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【解説】
仮想化環境を十分に考慮したディザスタ・リカバリを目指す

「最終目標=ホット・サイトの構築」までになすべきことは多々あり

(2008年09月01日)

ディザスタ・リカバリ(DR)と聞いて、とにかくホット・サイトの構築のことばかりを考えるユーザー企業は少なくない。だが現実には、そこに至るまでに、もっとさまざまな要素がかかわってくる。そうした要素をどこまで取り込むかは、もちろん、自社のDRプロジェクトの予算によって左右されるが、最近では特に、仮想化環境を十分に考慮したうえでDRの計画を立てる必要があるだろう。

Edward L. Haletky/CIO米国版

トラブルや災害のレベルは両極端に限らない

 システム障害が発生した際にすぐに切り替えて稼働できるよう、十分な冗長性を持たせたホット・サイトを確保するには、相当のハードウェア、ソフトウェアおよびライセンスのコストがかかってくる。最高のものを目指す場合、既存のプライマリ・サイトとまったく同じ環境が必要になるが、これは多くのユーザー企業にとって現実的ではない。そこで近年では、サーバ仮想化技術を活用してホット・サイトを構築する動きが見られるようになった。

 ただし、DRの考慮点は、もちろんホット・サイトだけではない。ビジネス・コンティニュイティ(BC:事業継続性)にかかわるシステム・トラブルや災害は、小規模なアプリケーション障害から壊滅的な自然災害まで、さまざまな規模で発生する。この両極端については、ユーザー企業の間で、いずれもかなり理解されているようだ。

 だが、それらの間に位置するBC/DRの問題、例えば1台のマシンに起こったシステム障害、SAN(Storage Area Networks)の障害、そして仮想化環境にかかわる問題については、まだ十分な対策が講じられているとは言えない。

VMwareは仮想化環境の可用性を高める製品として「VMware HA(High Availability)」を提供している(資料:米国VMware)

 仮想化環境の問題対策に役立つツールはいくつかある。その多くは、他社に先行してこの分野に取り組んできた米国VMwareの製品で、仮想化環境の可用性向上のための「VMware HA(High Availability)」は最たるものだ。また、同社が提供する仮想マシン(VM)間クラスタリング・サービスも有効に利用できる。

ストレージ関連のDR製品の充実が進む

 仮想化環境の中でも、特にストレージ周りの問題についてはベンダー各社から多くの製品が提供されている。例えば、米国LeftHand Networksの「VSA」やXtravirtの「XVS」といった専業ベンダーの製品が対策に役立つ。これらは、ローカル・マシンのディスクを使ってシステム間のミラーリングを行う。このため、1つのシステムで障害が発生してもデータは失われない。これらの技術はソフトウェア・スタックの冗長性を高めることができ、小規模なサイトでは、冗長SANの代わりに利用できる。

 また、米国VizionCoreの「vReplicator」やVeeamの「Veeam Backup」など、レプリケーション機能を備えるツールを使って的確なバックアップを図ることも冗長性の向上につながる。これらの製品では、VMをストレージ・デバイス間で複製し、即座に電源を入れられる場所にVMを配置できる。こうすることも、SANやNAS(Network Attached Storage)を構成するデバイスの障害発生時に継続運用を行うよい方法だ。

 VMwareは、この分野で「VMware Site Recovery Manager(SRM)」を提供している。VMware SRMさまざまなSANおよびNASデバイスをサポートし、SAN/NAS製品に付随するプロプライエタリなミラーリング・ツールが仮想化環境に効果的に対応できるようにする機能を備えている。

 自社ITシステム上でVMの数を増やせば増やすほど、システム冗長性の向上を考えなければならなくなる。ベンダー各社からは、RAIDブレード・サーバやRAIDメモリなどのハードウェア冗長化ソリューションがすでに提供されているので、冗長スイッチング・ファブリックの構成などを検討することになる。

 ホット・サイトを確保することはDRの最終目標であることに間違いはない。だが、そこに至るまでのさまざまな規模の「ディザスタ」に備えるために、ここで紹介したようなツールも十分に活用して、地道にシステムの冗長性を高めていくことが重要である。

(Computerworld.jp)




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