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ビジネス・インテリジェンス

【解説】
米国国税局の「高速/大規模データ・ウェアハウス」がもたらした効果

もうだれも確定申告はごまかせない?――総容量150TBものデータを管理分析

(2008年03月28日)

10年来のデータ統合プロジェクト

 大規模な連邦機関や大企業と同じように、IRSではレガシーなメインフレーム・データベースやOracleデータベース、フラット・ファイルを含むさまざまなソースからのデータを保管している。

 「10年前は、こうしたさまざまなソースを連携させてビジネス・インテリジェンス(BI)的な作業を行うというのは“悪夢”と思われていた」とBulter氏。このとき、同氏率いるIRSの調査グループは、当時リリースされたばかりの「Sybase IQ Analytics」サーバを採用した。多くの水平思考のデータベースと異なり、Sybase IQはカラム・ベースのテーブルにデータを保管するアーキテクチャを採用している。このアーキテクチャは、データの書き込みには時間がかかるが読み込みは高速で、DWHのようなアプリケーションにはうってつけである。

 現在、Sybase IQを使うユーザー企業の数は、銀行200社を含む1,000社に上る。しかし10年前の当時、赤字続きの業績に苦しんでいたSybaseの“ラジカル”な技術を、IRSが採用することは、同庁にとって非常に大きなリスクだった。

 「(Sybase IQを選んだことに対して)、周囲からはかなりの抵抗があった」とButler氏は当時を振り返る。「『IBMかInformixではいけないのか?』とよく聞かれた。確かに多少のリスクはあった。当時、Sybase IQが(IRSが承認した)エンタープライズ・アーキテクチャに含まれていなかったからだ。最終的には、この分析エンジンを調査に使うことの許可がおりたが、大半のデータはOracleとIBM DB2で維持されることになった」

担当者が描く、今後の拡張計画

 Butler氏の調査部門では、「Microsoft SQL Server」も採用しており、同データベースでDWHおよびIRS全体のメタデータを保管している。これらすべてのメタデータ、すなわち150台のデータベース分の1万ラベルを管理/クリーニングすること自体が大作業だ、とButler氏は話す。

 CDWの高速な処理性能は、すぐれたハードウェア、IQにおける改良、そして何よりも高速かつ低コストのストレージに支えられている。「CDWを採用した当時は、1年分の確定申告データ(15〜20TB)をロードするのに6〜8週間かかったが、現在はわずか4時間で済んでしまう」(Butler氏)

 Hyperion Solutions(現Oracleの事業部門)のBIクエリ・ツールを採用したCDWへのダイレクト・アクセスは現在、約500人の調査官(大半がIRS所属で、一部は財務省所属)のみに許可されている。そうしたなかで、Butler氏のチームは現在、各連邦機関からのデータ・リクエストに応えるべく、IRS内のWikiやブログ、SharePointサイトにサマリと傾向統計データを提供する分析サービスの構築に取り組んでいる。

 独自サイトで多様な人口統計データを提供している国勢調査局のように、IRSでも最終的には公共への情報提供を目指していきたいという意向がある。もっとも、同庁が扱うデータの課題も熟知するBulter氏に言わせれば、それは「はるか遠くの夢」ではあるようだ。


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