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ビジネス・インテリジェンス

[米国]
オラクル、BIベンダーのハイペリオンを33億ドルで買収へ

買収の目的はBIツールの整備とSAPユーザーの獲得

(2007年03月02日)

 米国オラクルは3月1日、BI(ビジネス・インテリジェンス)ソフトウェア・ベンダーのハイペリオン・ソリューションズを33億ドルの現金で買収すると発表した。

 両社は、ハイペリオン株の2月28日の終値に21%上乗せした1株52ドルで、オラクルが同社株を買い取ることで合意した。オラクルは3月14日までに株式公開買い付けを開始する予定。両社は4月末までに買収が完了すると見込んでいる。

 オラクルは声明の中で、「財務計画ツールや強力なOLAP(オンライン分析処理)エンジンなどを含むハイペリオンの製品は、当社が昨年初めから取り組んでいるBIソフトウェア・ファミリーの強化を補完するだろう」と述べている。

 オラクルは企業買収を活発に推進し、ERPパッケージ・ベンダーのピープルソフトやシーベル・システムズなどを傘下に収めてきた。オラクル幹部は、「当社はデータベース、アプリケーション、ミドルウェアから成る製品ポートフォリオを広げ、業界有数の幅広いBIツール・セットを整備する」と語った。

 今回の買収は、大型買収によって売上高と顧客基盤の拡大を進めるというオラクルの戦略に基づいている。だが同社は、買収した企業の製品と従業員を自社に統合するという課題に再び取り組まなければならない。2005年以降、同社が発表した買収は30件近くに上っている。

 ハイペリオンは、およそ1万2,000社の顧客を持ち、20カ国以上に約2,500人の従業員を抱えている。また、2006年度(6月30日締め)の売上高は7億6,520万ドルだった。

 オラクルにとって、BI分野で買収先候補となる大手ベンダーは、コグノスやビジネスオブジェクツなども含めて数社あった。なかでも、ハイペリオンはオラクル製品との重複がほとんどないという点で、うってつけの買収相手だったと、調査会社オバムのグローバル・ソフトウェア・リサーチ責任者、デビッド・ミッチェル氏は語る。

 オラクルは昨年からBIソフトの拡充に乗り出し、多様なアプリケーションや技術の下でデータを統合するツールを提供してきた。だが、これらの製品は主にオラクルの既存顧客をターゲットにしていると、ミッチェル氏は指摘する。

 「ハイペリオン製品をこれまでのツール・ファミリーに加えれば、オラクルは既存顧客基盤だけでなく、製品としての強みを武器に、より広い市場にアピールできるようになる」(同氏)

 またミッチェル氏は、今回の買収が「ドミノ効果」を引き起こし、他の大手BIベンダーまで買収される可能性もあると見る。実際、IBMがコグノスを買収するとのうわさが以前から流れている。

 オラクルの共同社長、チャールズ・フィリップス氏は、「ハイペリオンを買収したねらいの1つは、SAPの顧客に近づくことだった。彼らの多くはハイペリオンのソフトウェアを使っている」と電話会見の中で述べた。

 オバムのシニア・アナリスト、イアン・チャールズワース氏は、SAPの顧客が、これまで多額の投資を行ってきたSAP製品からオラクルのアプリケーションに乗り換えることはまずないだろうと予測する。ただし、SAPの顧客がハイペリオンのソフトウェアを購入すれば、そうした顧客のIT支出の一部がオラクルの手に入ることになると、同氏は付け加える。

 オラクルのフィリップス氏は、「当社はハイペリオンのソフトウェアとともに、SAP製品を含む他社製品のサポートも行っていく」と語った。これは、他社のデータベースと互換性のあるビジネス・アプリケーションに対してオラクルがとってきた戦略を踏襲するものだ。「最近のオラクルは以前とは違い、異種混在環境に積極的に対応するようになった」と、オバムのミッチェル氏は語っている。

 一方、オラクルはOracleデータベースでのBI機能強化を以前から表明しており、ハイペリオンの買収は、データベース分野で競合するIBMに対する強みになるかもしれない。ハイペリオンは、IBMの主要なBIパートナーの1社だったからだ。

 もっとも、IBMはビジネスオブジェクツとも密接なパートナーシップを結んでおり、IBMのデータ・ウェアハウジング・ソフトウェアとビジネスオブジェクツのリポーティング・ソフトとを統合する新製品を開発していると、この計画に詳しい情報筋は述べている。また、IBMはオープンソースBIベンダーのペンタホとも提携している。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)




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