今週は、4月の小売売上高が事前予測を上回ったことが報じられたほか、米国政府が発表した5月最終週の新規失業保険申請件数が前週より減少したことから、米国景気への安心感が広がり、ITを含むほとんどのセクターの株価が上昇した。ナスダック総合指数は5日、1月以来の高値となる2,549をつけた。

(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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