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[米国]
権利擁護団体が、携帯キャリアによるテキスト・メッセージ遮断を禁止するようFCCに要請
団体側/キャリア側とも持論を譲らず、意見書提出の応酬に
(2008年04月15日)
移動体通信事業者(携帯電話キャリア)が他社からのテキスト・メッセージを受信拒否している現状に、米国の複数の権利擁護団体が異を唱えている。複数の団体は4月14日、これを米国連邦通信委員会(FCC)が規制しなければならないとし、FCCに意見具申書を提出した。
Public KnowledgeやFree Pressをはじめとする複数の権利擁護団体の関係者が、競合から送られてきたテキスト・メッセージや、政治的なメッセージを故意に遮断し続けているとして、携帯キャリアを批判している。彼らがテキスト・メッセージの遮断について最初に懸念を表明したのは2007年9月で、米国の妊娠中絶の支持団体NARAL Pro-Choice Americaが携帯電話のテキスト・メッセージを使ったキャンペーンで送信したメッセージを、大手携帯キャリアの米国Verizon Wirelessが遮断するという事件に対してのことであった。
このときは、VerizonがNARALのメッセージの受信を拒否したとのマスコミの報道を受け、同社が即座に決断を覆して事態を収拾した。だが現在、Public Knowledgeの代表であるジジ・ソーン(Gigi Sohn)氏はFCCが何らかの規則を定める必要があると主張している。「携帯キャリアがメッセージの送り手や受け手を限定できる状態では、言論の自由や市民の対話、障害者のためのアクセシビリティ、さらには公正な競争に影響が出る」(Sohn氏)
Public Knowledgeやその他の団体は4月14日、テキスト・メッセージ遮断に関するFCCの調査の中で、意見具申書を提出した。なお、2007年12月には、Free Press、Public Knowledgeをはじめとする一団がFCCに苦情を申し立てていた。
あらためて提出された新しい意見書には、以下のような文章が記されている。「今日の米国におけるコミュニケーション・ネットワークは、深刻かつ継続的な問題をはらんでいる。コミュニケーション・システムを利用する入り口を掌握している者たちが、(携帯電話の)テキスト・メッセージという成長著しいメディアを通じて、だれが何を大衆に語りかけてよいのかをコントロールしようとしている。携帯キャリアは現在、潜在的な競合社に対する差別的な行為を公然と行い、顧客が読むものや交信する相手を任意に取捨選択する権利を声高に叫んでいる」と記されていた。
聴覚障害者のためのコミュニケーション・サービスを提供する米国の非営利団体Communication Service for the Deafで法務顧問を努めるカレン・ペルツ・シュトラウス(Karen Peltz Strauss)氏は、言論の自由ばかりでなく、テキスト・メッセージを利用して電話でコミュニケーションを図ることが多くなった聴覚障害者の権利も侵害されていると指摘する。「テキスト・メッセージを頼りにしている障害者にとって、同メッセージの遮断を禁じるFCCの規制は不可欠なものである」と、Strauss氏は述べた。
Verizonやその他の携帯キャリアは、FCCによる規制は必要性が低く、むしろ消費者に有害であるおそれすらあると指摘している。いわく、携帯キャリアが一部のメッセージを遮断できなくなれば、携帯電話ユーザーはスパム・メッセージの洪水に見舞われるというのだ。
Verizonは3月14日、FCCに何らかの措置を取るよう求めているPublic Knowledgeおよびその他の団体は、規制を正当化できる具体的な事実を提示していないと論じた意見書をFCCへ提出した。同社はすでに、これらの団体に宛てたテキスト・メッセージ送信リクエストを3,200件以上も承認しているとしている。
「ただし、広告主を選別したり、特定の製品に関するテキスト・メッセージ・キャンペーンを拒否したりといった対策は確かに講じている」とVerizonは説明した。同社はFCCに提出した文書の中で、携帯キャリアが一部のメッセージを遮断する行為をFCCが禁じた場合、「ワイヤレス事業者は、違法ドラッグの広告やアダルト・コンテンツ、テキスト・メッセージを使った嫌がらせ、未承認広告メッセージなどから顧客を守ることすら不可能になる」と苦言を呈している。
これに対し、米国のテキスト・メッセージング・マーケティング会社のMobile CommonsのCEO、ジェド・アルパート(Jed Alpert)氏は、メッセージング・スパムに関する携帯キャリアの懸念は的はずれだと指摘している。FCCに求められているのは、不必要なスパム・メッセージではなく、利用者自身が受信を望んだメッセージを携帯キャリアが遮断するのを禁じることなのである、と同氏は説明した。
「各団体がFCCに求めている規制と、携帯電話で大量のスパムを受け取るようになる可能性の間には、因果関係は一切存在しない。(メッセージングの)プログラムで、ときには複数回にわたってユーザーに受信の可否を確認すればよいだけだ」(Alpert氏)
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)
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