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[米国]
iPhoneの電撃的な値下げ発表と100ドル返還騒動の顛末
アップルにとってはさらなる追い風に?――「賢明な決断」との声も
(2007年09月10日)
米国アップルは先週、iPhoneの8GBモデルを従来の599ドルから399ドルに値下げすると発表して、既存ユーザーの反発を招いたことを受け、発売後2カ月以内にを購入したユーザーに、100ドル相当の商品券を提供することでその差額を返還する施策を打ち出した。アップルのこうした劇的な方針転換は、iPhoneのビジネスにどのような影響を及ぼすのだろうか。
今回の方針転換は、人々が思うほどコストのかかるものではなく、むしろ非常に賢明なビジネス的決断だったと見るアナリストも多い。
9月6日遅く(米国時間)、アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズ氏は、前日に発表したiPhoneの200ドル値下げ(関連記事)に対する顧客の苦情に対応し、商品券による差額返還を行うことを明らかにした。
もっとも同氏は、問題のディスカウントの妥当性についての主張を崩しているわけではない。同氏が記した公開書簡には、「値下げをするには、最適な時期だったと思っている。iPhoneは画期的な製品で、年末商戦期の『目玉』になる可能性が十分にある」とある。
しかし同時に、ジョブス氏は、今回の混乱について謝罪し、アップル側に不手際があったことも認めている。「iPhoneの早期ユーザーは、われわれを信頼してくれていた。こんなときこそ、彼らの信頼に行動をもってこたえなければならない」
アップル公式サイトのフォーラムをはじめ、インターネット上の関連する掲示板は、発表直後からおおむね肯定的なコメントでいっぱいになった。一部には、過剰なまでに同社を賛美する意見も見られたほどだ。
アップルのサポート・フォーラムには、「100%満足のいく結果だ。アップルに対する信頼が復活した」「軌道修正のための第一歩どころか、非の打ち所のない英断だ」といった声が上がった。
しかし、やはり納得できないユーザーもいる。「返還金額は150ドルにするべきだと思っているが、払い戻しをしてもらえる人ともらえない人が出たりするよりは、ましな対応と言える」とするコメントもあった。
一連の混乱が生じたこと自体が不快だとの意見も出ている。ハンドルネーム「y-me」を名乗るユーザーは、次のようなコメントを残している。
「『先進的』と言われるアップル・ユーザーからすると、ジョブズ氏の行動は、唐突なものと映るのではないか。ジョブズ氏は、きわめて見事な出来を誇っていた製品を一瞬にして俗化し、神秘的な権威をおとしめ、アップルの熱心なファンに冷水を浴びせかけ、(中略)順調だったキャンペーン全体をぶち壊しにした」
一方、テクノロジー・ビジネス・リサーチのアナリスト、イズラ・ゴサイル氏は、今後のアップルにとっては決して悪いやり方ではなかったと評価する。実際に同氏は、ジョブズ氏が安易な気持ちで払い戻しを決定したわけはないと考えているという。
「こうした対策は、奥の手として隠し持っておき、いざ必要となったときに行使するものであったはずだ。ユーザーが苦情を申し立てなければ、切り札を出すことはなかっただろう」(ゴサイル氏)
今回の決定を下すうえで、アップルは自社の評判に重きを置いたようだ。ゴサイル氏は、「アップルにとって、同社を信奉するユーザーが非常に重要であることを、彼らはよく理解している。顧客を満足させるためのコストは彼らにとっては必要経費だ」と指摘する。
アップルは、こうしたコストに特別な意味を見出している。例えば、マイクロソフトやデルといったほかのIT系企業が、製品値下げに対するユーザーの苦情に折れる可能性はあるかと尋ねたところ、ゴサイル氏は笑いながらこう答えた。
「顧客とこんな関係を築いている技術企業は、どこにも存在しないと思う。BMWなどの自動車専門メーカーであれば、そういった関係もありうるかもしれないが」
アップルがユーザーに配布した、アップル・ストアや同社のオンライン・ショップでの買い物に使える商品券はそれほど高額ではないが、これによって同社が得られるイメージアップ効果は非常に大きい。ゴサイル氏は、iPhoneの販売実数が75万台程度だとすれば、払い戻しにかかる経費は最大に見積もっても2,500万ドル程度であると試算する。
今回の施策には、商品券を使用して何か買い物をしようとする顧客を、アップル・ストアやオンライン・ショップに呼び戻すという効果もある。「これ1つとっても、価値のある取り組みだ」(ゴサイル氏)
結局のところ、消費者から苦情が寄せられたことも含めて、今回の出来事はアップルとジョブズ氏にとっては追い風になると、ゴサイル氏は話している。「長期的には、アップルが大勝利を収めたことになる。無条件の謝罪によって顧客を尊重するアップルの姿勢を強くアピールできたことは、2,500万ドルを補うのに十分な価値がある」(ゴサイル氏)
(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)
- 米国アップル
- http://www.apple.com/
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