【 ここから本文 】

ビジネス・コミュニケーション進化論

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


【解説】
BI活用の方向性と戦略立案のポイント

ユーザーの期待は過去業績の確認から将来予測へ

(2008年04月09日)

理想のCPM実装は財務以外にも着目

 図3はCPMを構成するコンポーネントの例である。この図のようにCPMアプリケーションは、インフラとしてのBIの上で稼働するという形になる。


図3:CPMのために必要となる代表的なコンポーネント群


 このような一連のCPMスイートによって、社内外のリポーティングから企業パフォーマンスに関する一貫したビューを得ることが可能になる。そのために特に重視すべき機能は、戦略的プランニングや財務予測を支援するためのプロセスやシステムに、財務連結とリポーティングを結合することである。

 また、一般的にCPMスイートの実装は、CFO(最高財務責任者)と財務部門が主導するケースが多い。しかし、理想を言えば、これまでに述べたように財務的な視点にとどまるのではなく、財務予測を業務系の計画に直接リンクさせることなどによって、自社のパフォーマンスにおける他の側面にも目を向けて実装を進めるべきである。

 念のために断っておきたいのは、これらのツール群を導入しさえすれば、CPMという取り組みを進められるわけではないということだ。一時期は特に欧米において、実際にこの類の誤解が生じていた。例えば、CEO(最高経営責任者)やCIOが、どのような戦略的な目的を達成するために、どのような指標を見ていくのか、どのように運用していくのかといったビジョンを持たないまま、とにかくダッシュボードを導入するように促していったケースである。このようなケースについてガートナーは、ワースト・プラクティスの1つと見なしている。

「BIの成熟度モデル」で自力のレベルを測る

 ここまで、BIの今後の中心的な利用領域になると予測されるCPMについて見てきた。以降は、BI全般の取り組みに視野を広げ、BIイニシアチブから成果を得るために考慮すべきポイントを解説する。

 図4は、ガートナーが提唱しているBIの成熟度モデルである。このモデルにおいては、BIの成熟度を大きく5つのレベルに分類している。以下、BIの成熟度を各レベルごとに説明する。


図4:ガートナーが提唱するBIの成熟度モデル


無知レベル

 最初に、図4には記載していないが、最も未成熟な状態に「無知」というレベルがある。このレベルは、BIに対する組織的な取り組みがまったくなされていない状態を指す。こうした状態の中で情報ニーズが発生した際には、そのつど、個別対応することになる。無知レベルから脱するには、まず、自社におけるBIニーズを把握し、ビジネスの推進要因を特定するところから着手しなければならない。

戦術的レベル

 図4において、最も成熟度が低い段階となるのが「戦術的」レベルである。このレベルに属する企業は、BIへの投資を始めた段階にあり、日常的なビジネス上の判断に何らかのデータを必要とするマネジャーや役員という一部の人々がユーザーとなっているケースが多い。このレベルの企業では、個別導入された複数のシステム/アプリケーションがサイロ化した状態にあり、全社にわたる情報の一貫性が十分に確保されていないため、情報共有/活用が特定部門内にとどまっているケースが多い。

集中的レベル

 「集中的」レベルに該当するのは、上級役員がBIに対して強いコミットメントを示しており、業務効率化、マーケティング力強化、財務報告の迅速化など、特定のビジネス課題の解決を第1の目的としている企業である。このレベルに至って初めて、成功事例が登場してくる。目的の達成を支援するために、後述するBIコンピテンシ・センターを組織しているケースも多い。

戦略的レベル

 「戦略的」レベルは、包括的なビジネス戦略をすでに定義し終えている、あるいは定義している最中で、その実現のために幅広いユーザー層がBIを駆使している状態である。一部の重要なビジネス・プロセスにBIが統合されている状態にあり、また、部門の壁を越えて情報にアクセスできるようになっている点も特徴だ。このレベルにある企業は、サプライヤーやビジネス・パートナー、顧客といった社外リソースからの情報入手を視野に入れ始めている。

パーベイシブ・レベル

 「パーベイシブ」レベルは、BIが企業文化として全社的に浸透している状態である。情報アーキテクチャやアプリケーション・ポートフォリオが確立され、BIがEA(Enterprise Architecture)のような全社的なアーキテクチャや、アプリケーション開発プロセスに組み込まれている。加えて、BIの利用が、社内の幅広いユーザー層はもちろんのこと、パートナーや顧客にまで拡大している。さらに、自社を取り巻く環境が変化した際にも、それに迅速に適用することができるアジリティも備えている。ただし、このレベルにある企業は、今のところほとんど見受けられない。

 BIイニシアチブから十分な効果を引き出すためには、その第一歩として、自社のビジネスの目標を定め、BIにおいてどの成熟度レベルに到達する必要があるのかを見極めることが、きわめて重要になる。それと共に、自社もしくは所属する部門が、現時点でどの成熟度レベルに位置しているのかを理解することが必要だ。そうすることで、この2つの間のギャップを埋めるためには、どのような取り組みやテクノロジーが必要になるのかを明らかにできる。ここで注意しなければならないのは、1つの組織の中でも、複数の成熟度レベルが混在しているケースが多いということだ。


前のページへ < 1234 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


特別企画

配布文書の動的統制で情報セキュリティのあり方を変える

自由な情報デリバリーと強固な情報漏洩対策の両立に向けて

新時代のRIAプラットフォームで企業情報の価値を最大化する

バックエンド・データとの連携で業務の効率化を強力に支援

エンド・ツー・エンドでビジネス・プロセスの効率化を図る

オンラインとオフラインの両環境で業務フローを緊密に統合

事例研究

“リアル&バーチャル”での情報共有が建設プロジェクトを成功に導く

【大林組】

「情報」の活用で医療機器バリューチェーンを革新せよ

【オリンパスメディカルシステムズ】

研究開発ノウハウの共有でイノベーションを図る

【P&G】

インテリジェントな電子フォームで業務プロセスを大改革

【米国スナップオン・クレジット】

キャッチアップ

「リッチ・クライアントに求められているのは、すぐれたユーザー・エクスペリエンス」

企業IT分野でリッチ・クライアントが真に普及するための条件とは

「エンタープライズ・ウィジェット」その可能性と課題を探る

企業内で新たな活用領域を見いだすなか、セキュリティには手つかず

開発者の“インスピレーション”を刺激し、Webとデスクトップの融合を加速する、アドビのRIA戦略

注目の「AIR」をはじめ、RIA関連の次世代技術を一挙公開

ユーザーの声から考える“情報共有/活用基盤2.0”

エンタープライズ検索/イントラ・ブログ/ソーシャル・ブックマークの企業での活用

「アジャイル開発とPHPの相性は良好だ」――ゼンドとアドビが強調

PHPのオブジェクト指向性がアジャイル・プロセスにマッチ

ビジネスの核となる「情報・データ基盤」どう強化し、どう活用すべきか

「新時代の情報系」に求められる技術と戦略

目指すは「脱ブラウザ」――スタンドアロン型リッチ・クライアント最新事情

次世代デスクトップ・プラットフォームの“本命”となるか

「Web 2.0 Summit」で語られたコンピューティングの未来

イノベーション創出のため、Web 2.0を製品戦略に取り入れるベンダー各社

米国アドビ社長が語る、製品戦略の「次なる一手」

今後の注力分野は“ビデオ&モバイル”

情報統制

社員のアクセス管理は「無法状態」――組織の分散化が原因?

「アクセス権に関する責任の所在は特定が困難で、検討機会もない」

エンタープライズ・データを守れ

担当者が負担に押しつぶされず、企業にとって価値のある情報を保護するために

情報漏洩に備える――ダメージを抑えるための心得7カ条

セキュリティ責任者が実践すべきこと、すべきでないこと

コンプライアンス時代の情報セキュリティ・ポリシー

英国の事例から情報セキュリティ対策の有効策を探る

ビジネス・プロセス管理

「SOAとBPM」の相関を理解する

システム俊敏性のさらなる向上を図るためのアプローチ

「サービス」の真意をとらえ、社内体制を整える――そこからSOAプロジェクトは始まる

経営層とIT/IS部門に求められる、業務視点のシステム構築

「全社横断型の戦略部門」への転換がIT部門の未来を切り開く

企業の“DNA”に沿った事業戦略をITで具現化するという「大役」を果たすためには

IT化の“ラスト1マイル”は「人がかかわるプロセス」──米国アドビ幹部

「ドキュメント・人・プロセス」の統合を図る、アドビのエンタープライズ戦略

完全なる”ペーパーレス・オフィスの実現に向けて

「もはや企業に選択の余地はない!」

BPM製品のトレンドと導入/運用の4ステップ

「モデル」「デザイン」「デプロイ」「監視」の基本フローを押さえる

トレンド・ウォッチ

IBM、Rational/WebSphere/Lotus製品・サービスのモバイル向け機能を強化

開発ツールのモバイル対応強化と新サービス「Mobility@Work」の提供(2008年08月11日)

アドビ、プロセス自動化ソフト「LiveCycle ES」の新版を発表

オープンソースのECM/PDFへの自動変換機能を新たに搭載(2008年06月18日)

アドビ、RIA技術でWeb会議/eラーニング・ソリューションを刷新

「Adobe Acrobat Connect Pro」最新版をリリース(2008年06月06日)

JavaFXの強みはユビキタス性――サンが新RIA技術の多彩なランタイムをアピール

今秋リリースのJava SE 6 Update 10から提供へ(2008年05月12日)

カール、Adobe AIR対抗のオフライン対応RIAランタイムを開発

AIRとの違いは企業向け機能の充実。ベータ版を来週公開へ(2008年04月15日)

小売企業の課題は販売チャネルの連携――旧式の情報システムがネックに

“クロスチャネル網”の構築過程でシステム上の問題が多発(2008年04月04日)

Windows Mobileが、SilverlightとFlashを今後のバージョンでサポート

モバイル環境でもRIA対応を進めるマイクロソフト。時期は未定(2008年03月17日)

生誕10周年を迎えた「XML」――その普及・活用の進展度を知る

「もはや“空気”のような存在であり、必要不可欠なものに」(2008年03月13日)

IBM、ユニファイド・コミュニケーション事業に3年間で10億ドルを投資

大規模ビジネスへの提供を指向し、Lotusへの投資も加速(2008年03月11日)

小売業界がBIを重視、顧客ニーズへの対応で活用

7割の企業がすでに導入/利用(2008年02月27日)

「データ品質がビジネスの成否を左右する」

TVJP栗原氏がデータ・アーキテクチャの全体最適化を提言(2008年02月14日)

先行するアドビ、追うマイクロソフト――RIA市場でしのぎを削る両社の強みと課題

ユーザー数でFlashに劣るSilverlight、開発環境はVisual StudioがFlexに勝る(2007年12月26日)

アドビ、オープンソースのRIA開発ツール「BlazeDS」を公開

データ転送とパフォーマンスの改善を支援(2007年12月14日)

Weekly Ranking

集計期間:08/21〜08/27



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国