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ITアウトソーシング
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【解説】
ビジネス革新に貢献してくれる“社外の人々”――「クラウドソーシング」の可能性
事例から“開かれたアウトソーシング”のメリットとデメリットを探る
(2008年07月28日)
「クラウドソーシング」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。社外の特定の人間や組織に業務を委託する「アウトソーシング」とは異なり、クラウドソーシングでは、社外の不特定多数の人間が業務にかかわることになる。このモデルは数年前からあり、特に目新しいものではないが、ここにきて注目する企業が増えており、採用事例も数多く見られるようになった。しかし、いまだ不透明な部分があるなど、課題を抱えていることも事実だ。本稿では、クラウドソーシングを採用した企業の事例を見ながら、そのメリットとデメリットに迫ってみたい。
Mary Brandel
Computerworld米国版
開かれたコミュニティの中で、不特定多数の人に作業を委託
| 写真1:Crowdsourcing.comの管理人であるJeff Howe氏が執筆した書籍『Crowdsourcing』。2008年9月に発売される予定だ |
最近、新しい業務システムの構築を検討していた米国の電力会社Constellation Energy Group(以下、CEG)は、その構築手法として、これまであまり例のないやり方を選択することにした。従来であれば、社内スタッフ、コンサルタント、請負業者、特定のオフショア・プログラマーなどにシステム・コードの作成を委託するのが普通だ。CEGも当初は、これらの選択肢を考えていた。
しかし、同社が選択したのは、世界中のプログラマーにシステム・コードを書かせ、その中からすぐれたものを選び出すというものだった。最終的に、数百人のプログラマーがこのコンペに参加し、CEGと同コンペのマネジメントを担当した米国コネチカット州のソフトウェア開発会社、TopCoderが優秀なシステム・コードを選ぶことになった。
これは「クラウド(Crowd:群衆、大衆)ソーシング」と呼ばれる手法である。クラウドソーシング関連の話題を扱うブログ「Crowdsourcing.com」の管理人、ジェフ・ハウ(Jeff Howe)氏は、クラウドソーシングについて、「これまで特定の人(通常は社内スタッフ)に委託していた作業を、開かれたコミュニティの中で不特定多数の人々にアウトソーシングする行為」と説明する。Howe氏は今年9月に、クラウドソーシングをテーマとした単行本を出版する予定だ(写真1)。
クラウドソーシングという言葉を初めて聞く人にとってはイメージがわかないかもしれないが、これは、ソーシングの重要な考え方の1つである。このモデルが今、プログラミングから市場調査、製品開発、研究開発に至るあらゆる分野で採用され始めており、注目する企業が増えているのだ。Web 2.0プラットフォームを利用して自分のアイデアや能力を共有したがる人々が増えていることも、この流れに拍車をかけている。
米国の調査会社Yankee Group Researchのアナリスト、ジョナサン・エドワーズ(Jonathan Edwards)氏は、「YouTubeやWikipediaといった新たな表現の場を得た消費者が今後、(クラウドソーシングという形で)企業に発言するようになるだろう」と語る。クラウドソーシングを適用すれば、「コストをほとんどかけずに顧客/消費者の率直な意見を簡単に集められる」(同氏)からだ。
Edwards氏によると、イノベーションの推進とコストの削減に欠かせない要素として、顧客など社外の人間の活用を挙げる企業が増加しているといい、このこともクラウドソーシングの拡大を後押ししていると言える。「今はどの企業もイノベーションに力を入れており、『あらゆる人材を活用しよう』という機運が高まってきている」(同氏)
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