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ビジネス・コミュニケーション進化論

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【連載】
エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

第3回 プラットフォーム/ミドルウェア

(2008年03月26日)

もともとコミュニティ・ベースで開発が進められてきたオープンソース・ソフトウェアだが、今や多くの有力ベンダーがサポートし、企業が安心して利用できる環境が整っている。もちろん、OS、Webサーバ、メール・サーバなど、一部の分野では以前から企業利用が進んでいたが、最近は多様な分野において「エンタープライズ・オープンソース」が本格化しているのだ。本連載では、そうしたエンタープライズ・オープンソース・ソフトウェアを8分野に分け、各分野において特にすぐれたものを紹介していく。第3回目となる本稿では、プラットフォーム/ミドルウェア分野における秀逸なソフトを取り上げる。

Andrew Binstock/James R. Borck/Paul Venezia
InfoWorld米国版


プラットフォーム/ミドルウェア
RHELクローンのCentOSが善戦。WebサーバはApacheが不動の地位を占める

 まずはサーバOSを見てみよう。今回、われわれがBOSSIE(Best of Open Source Software Awards)に選んだのは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)クローンの「CentOS」である。Red HatがCentOSに抱く感情を直接知ることはできないが、よい気分ではないだろう。

 CentOSは結局のところ、「Red Hat」という文字を一切使わないRHELである。つまり、CentOSサーバにRHEL向けアプリケーションをインストールしても互換性の問題は発生せず、RHELのアップデートはすべてCentOSにも適用できる。もちろん、Red Hatからのサポートは期待できないが、Linuxの熟練者やRed Hat Linuxディストリビューションに詳しいユーザーのだれかがサポートしてくれるはずだ。

写真1:「Ubuntu Linux」をプリインストールしたDellの「XPS 410」。同製品はLinuxのクライアント利用の本格化を予感させる

 一方、オープンソースのクライアントOSは、「Ubuntu Desktop Edition」をベスト・チョイスとした(写真1)。Ubuntuは“LinuxディストリビューションのiPod”と形容できる代物だ。派手だが、シンプルで使いやすい。狂信的なユーザーが多い反面、否定的な声が少なくない点も似ている。

 これからLinuxを始めようという初心者や派手好みの人には、まちがいなく最適なディストリビューションだと言える。それ以外の人々には、あまりにシンプルでWindows的なところが気になるかもしれない。

 コミュニティの熱狂的サポートがある強力なデスクトップOSと、最も普及している商用LinuxディストリビューションをベースとするサーバOS。この2つのオープンソースOSによって、ユーザーは最高のLinuxワールドを手にできるだろう。

商用ソフトを抑えて浸透するオープンソースのWebサーバ/DB

 Javaアプリケーション・サーバのBOSSIEを選ぶ作業は難航した。2007年は、「Apache Geronimo」「Apache Tomcat」、「JBoss Seam」、「GlassFish」に重要なアップデートが施された年だった。これらのリリースは、いずれも個々の製品価値を大きく向上させたが、結局、JBoss Seamに追加された新しい機能性を凌駕するものはほかになかった。そのため、BOSSIEにはSeamを選んだ。

 SeamはEJB(Enterprise JavaBeans)3.0とJSF(JavaServer Faces)を統合するJava EE(Java Enterprise Edition)ベースのフレームワークだ。プログラミング負荷を減らし、開発リソースを他の部分へ振り向けることを可能にする。今回の機能強化には、AjaxおよびWeb 2.0インタフェースの追加、広範なビジネス・ルールの追加などが含まれる。

 多くの専門家はEJB 3.0によってエンタープライズ向けJavaが簡素化されたことでJavaアプリケーションの企業導入が加速すると見ている。しかし、われわれはJBoss Seamのような軽量かつ高機能フレームワークのほうが、より貢献するものと考えている。

 オープンソースWebサーバでは、1つのプロジェクトが最高の評価を得た。この分野では、「Apache」よりすぐれたものはない、というのがわれわれの結論だ。導入作業、セキュリティ、処理速度のどれをとっても、商用も含むあらゆるWebサーバの中でApacheはベストと言えるだろう。

 もし、Webサーバ・ソフトがすべて有料だったとしたら、インターネットの姿は今ごろどうなっていただろうか。Apacheは「情報の自由」を具現化した立役者だ。あらゆる人々のブログが読めるのも、Apacheのおかげと言っても過言ではない。

 DBMSのBOSSIEは際どい判定だったが、MySQLが最高得点を得た。高度な機能が要求される場合にはPostgreSQLのほうが有利だとする声も少なくなかったが、互換性、処理速度、実際に必要とされる機能などを含めて判断すると、MySQLは他の追随を許さなかった。

ESBではMuleSourceが制すもすぐれた製品が目白押し

 商用SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベンダーに対抗すべく、さまざまなオープンソース・プロジェクトが、データ・サービスやイベント・ドリブン・メッセージングなどの機能を標準装備するようになってきている。ESB(Enterprise Service Bus)分野のBOSSIEには、機能性、管理性、操作性などの面から、米国MuleSourceの「Mule ESB」を選んだ。

 Mule ESBは、導入や配備が容易であることに加え、幅広い接続性(JMS、MQ/AQ、JBI、SOAPなどに対応)を提供し、データ転送、ルーティング、認証などの機能も強力だ。監視および管理コンポーネントにもすぐれている。BPEL(Business Process Execution Language for Web Services)や.NETなどもサポートする。

 この分野では、商用ESBの「Artix ESB」を提供するIONAの「FUSE ESB」も高い評価を得た。FUSE ESBは現在、同様にIONAのオープンソースESBである「Celtix」との統合化が進められており、これが完了すれば、ESB、SOA、ルーティングなどにApacheベースの基盤を持つことになる。一方、SunOpen ESB 2もベータ版だが将来は有望であり、「JBoss ESB」や「WSO2 ESB」、「OpenAdaptor」なども無視できない存在だ。この分野は、今後を期待できるプロジェクトが目白押しである。

VMware放逐の布陣を敷いたサーバ仮想化のXenが躍進

 最後は、仮想化プラットフォームのBOSSIEだ。いくつかのオープンソースに票が割れたが、最終的にはサーバ仮想化ソフトの「Xen」に決まった。Xenはサーバ仮想化の王者であるVMwareの放逐を目指す商用ベンチャーをいくつも誘発した仮想化プロジェクトだ。主要なLinuxディストリビューションにも含まれており、現在もLinuxの標準ハイパーバイザとして連日のように機能追加が行われている。

 この分野では、OSレベルのすぐれた仮想化技術である「OpenVZ」も高く評価された。サポートするのはLinuxのみだが、OpenVZは、すべてのゲストOSおよびホストOSが同一のOSカーネルを共有する構造を持つため、CPUの負荷が小さく、高い処理性能を実現している。



エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]
第1回 業務アプリケーション
第2回 ネットワーク
第3回 プラットフォーム/ミドルウェア
第4回 セキュリティ
第5回 モニタリング
第6回 ストレージ管理
第7回 開発言語
第8回 開発ツール

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