【 ここから本文 】

ビジネス・インテリジェンス

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


ビジネス・インテリジェンス

[ドイツ]
SAP、Business Objects買収後初のコラボ製品を発表

9つのパッケージ製品をリリースするも製品統合はこれから

(2008年01月18日)

 ドイツのSAPは1月16日、Business Objectsを買収してから初となる両社のコラボレーション製品を発表した。しかし、両社のソフトウェアを緊密に統合するには、まだかなりの時間を必要としそうだ。

 SAPは2007年10月、ビジネス・インテリジェンス(BI)ソフトウェア・ベンダーのBusiness Objectsを68億ドルで買収すると発表した(関連記事)。現在SAPは、Business Objects株の87%以上を保有しており、同社の一事業部門としてBusiness Objectsを位置づけている。

 今回発表したコラボ製品は9種類のソフトウェア・パッケージで、これらは1月中に出荷される予定である。この中には、財務実績管理/ガバナンス/リスク/法令順守/リポーティング機能などをサポートする各種パッケージが含まれている。

 例えば財務パッケージには、SAPの戦略管理ツールやプランニング・ツール、Business Objectsの財務統合ツールや収益管理ツールが含まれている。ただし、これらの製品はすでに個別販売されており、パッケージ製品では単に既存製品を寄せ集めたにすぎず、本当の意味での製品統合は実現できていない。

記者会見に臨むSAPのCEO、Henning Kagermann氏(写真左端)と、Business ObjectsでCEOを務めていたJohn Schwarz氏(写真右端)

 Business ObjectsでCEOを務めていたジョン・シュワルツ(John Schwarz)氏は、「とりあえず顧客のもとへ持って行ける両社のコラボレーション製品をラインアップするのが目的だった。それでも、それぞれの製品を個別に購入するよりはお得になる」と説明している。

 また、Business Objectsは、自社の分析技術とSAPのビジネス・アプリケーションとを緊密に統合する計画を打ち出す一方で、さまざまなベンダーのソフトウェア製品とも連携可能なスタンドアロン製品の販売も続ける方針を示している。

 Schwarz氏は、「われわれはSAPとの連携を進めているが、SAP以外の製品で構築した環境にも分け隔てなく対応していく考えだ。われわれの目標は、Oracle製品上で稼働し、なおかつOracleのBIソリューションよりもすぐれたBI製品を開発することだ」と語る。

 SAPのCEOであるヘニング・カガーマン(Henning Kagermann)氏は、両社の製品統合を通じて、Business Objectsの分析ツールから得た情報をSAPのユーザーが活用し、「SAP NetWeaver」上で稼働する基本的なビジネス・プロセスをユーザーが迅速に調整できるようにすることをねらっている。

 またSAPは、中規模企業向けのSaaS型ビジネス・アプリケーション・スイート「Business ByDesign」の中に、BI製品を組み込むことも計画している。Kagermann氏は、「(Business ByDesignの)開発チームは、Business Objects製品の中から最良のものを選んで(Business ByDesignと)統合することができる」と語っている。

 Business Objectsは、すでに同社製品のオンデマンド提供を開始しており、SAPが買収した時点で7万の顧客を抱えていた。Schwarz氏によると、Business ByDesignにBI製品を統合する作業は、現時点ではまだ開始されていないという。

 Business ByDesignは、昨年9月に提供が開始されたばかりである。SAPは、同製品が目標とする獲得顧客数を昨年末時点でおよそ100件と控えめに設定していたが、今年に入っても「収益が出る事業であることを実証したい」(Kagermann氏)と述べるにとどめている。

 SAPのライバルであるOracleは16日、ミドルウェア・ベンダーのBEA Systemsを85億ドルで買収することで合意したと発表した(関連記事)。BEAの事業分野はBusiness Objectsとは異なっているが、大規模な買収を通じて事業拡大を図るというOracleのやり方はSAPと同じである。

 これまで大手企業は買収しないという方針を守ってきたSAPにとって、Business Objectsの買収は、同社の歴史上最大規模の買収案件であり、伝統を破る動きでもあった。Kagermann氏は、Business Objectsが抱える顧客の獲得が目的ではなく、その製品・技術が必要だったと説明しているが、顧客数が増加することについてはまんざらでもなさそうだ。

 OracleのBEA買収についてコメントを求められたKagermann氏は、「今のところ、われわれはOracleに対して有利な戦いを展開している。Oracleは、自分たちこそ最先端技術を持った企業と公言しているのでBEAの買収には少し驚いたが、これはつまり、(Oracleが)他社の技術が必要になったということなのだろう」と皮肉った。

 また、Kagermann氏は、中核的な事業(アプリケーションとミドルウェア)を拡大するという基本戦略の推進を繰り返し強調しているが、新たな市場で自社の立場を強化するために、今後も大規模な買収を行う可能性を否定しなかった。

(James Niccolai/IDG News Service サンフランシスコ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


BIユーザー事例

米国国税局の「高速/大規模データ・ウェアハウス」がもたらした効果

もう確定申告はごまかせない?――総容量150TBものデータを管理分析

キャッチアップ

先達が語る、ビジネス・インテリジェンスの活用ポイント

目指すは「適切なタイミングで、適切なデータを、適切なユーザーに提供するBI」

進化するビジネス・インテリジェンス

「リアルタイムBI」が現場の情報のインパクトを測る

ビジネスの核となる「情報・データ基盤」をどう強化し、どう活用すべきか

「新時代の情報系」に求められる技術と戦略

ビジネス・インテリジェンスを使いこなせ!

どんな技術があるかではなく、どんな利用法があるかを考える

[連載]
新時代のITキャリア

第3回「BIアナリスト」

BIの技術要素と活用のコツを知る

ツールの機能ばかりにとらわれず、本質を見極めよ

「BI&サーチ」先進活用

セマンティック検索は将来有望か――“Googleの次”を巡るコンセプト論争

Wikipedia創設者のウェールズ氏、Powersetのセマンティック検索エンジンに辛口評価

普及に拍車がかかるエンタープライズ検索、2012年には大規模企業の半数以上が導入

「エンタープライズ検索はシステム基盤のデフォルト機能になる」

ユーザーの声から考える“情報共有/活用基盤2.0”

エンタープライズ検索/イントラ・ブログ/ソーシャル・ブックマークの企業での活用

“使える!”ビジネス・インテリジェンス(BI)がやってきた

技術的「準備度」や事業目標の「認識度」を診断する

エンタープライズ検索テクノロジーの「着眼点」

企業ITインフラ上での位置づけを押さえ、導入に備えよう

再編が進むBI業界

マイクロソフト、DWHアプライアンス・ベンダーのデータレグロを買収へ

SQL Serverデータベース/データ管理プラットフォームの強化がねらい(2008年7月25日)

マイクロソフト、セマンティック検索エンジンのパワーセットを買収へ

ただし買収完了後も独立して開発を続行(2008年07月2日)

SAP、ビジネスオブジェクツ買収に伴う重複製品の整理に着手

廃止する製品でもサポートは当面継続の方針(2008年4月4日)

オラクル、 ハイペリオン買収後初の製品投入でEPM事業を強化

FusionをベースにBI基盤を整備し、財務アプリなどを実装(2008年2月28日)

IBM、コグノス買収後初となるBI製品/サービスを発表

インフォメーション・オンデマンド戦略にCognosを統合(2008年2月7日)

MicroStrategyのBI業界独立路線を顧客が支持

「業界再編が進むなか、独立企業であることは優位性につながる」(2008年1月21日)

Microsoftが検索大手のファストを12億ドルで買収へ――SharePointとの統合を推進

「エンタープライズ検索市場のリーダーになる」(2008年1月9日)

IBMのコグノス買収にアナリストらが慎重な見方

「コグノス単独のときよりも広範なニーズに対応できる」とIBM担当者は主張(2007年11月19日)

コグノス買収でささやかれるIBMの方針転換

「コグノス単独のときよりも広範なニーズに対応できる」とIBM担当者は主張(2007年11月19日)

IBM、BI大手のコグノスを50億ドルで買収

課題は技術革新への対応(2007年11月13日)

ビジネスオブジェクツの3Q業績にSAPによる買収の影響

19%の増収を達成したものの先行きの不透明さがライセンス収入に打撃(2007年10月25日)

トレンド・ウォッチ

日本オラクル、複数拠点のサプライチェーン情報を統合/可視化する「Oracle APCC」を提供開始

サプライチェーン計画のあらゆる進捗状況を一覧表示し、迅速な意思決定を支援(2008年8月25日)

グーグルが「Google Search Appliance」を強化、検索文書数を1,000万に拡張

検索結果の制御もより細分化(2008年8月7日)

日本IBM、BIソリューション・センターを開設

ユーザーとパートナー企業を包括的に支援(2008年7月7日)

HP、BIワークロードの処理を効率化するDWHアプライアンス新版をリリース

短いクエリと大規模タスクをバランシング(2008年6月23日)

BIに必要なのは“予見力”――SAS、BIプラットフォームの最新版「SAS 9.2」を発表

データ統合機能、分析機能、セキュリティ機能を強化(2008年5月26日)

2007年度の国内BPM/BAMミドルウェア市場、25%増の73億円に拡大

業務プロセスの自動化や“見える化”へのニーズが高まる(2008年4月4日)

サイベース、独自手法の「リアルタイムBI」を披露

DBの差分ログをベースにデータを抽出・蓄積(2008年4月2日)

SAP、ビジネスオブジェクツ買収に伴う重複製品の整理に着手

廃止する製品でもサポートは当面継続の方針(2008年3月28日)

CMOの役割――求められるマーケティングと経営戦略の融合

顧客満足度を起点とするビジネス・スタイルの確立を(2008年3月27日)

日本IBM、データ統合/管理ソフト「Information Server V8.1」を発表

IODコンセプトに基づき、企業内に分散する情報・データの統合を支援する製品(2008年3月6日)

小売業界がBIを重視、顧客ニーズへの対応で活用

7割の企業がすでに導入/利用(2008年2月27日)

Weekly Ranking

集計期間:11/17〜11/23



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国