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事業継続マネジメント(BCM/DR)

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【解説】
大災害からサバイブした企業のディザスタ・リカバリ計画[Case 2:緊急時体制の構築]

「重要なのは、手痛い教訓を次につなげること」――ハードロックカフェ

(2008年09月11日)

2005年8月末に米国南東部を襲った米国観測史上最大のハリケーン「カトリーナ(Katrina)」は、多くの命を奪い、ビジネスに甚大な被害をもたらした。災害はいつ、どこで、どんな状況で襲ってくるかわからない。万が一の事態に備え、われわれがすべきことは、ダメージを最小限にとどめるようにすること。そして日ごろからディザスタ・リカバリ(災害時復旧)計画を講じておくことだ。本稿では、カトリーナで被った甚大な被害を教訓として、緊急時の体制と復旧メカニズムを全面改定したHard Rock Cafeのディザスタ・リカバリ計画を紹介する。

Jennifer McAdams
Computerworld米国版

台無しとなったカジノのグランド・オープニング

 グランド・オープニングを2日後に控えたミシシッピ州ビロクシーのHard Rock Hotel&Casinoでは、エグゼクティブたちの間に重苦しい空気が漂っていた。最初のゲストが“招かれざる客”になりそうだったからだ。というのも、ハリケーン・カトリーナは湾岸の市街地を破壊し、まだオープンさえしていない真新しいカジノに襲いかかろうとしていたのである。

 2005年8月29日、ルイジアナ州からミシシッピ州にかけての沿岸部を襲った超大型ハリケーン・カトリーナは、Hard Rock Cafeに1億4,800万ドルもの損害をもたらした(写真1)。最大の被害は、オフショア・ギャンブル法の要件を満たすために2本のバージ上に建設された最新鋭のカジノ施設だった。IT機器の一部はスロット・マシンの列に沿って設置されていたが、メインのサーバ・ルームは陸上にある建物の中に設置していた。しかし、それらの最新設備も超大型ハリケーンの前では、ただ脆弱さをさらけ出すだけだった。


写真1:グランド・オープニングを目前に控え、カトリーナによる甚大な被害を受けたミシシッピー州のHard Rock Hotel&Casino

 カジノの設備/機材はもちろん、ホテルの1、2階部分が完全にハリケーンによって破壊された。サーバ・ルームのフロアも浸水の被害を受けた。

 “カトリーナの脅威”は想像を絶するものだった。だが、施設全体が暴風雨に飲み込まれようとしていたとき、Hard Rock Cafeのエグゼクティブたちは事前のディザスタ・リカバリ計画に基づき、すぐさま行動に移っていた。

 「ハリケーンが頭上を通過すると予想された時点で、われわれは数日後のオープニングに向けた準備を進めながら、ディザスタ・リカバリ計画に基づく行動をすぐさま開始した」と当時を振り返るのは、Hard Rock Cafeのバイスプレジデント兼CIOのジョン・マーフィー(John Murphy)氏だ。「まさにとんでもない週末だった」(同氏)

 その週末は建物の装飾などに関する最終チェックを行う予定だったが、観測史上最大のハリケーンに備えてバックアップ・テープの確認やディザスタ・リカバリの準備に追われるなど、目の回るような忙しさだった。しかし、「事前準備のおかげで、われわれは迅速に災害から復旧することができた」と、技術担当ディレクターのロブ・ワイヤ(Rob Weir)氏は語る。「基幹業務用サーバは2日でオンラインに復旧し、給与支払いも無事に処理できた」(同氏)

 「もし、同じような災害が今起こったとしても、ほぼ同じ方法で迅速に対処できるだろう。われわれの手順はおおむね適切だった。ただし、準備不足が一部あったことも否定はできない」と、Weir氏は自社のディザスタ・リカバリ計画を評価している。

 しかし、一番の誤算は、Hard Rock Hotel&Casinoの従業員たちがハリケーンの被害を甘く見ていたことだったという。特にローカルの通信インフラが被ったダメージは深刻で、「携帯電話のアンテナが破壊されたため、復旧後もしばらくはすべての通信がテキスト・メッセージに制限されてしまった」とWeir氏は語る。

ハードロックカフェがカトリーナから学んだ“教訓”

⇒ディザスタ

カトリーナによる停電で、ミシシッピ州のビロクシーの従業員たちはすべての連絡をテキスト・メッセージで行わざるをえなかった。

⇒リカバリ

ディザスタ・リカバリ計画の見直しで、ITスタッフは携帯電話の車載用充電器を常備。また、災害時における緊急人員配置計画も新たに策定した。


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