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ビジネス・インテリジェンス

【FASTforward'07】
Web 2.0のキーパーソンたちが語る「企業と検索の良好な関係」 Update

ITマネジャーの新たな課題──サーチやソーシャル・メディアをビジネスにどう活用するか

(2007年02月10日)

ノルウェーのファストサーチ&トランスファは2月7〜9日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンディエゴのマリオット・ホテルにて、ユーザー・コンファレンス「FASTforward '07」を開催した。基調講演のステージには、Web 2.0ムーブメントの先導者たちが次々と登場。Web 2.0時代のビジネスとテクノロジーの関係性や、最新の検索技術が企業コンピューティングにもたらす効果などについて、さまざまな洞察が敷延された。

河原 潤
本誌編集長

ゲスト・スピーカーがコンファレンスの主役

写真1:ホスト役を務めたファストの創業者でCEOのジョン・レルヴィック氏

 FASTforwardは、今年で3回目となる同社主催の年次ユーザー・コンファレンスである。今回のテーマは「Innovate, Accelerate and Dominate」。さまざまな分野のエキスパートがテンポよくステージに登壇し、テーマについて言及するという、前回(2006年2月にフロリダ州マイアミで開催)と同様のスタイルでコンファレンスが展開された。

 北欧ノルウェーのオスロに本拠を置くファストサーチ&トランスファは、企業内で構築・運用されるエンタープライズ検索プラットフォーム「FAST Enterprise Search Platform(ESP)」を各国で提供するソフトウェア・ベンダーである。だが、幹部によって自社の戦略や製品の特徴が大々的に語られる一般的なITベンダーの年次コンファレンスとは違って、FASTforwardでは、多彩な顔ぶれのゲスト・スピーカーによって繰り広げられる講演/パネル・ディスカッションがメインに位置づけられているのが特徴だ。

 このスタイルが、現在、最もホットなテクノロジーの1つであるエンタープライズ検索の本質に触れたいと考える人々の評判を呼んだようで、ファストによれば、高額のコンファレンス参加費にもかかわらず、登録者数は前回の倍以上の約1,100名に達したという。

 こうした独自のスタイルにのっとり、オープニングで登場したファストCEO(最高経営責任者)のジョン・レルヴィック氏(写真1)のスピーチはわずか約5分間。コンファレンスのホストとしての“開会宣言”に徹したものであった。だが、その言葉には、高い技術力をもってこの分野の将来を切り開いていくフロンティアとしての確たる自信が感じられた。

 「検索技術の活用は、企業・組織のビジネスに大きな差別化要因をもたらす。この技術は人、顧客、パートナー企業を、適切なコンテンツ、情報、製品・サービス、そして人に導くものなのである。今日と明日のセッションで、このテクノロジーの将来と、その大きな可能性について、各界のスペシャリストたちとともに探っていきたい」(レルヴィック氏)

基調講演はWeb 2.0の有力者たちによる“競演”に

写真2:ジョン・バッテル氏は、「検索は今後、顧客との対話のためのすぐれたツールとなる」と語った

 起業家/作家でベストセラー『ザ・サーチ』を著したジョン・バッテル氏(写真2)、米国オライリー・メディア創業者/CEOでWeb 2.0定義の提唱者であるティム・オライリー氏(写真3)、米国ハーバード・ビジネス・スクール教授のアンドリュー・マカフィー氏(写真4)、Wired Magazine編集長で、ロングテール理論の提唱者/同名書籍の著者であるクリス・アンダーソン氏(写真5)……レルヴィック氏に続き、Web 2.0ムーブメントを牽引してきた、そうそうたる顔ぶれが、コンファレンスの“主役”として基調講演のステージに立った。こうした豪華メンバーによる“競演”という形で、それぞれの専門領域から、今回のテーマ(ここ数年で進化の著しい検索技術がビジネスを革新し、加速し、競合優位性をもたらしていくさま)に関する洞察が敷延された。以下、バッテル氏とアンダーソン氏の言を引用する。

写真3:「Web 2.0の概念が浸透し、インターネットはあらゆる行為のプラットフォームとなった」と話すティム・オライリー氏

 「検索は今やマーケティング・ツールとして定着した。だが、それはこのテクノロジーの第1章にすぎない。さらに何ができるようになるか。それは、顧客との真の意味での対話である。検索は今後、あらゆる企業にとって、顧客との対話のためのすぐれたツールとなる」(バッテル氏)

 「検索されやすくすること。そして適切な推薦文が付されること。これらによってECサイトでの商品の売上げはより大きく伸びていく。Web 2.0の特徴の1つであるロングテールはまだまだ伸びる余地があり、市場リーダーであるアマゾン・ドットコムでさえも、そのポテンシャルを十分に引き出し切れていない」(アンダーソン氏)

Column
「FAST AdMomentum」はオンライン広告のパラダイムを変えるか?

ファストのセッションでは、AdMomentumのデモが披露された

 ファストは今年2月5日、FASTforward '07コンファレンス開催直前のタイミングでオンライン広告プラットフォーム・パッケージ「FAST AdMomentum」を発表した。現在、グーグルの「AdWords」やヤフーの「Overture」をはじめとする検索連動型のリスティング広告がオンライン・メディアの世界で定着しつつあるが、AdMomentumは、同プラットフォームを導入した企業自身がその広告枠の販売をコントロールできるようにするものである。

 ファストCEOのジョン・レルヴィック氏は次のように説明する。「検索テクノロジーとパフォーマンス指向のオンライン広告モデルは出版ビジネスを劇的に変えたが、多くの出版社は、真の効果を享受しているとは考えていない。彼らはWebの世界においてもみずからの手で広告販売をコントロールしたいと願っており、グーグルやヤフーなどの手を借りずにそれを可能にする技術を求めている」

 ファストによると、AdMomentumは、オンライン・メディアを展開する出版社や企業、小売業者、通信事業者など、業種・業界ごとにある特定の需要を満たすプラットフォームとして開発されたという。 また、メディアの訪問者と広告主の双方のニーズを満たすために、局所的に売れるもの、広範に売れるものといった商品の特性に応じたコントロールの最適化機能や、広告主のためのセルフ・サービス環境なども備わっているとしている。


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