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[米国/世界] 【Forrester調査】
iPhoneがビジネス・ユースに向いていない10の理由

一部ユーザーからは「使わせてくれ」と熱烈な要望はあるものの…

(2007年12月27日)

 米国AppleのiPhoneは、2007年6月の発売と同時にモバイル業界に一大旋風を巻き起こし、人気モバイル・デバイスの筆頭となった。以来、プライベートで利用しているiPhoneをビジネスでも利用したいと、自社のIT部門に訴えるユーザーが後を絶たない。

ビジネス・ツールとしての使い勝手を見るかぎりでは、iPhoneがビジネス・シーンを席巻することはなさそうだ

 iPhoneがビジネス・ツールとして有用なのかどうかは、現時点では判断できない。しかし、先ごろ米国の調査会社Forrester Researchが発表したリポートを読むかぎりでは、iPhoneがビジネス・ツールとして成功する可能性は低いようだ。

 Forresterは以下の10の理由から、少なくとも現状では企業はiPhoneを導入すべきでないとアドバイスしている。

1 データが暗号化できない

 Forresterによると、iPhoneにはファイルやディスクを暗号化する機能が搭載されていないという。データにアクセスするため、パスワードを設定することはできるものの、パスワードの変更/管理はユーザーに一任される。企業のIT部門がパスワード・ポリシーを適用することは不可能だ。

2 プッシュ・メールやカレンダーのワイヤレス・シンクをネーティブ・サポートしていない

 ビジネス・ツールとして利用されるモバイル端末であれば、プッシュ・メール(ユーザーのメールボックスに配信されたら、直ちに端末に送信されるメール)は欠かせない機能である。

 iPhoneはIMAPやSMTPを介して、MicrosoftのExchange ServerやIBMのLotus Notesと同期化できる。しかし、そのためにはサーバ側にも変更を加えるか、別途ゲートウェイ製品を購入する必要がある。

 また、iPhoneはPCとのワイヤレス・シンクにも対応していない。カレンダーや連絡先の変更をPCと同期させるためには、別途、Appleが発売しているUSBシンク・ケーブルを購入する必要がある。

3 保証を放棄しないとサードパーティのアプリケーションを実行できない

 Appleは、iPhone用のネーティブ・アプリケーションを開発するソフトウェア開発キット(SDK)を、2008年2月末までにサードパーティ・ベンダーに公開すると明言している。しかし現時点では、サードパーティ・ベンダー製のアプリケーションをサポートしていない。

 実は、iPhoneに搭載されている特定のデバイス・コンポーネントを“改竄”すれば、サードパーティ・ベンダー製のアプリケーションを利用できる。しかしこれを行った場合には、Appleの保証が無効になる。

4 リモート操作ができない

 モバイル端末の運用管理で最も重要なのは、リモートで端末操作をロックしたり、データを消去したりできる機能が搭載されていることである。iPhoneには、これらの機能が搭載されていない。スマートフォンのBlackBerryやWindows Mobile、携帯電話のSymbianを対象にした運用管理ソフトは、数多く提供されている。しかし、Appleはそうしたソフトも提供していない。なおForresterは、iPhone対応の運用管理ソフトがリリースされるのは、2008年中期から後期になると予測している。

5 物理キーボードがない

 タッチ・スクリーンのインタフェースと仮想キーボードは、格好がよい。しかし、電子メールやインスタント・メッセージングを頻繁に利用するパワー・ユーザーには不向きだ。仮想キーボードは、1文字ずつ注意して入力する必要がある。はっきり言って疲れる。何より1通の電子メールを打つのに時間がかかりすぎるのだ。

6 利用地域が限定され、通信キャリアの選択肢がない

 現在iPhoneが利用できる国は、米国/英国/フランス/ドイツだけである。しかも、独占キャリアを通じてしか利用できない。ビジネス・ユーザーがこれら4カ国以外に出張する際には、iPhoneを使うことはできない。これでは「ビジネス・ユースに不向き」と言われても、しかたないだろう。

7 価格が高すぎる

 2007年秋に200ドルも値下げされたとはいえ、「本体400ドル+通話料+データ通信料」という料金は、現在市販されている携帯電話(とその料金プラン)と比較しても格段に高い。一般的に企業で一括導入する場合は、企業向けの割引やサービス・プランが設定されているが、Appleも独占通信キャリアであるAT&Tも、そうしたプランを提供していない。

8 第1世代の端末である

 iPhoneにかぎったことではないが、登場したばかりの携帯端末には、さまざまな不具合がある。ForresterはiPhoneの“弱点”として、以下の点を指摘している。

  • アクティベーションに時間がかかる
  • バッテリの駆動時間や寿命が短い
  • 音質が月並み
  • データ転送速度が遅い

9 交換用バッテリがない

 業界観測筋は近い将来、サードパーティ・ベンダーが交換用のバッテリを発売すると予測している。しかし、iPhoneのバッテリを交換するには端末を分解する必要があり、だれでも気軽に交換できるわけではない。

10 iPhoneがビジネス・ユースに適していると証明されていない

 大手ベンダーで、iPhoneをフルサポートしている企業は少ない(Appleを除く)。企業が携帯端末の購入を決める場合、他社の導入事例や業界アナリストのアドバイスを判断材料にするのが一般的だ。しかし、Appleは企業の導入事例やサポート資料を、一切発表していない。

(Al Sacco/CIO.com)




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