【 ここから本文 】
Appleウォッチ
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[世界]
【IT・ゆく年くる年】
2007年のモバイルOS市場、iPhoneとAndroidの登場で激変
ユーザーの選択肢が広がった一方、端末/キャリア間連携などの課題も浮上
(2007年12月25日)
2007年は「注目すべき新たなモバイルOSが到来した1年」だったと言える。
Microsoftが約5年前にスマートフォン向けのモバイルOS市場に参入して以来、同市場は比較的安定した状態を保っていた。スマートフォン用OSは、Symbian、Linux、Blackberry、Windows Mobileなどが大多数を占め、それぞれが特定の分野である程度の成功を収めている。
ところが2007年に入り、Appleが独自のOSを搭載した携帯電話「iPhone」を発売。またGoogleも、OSやミドルウェアを含むモバイル向けの新プラットフォーム「Android」を発表した。Androidを搭載したスマートフォンは2008年に市場投入される見通しだ。
これらの人気ブランドがスマートフォン向けのモバイルOS市場に参入したことで、一部の携帯電話キャリアは計画の変更を迫られ、エンドユーザーには混乱が生じ、アプリケーション開発者はより複雑な問題に直面する可能性が高まっている。
もっとも、IDCのアナリストであるクリス・ヘーゼルトン(Chris Hazelton)氏によれば、携帯電話全体の売上げのうちスマートフォンが占める割合は低く、2006年はわずか8%にすぎなかった。その数字は2007年もあまり変わらず、ようやく2ケタ台に届く程度と予測されている。
それにもかかわらずモバイルOSを取り巻く環境の“激変”が予想されているのは、先進国におけるモバイル・ユーザーの大多数が次世代の多機能スマートフォンに移行することを、モバイル業界が見越しているからにほかならない。
一般のモバイル・ユーザーは、まもなくiPhoneやAndroidフォンを選択肢として選ぶようになると見られるが、このことには利点とともに欠点も指摘されている。Microsoftのモバイル・コミュニケーションズ・ビジネス部門でゼネラル・マネジャーを務めるスコット・ホーン(Scott Horn)氏は、「エンドユーザーにとっては手間が増えることになる」と語っている。新しいソフトウェアが自分の求める機能やサービスをサポートしているかどうか、ユーザーみずから調べる必要があるからだ。
通信キャリアにとっては、新しい端末のユーザーが各種オンライン・サービスにアクセス出来るよう、規制を緩めざるをえない。こうした動きはすでに欧州で始まっているが、各社はユーザーが求めるサービスを提供するポータル開発の難しさを実感しているようだ。
例えばVodafoneの場合、オンライン・データ・サービスに対する売上げの多くは、同社のポータルではなくサードパーティが提供するポータル・サービスによるものだという。Horn氏は「ポータルの構築には多大なリソースと資金が必要になる。米国ではまだ規制緩和が始まったばかりだ」と指摘する。
モバイル端末から各種サービスを利用できるかどうかは、搭載するOSやソフトウェアに依存する。Microsoftは、同社の「Live IM」や「Hotmail」といった一般に普及しているサービスをモバイル機器でもサポートしていることが、モバイル・キャリアがWindows Mobileを選ぶ理由の1つだと強調する。一方Googleもモバイル・ユーザー向けの多種多様なサービスを提供しており、そこから広告収入を得ることねらっている。またAppleはiPhoneに音楽ソフトウェアのiTunesを組み合わせ、ユーザーがストアからコンテンツをダウンロード購入できるようにした。
こうしたさまざまな変化は、モバイル・キャリアに大きな課題を生じさせもした。Hazelton氏によると、一部キャリアは昨年ごろまで、サポート関連費用を削減するための一手段として、採用するOSを2〜3に限定することを考えていたという。同氏は「プラットフォームの種類を絞っていたキャリアも、新しいソフトウェアが市場に出回ったことで、方針を転換せざるをえないだろう」と語る。
さらに、新たなOSの登場で、アプリケーション開発者はプラットフォームの選択に悩むことになると考えられる。Hazelton氏は、「通常、開発者は1つのプラットフォームのみに絞ることはしないが、今後多数のモバイルOSが出現すると、どれが主流になるか予想しにくい」と指摘する。しかし同氏は、米国では現在はBlackBerryとWindows Mobileの開発が大多数であり、その傾向はしばらく続くとの見通しも語った。
専門家の間では、既存のモバイルOSベンダーにとって、新たなOSの登場はさほど脅威にはならないという見解で一致しているようだ。Horn氏は「短期的には、参入ベンダーが増えるほど同市場は急速に成長し、業界全体が底上げされる。大規模ベンダーもニッチな小規模ベンダーも、異なるビジネス・モデルで競争していくことになるだろう」と述べた。
Hazelton氏も「(新OSの登場は)スマートフォン普及を促すという意味で、マイナス面よりもプラス面のほうが大きい」との考えを示している。
(Nancy Gohring/IDG News Service シアトル支局)
[米国]グーグルが携帯電話プラットフォーム「Android」を発表

パートナー33社とアライアンスを設立、携帯電話アプリの開発を推進
急伸するモバイル広告市場をねらい、携帯電話分野へ本格参入
「iPhone」を衝撃発表!――コンピュータ・ベンダーの名を捨てたアップルの行く手

ついにベールを脱いだ、OS X搭載のスマートフォン。巨大市場での勝算はいかに
































