【 ここから本文 】

Appleウォッチ

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


[米国] 【Black Hat USA 2008】
DNS脆弱性問題、発見者が欠陥の詳細をついに公表――攻撃法も多数紹介

「SSLはわれわれが思っているような万能薬ではない」と強調

(2008年08月07日)

 米国のセキュリティ・サービス企業IOActiveの研究者であるダン・カミンスキー(Dan Kaminsky)氏は、DNS(Domain Name System)プロトコルの欠陥を発見したことで一躍脚光を浴びて以来(関連記事)、早朝6時にフィンランドの証明書発行当局から電話がかかってきたり、セキュリティ業界の仲間から厳しいバッシングを浴びたり、また今週米国ラスベガスで開催されているセキュリティ・コンファレンス「Black Hat」(8月2日〜7日開催)で講演する予定だった内容を漏らされたりと、散々な目にあってきた。だが、“インターネットにおける過去最大級のセキュリティ・ホール”として大きく取り上げられたDNS攻撃への対応策をひととおり済ませた8月6日、同氏は「もう一度やり直してもかまわない」と強い責任感をにじませた。

Black Hat」の公式サイト

 Kaminsky氏はこの2カ月ほど、コンピュータがインターネット上でお互いを見つけるために使うDNSの大規模な欠陥を修復すべく、ソフトウェア・ベンダーやインターネット企業と協力することに全力を傾けてきた。Kaminsky氏が最初にこの問題を公表したのは7月8日で、企業ユーザーとインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に対し、早急にソフトウェア・パッチを適用するよう促した。

 8月6日、同氏はBlack Hatで行われた超満員のセッションでこの問題の詳細を明らかにし、DNSを悪用する多数の攻撃法を紹介した。また、同氏はこの攻撃を受ける可能性があるインターネット・サービスを安全にするため、どういう仕事に取り組んできたかについても説明した。

 Kaminsky氏は、DNSプロトコルの仕組みに潜む一連のバグをエクスプロイトすることで、短時間のうちにDNSサーバを不正情報で満たす方法を突き止めていた。犯罪者はこのテクニックを使って犠牲者を偽サイトに誘導できるという。また、Kaminsky氏は同セッションの講演において、ほかにも多数の攻撃法を紹介した。

 同氏は、この欠陥を突くことで、電子メール・メッセージやソフトウェア・アップデート・システム、さらにはWebサイトにおけるパスワード回復システムさえも攻撃できることを証明して見せた。

 それまではSSL(Secure Socket Layer)を使えばこの攻撃から保護できると考える人が多かったが、Kaminsky氏はWebサイトの有効性を確認するためのSSL証明書でさえ、DNS攻撃により回避できることを実証した。問題は、SSL証明書を発行する会社が証明書を確認する手段として電子メールやWebなどのインターネット・サービスを使っていることにあるという。「これではDNS攻撃の前では決して安全とは言えない」とKaminsky氏は警鐘を鳴らす。

 「SSLはわれわれが思っているような万能薬ではないのだ」(同氏)

 もう1つの大きな問題は「パスワード忘れ」を装う攻撃であるとKaminsky氏は指摘した。この攻撃は、Web上にパスワード回復システムを用意している多くの企業に影響を及ぼす。犯罪者は、サイト上でユーザー・パスワードを忘れたように装い、DNSハッキング・テクニックを使って、そのサイトにパスワードを自分のコンピュータに送るよう仕向けることができるのだ。

 Kaminsky氏は、DNS攻撃にかかわる諸問題を解決するため、DNSベンダーに加えて、米国のGoogleやFacebook、Yahoo!、eBayなどの企業とも協力したという。「携帯電話の今月分の請求書は見たくもない」と同氏は苦笑する。

 コンファレンスの参加者の中には、Kaminsky氏の講演を大げさすぎると一蹴する人もいたが、米国OpenDNSのCEO、デビッド・ウルヴィッチ(David Ulevitch)氏は、インターネット・コミュニティに貴重な一石を投じた人物だとして高く評価している。「DNS攻撃の全貌はまだ完全に解明されたわけでないが、インターネット・ユーザー全員に影響することはまちがいない」とUlevitch氏は注意を促す。

 とはいえ、いくつか思わぬトラブルもあった。Kaminsky氏がこの問題を初めて指摘してから2週間後、セキュリティ会社の米国Matasano Securityがバグの詳細を誤ってインターネットに漏らしてしまったのだ(関連記事)。また、最初のパッチを適用してから、膨大なトラフィックを扱う一部DNSサーバが正常に稼働しなくなったり、IPアドレスを変換するファイアウォール製品が、この問題を解決するために加えられたDNSの変更を誤って元に戻してしまうといったトラブルも発生した。

 Black Hatでの講演後、Kaminsky氏にインタビューを行い、DNS攻撃への対応策についてコメントを求めたところ、いろいろ大変な思いはしたものの、必要ならもう一度やり直してもかまわないという頼もしい答えが返ってきた。

 「数億人がより安全になった。完璧とは言わないまでも、自分としては期待以上の成果を上げられたと自負している」(同氏)

(Robert McMillan/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


【特集】 iPhone

iPhone 3Gに足りない10の機能

「これさえあれば“ほぼ完璧”」とPC World誌シニア・エディターが指摘

発売2日前から徹夜組も出現――iPhone日本上陸のお祭り騒ぎ

お一人様1台限定。各店舗の販売台数は明らかにされず

「iPhone 3G」はエンタープライズ・モバイルの新標準になれるか

アナリストらが企業情報セキュリティの観点から課題を指摘

【特集】iPhoneはこちら


キャッチアップ

アナリストが予測する“アップル・ネットブック”の勝算

ネックは500ドルという価格の壁

アナリストが大胆予想、“アップル・ネットブック”のスペックは?

「599ドルのネットブックでも、アップルはもうかる」

「たとえジョブズ氏がいなくてもアップルはやっていける」――アナリストがその根拠を示唆

「心臓発作デマ報道」で株価を下げた同社への援護射撃?

MobileMe騒動――アップルに顧客満足度の高いクラウド・サービスは提供できるのか?

流出メールでジョブズCEOの改善策が判明。だが、そこに立ちはだかる“企業文化”

アップル、2013年にはリビングルームを手中に。目指すはソニー?

ホーム・コンピューティングを推進し「AV機器とITを融合する企業に変貌する」

世界各国でiPhoneの“非独占販売”がさらに拡大

フランスのキャリアが欧州、中東、アフリカの10カ国をカバー

アップル、Webブラウザの新版「Safari 3.1」をリリース――“世界最速”をアピール

13件の脆弱性を修正。Windows版も同時に提供

アップル、Leopard対応のSANファイルシステム新版をリリース

同時にXserve RAIDに代えてPromiseのRAID製品を再販

Apple、iPhoneとMacの記録的セールスで増益

2008年のiPhone販売台数1,000万台に自信を見せる

欧州委、iTunes楽曲価格の独禁法違反調査を取り下げ

英国iTunes Storeでの価格引き下げを受け、アップルと“和解”

アップル、不正コピー防止技術の特許を申請

10分間に1回“抜き打ちチェック”する可能性も示唆

米国ユーザーの事例に見る「エンタープライズMac」の現実味

自動車サービス大手企業が取り組むITインフラ“Mac化”の試み

「家電メーカーを目指すのか?」

アップル社名変更の真意とは

「Mac」フォーカス

Macの普及に立ちはだかる“割高感”

性能面の弱点は克服するも、価格はWindows PCの3割増し

MacBookシリーズの次期CPU――「Core 2 Duo」の“次”を占う

“本命”Nehalemプロセッサのリリースも間近

「10社のうち8社がMacを利用中」――企業のMac採用が急増

Mac上でWindowsを動かす仮想化ソフトの存在が採用の動機に

アップル、Mac OS X Leopardをアップデート――68件の改善/フィックスを実施

iCalのセキュリティ脆弱性には未対応

Macの販売が好調を持続、2月の市場シェアは14%に

ノート型が絶好調。MacBook Airも好発進

MacBook Airの実力検証――長時間使用した場合の発熱状態は?

ノートPC型Macの中では最も低温な機種と判明

アップル、Xeonを搭載した「Mac Pro」と「Xserve」を発売開始

Macworld開催直前の発表に、業界関係者からは驚きの声

アップル、Leopardのアップデート版「Mac OS X v10.5.1」を公開

発売からわずか3週間、“目玉機能”Time Machineの不具合も修正

アップル、Leopard Serverの仮想化をサポート

ライセンス条件を変更し、仮想マシン上で複数サーバOSを稼働可能に

Web接続OSシェア、Mac OS Xがジワリと拡大

米国ネット・アプリケーションズがOS/Webブラウザ市場シェア調査

アップル、iMacシリーズを全面刷新――アルミ&ガラスでより“スタイリッシュ”に

マルチメディア・アプリケーション・スイート「iLife」の新版も同時発表

Mac対応仮想化ソフトの普及を促すアップル

Windowsユーザーの関心を喚起し取り込みをねらう

アップルCFO、Vistaは「Leopard」の脅威ではないと明言

「Vistaを抑えて市場シェアを拡大するチャンスは十分ある」

Weekly Ranking

集計期間:06/27〜07/03


課題を見極める

iPhone 3Gはビジネスでは使えない?――アナリストらがセキュリティ面を懸念

「Safari」のセキュリティ・ホールが“勝因”か

iPhoneをハッキングした研究者、MacBook Airも2分で攻略

「Safari」のセキュリティ・ホールが“勝因”か

モジラのCEO、Windows版「Apple Software Update」の方針を痛烈批判

「iTunesとの“抱き合わせ”のようなSafariの配布は、ユーザーとの信頼関係を損なう」

「iPhone 2.0のセキュリティ機能は、ビジネス・ユースとして不十分」

セキュリティ専門家が問題視するiPhone 2.0の“アキレス腱”とは

Apple、QuickTimeの脆弱性を修正

昨年10月以来、5回目のアップデート

グリーンピース、iPhoneに有害化学物質が含まれているとアップルを非難

「環境対策も十分ではない」とグリーン・ランキングを最下位ランクに

【ネット・アプリ調査】 順調にシェアを伸ばす「Vista」、伸び悩む「Mac OS X」

Webユーザーの0S利用率、Vistaが4.5%でMac OS Xを急追

壊れやすい「iPhone」向けに専用保険が登場

不十分な保証制度を第三者の保険会社が補完

モジラ幹部、ジョブズ氏の2大ブラウザ論を「時代遅れ」と批判

「ジョブズ氏が望んでもわれわれは市場から退場しない」


Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国