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ビジネス・インテリジェンス
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BIの技術要素と活用のコツを知る
ツールの機能ばかりにとらわれず、本質を見極めよ
(2006年05月12日)
BIを効果的に活用するための3つのポイント
さて、BIツールの技術要素を整理できたところで、BIシステムの効果を最大限に引き出すためのポイントを3つ紹介しよう。
ユーザーのニーズに即したツールを選定する
データ出力に対するユーザーのニーズが高いからといって、安易にBIシステムを導入するのは考えものである。業務改善というBIの目的を達成するためには、企業の経営戦略と現場のオペレーションを結び付けることが可能なシステムを構築しなければならない。また、ツールの機能にとらわれるあまり、「だれのためのBIシステムなのか」ということを見落としがちになることも多い。そこで、ユーザーを次のように、3タイプに分類して、それぞれにおいて必要とされる機能を検討するとよい。
■経営層
分析結果を重視するため、全体の情報をより早く簡単に把握する機能
■部門マネジャー
傾向や問題点などのプロセスを分析できる機能
■一般スタッフ
データをすばやく出力してExcelに結果を取り込むなど、簡便に操作できる機能
加えて、重要なのはアウトプットの形態である。ここで言うアウトプットとは、BIシステムによって生成される単なるリポートではなく、それが最終的にどのように利用されるかということである。リポートの要件を定義する際には、このアウトプットを基に行う必要がある。
一般に、リポートの要件は、ユーザーに直接ヒアリングしてまとめられることが多い。しかしながら、真のリポートの要件は、作成されたリポートの利用方法に隠されているものだ。例えば、一般スタッフは、リポートを社内ポータルに掲示したり、メールに添付したり、あるいは紙で提出したりしていることが多いだろう。つまり、いかに高機能なBIシステムを導入したとしても、最終的なリポートは、ExcelやHTMLファイルといったごく基本的なファイル形式によって利用されているということである。
したがって、リポートを利用する頻度が最も高いユーザー層が一般スタッフである場合、BIシステムにおいては、リポートの見栄えをよくする機能やドリルダウンの機能は必要なく、リポートをExcelやCSVなどの形式で出力できることが最も重要になるのである。本当にユーザーにとって役立つBIシステムを構築するためには、対象とするユーザーのニーズに合致するようにツールを絞り込む必要があるのだ。
データの精度を維持/向上する
BIの命とも言えるのが、データの精度である。BIによる分析結果は企業の意思決定に用いられるので、その大本となるデータの精度が低いと、企業を誤った方向に導くことにもなりかねない。すなわち、BIの成功は、データの精度にかかっていると言っても過言ではないのである。
では、どのようにしたら、データの精度を向上させ、それを保つことができるのだろうか。それを実現させる方法はいくつかあるが、まずは、データ自体の品質を保っておく必要がある。
例えば、BIシステムで販売データを抽出し分析を行った際に、データの分類が正確になされていないと、「その他商品」や「分類なし」といった無意味なカテゴリーが全体の8割ほどを占め、分析結果が使い物にならないようなことがしばしば発生することになる。また、基幹業務では保持していないデータの生成が必要になることも多く、コードのひもづけなどを行うマスタを整備しておかないと、思いのほか工数がかさんで作業が遅れることもある。
次に、データの抽出を正確に行えるようにしておかなければならない。これは、リポートの表現力と言いかえてもよい。例えば、第1四半期の売上げは4月〜6月の値を合計することで表現できるが、第1四半期の在庫はどうであろうか。その値は6月末の数字であり、4月〜6月の合計値ではない。こうした違いを正確に表現できないと、BIシステムが業務のボトルネックになってしまうおそれがあるのだ。
ボトルネックを明確にする
上述したように、BIのプロセスは多岐にわたるため、ユーザーはできるだけ多機能なBIツールを導入し、“何でもできる”システムを構築しようとする傾向が強い。しかし、そうしたシステムは一見便利なようでいて、使い勝手が悪くなりがちである。
そこで、各プロセスにおけるボトルネックを明確にすることが重要になる。例えば、データ抽出後の数値検証に工数がかかるような場合にはETLが有効であり、検索スピードが遅すぎるようであればDWHやデータ・マートを見直す必要があるのだ。
以上、BIの技術要素、BIを有効に活用するためのポイントについて解説した。BIシステムは十分に使いこなせば、非常に有益なビジネス・ツールとなる。しかし、そのためには、上述したようなさまざまな課題を克服する必要がある。
なお、BIによる業務改善を実現するには、相当の業務知識とITに関するノウハウが必要となる。したがって、BIシステムの導入をユーザー企業が単独で進めるのには無理があり、かといって、ベンダーに丸投げはできない。大事なのは、ベンダーとユーザー企業のパートナーシップである。業務のプロであるユーザー企業とITのプロであるベンダーとが協力し合うことによって、ぜひビジネスの基盤として活用できるBIシステムを構築していただきたい。
Case Study
エンドユーザーからのさまざまな要望を取り入れて、「使われるBI」を構築
●ゼリア新薬工業
ゼリア新薬工業は、売上げデータを分析するために、日本ビジネスオブジェクツのBIツール「BusinessObjects」を導入した。また、ETLツールにはビーコンITの「Waha! Transformer」を、DWHにはIBMの「IBM Red Brick Warehouse」を採用している。
同社のシステムの特徴は、ツールの機能にとらわれることなく、ユーザーとなる営業部門の詳細かつ複雑な要求にこたえることを第一に、さまざまなカスタマイズが施されている点である。こうすることで、ユーザーに使ってもらえるシステムを構築しようとしたわけである。どんなに多額の投資を行って多機能のシステムを構築しても、ユーザーに利用されなければ意味がない。
主なカスタマイズ点としては、次の2点が挙げられる。1つは、分析結果として生成されるHTMLを軽量化し、ファイル・サイズを極限で10分の1にまで抑えることで、PHSなどによるモバイル・アクセスの操作性を向上している点である。もう1つは、マスタなど検索対象のデータが多い場合には、カスケード式の絞り込みを可能にすることで、検索スピードを向上させている点である。
同社では、BIシステムによって、「データ=営業力」という認識が定着し、戦略立案などにおけるBIの有効性も広く社内に認められているという。
*この事例の詳細については、http://www.beacon-it.co.jp/jp/zeria.htmlを参照されたい












