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ビジネス・インテリジェンス

【解説】
「分析は力なり」みずからの創意工夫で競争優位に立つ

構造化/非構造化を問わず、あらゆるデータからトレンドを得る

(2008年03月04日)

Web分析ツールを活用してサイト訪問者を顧客に転換

 次に紹介するのはWeb分析(Web Analytics)ツールの活用事例だ。特に、大規模なeコマース・サイトを展開する企業にとって、このツールの有用性は高いと言える。

 グラフィック・デザインのサービスとカスタム・プリント製品をオンライン販売するVistaPrint(米国マサチューセッツ州レキシントン)は、同社が運営する18のWebサイト(画面2)で毎日処理している約2万2,000件のトランザクションを子細に調べるWeb分析技術を使い、顧客転換率を高めることに成功した。

画面2:グラフィック・デザイン/カスタム・プリント・サービスを提供する米国VistaPrintは、Web分析ツールを活用して顧客転換率を高めることに成功した(画面は日本語サイト)

 オンライン販売に多額の投資をした企業全般に言えることだが、VistaPrintは1年以上前、オンライン事業部が追跡するサイトのログ・データに身動きできなくなっていることに気づいた。

 「顧客がオンラインでどういう行動を取るかや、新しい機能がその行動にどういう影響を与えるかを分析することは重要だ。しかし、古いカスタム・アプリケーションを使っていたのでは、そのデータを取り出して分析するのに数時間、長ければ数日もかかってしまう。当社がそうだった」と、同社のBI担当シニア・マネジャー、ダン・マローン(Dan Malone)氏は振り返る。

 「このやり方では長続きしないし、将来行き詰まることが確実だった。そして、顧客転換率(Webを訪れた人が顧客になる割合)を数%改善するだけでも利益が大幅に増えることがわかってきた」(マローン氏)

 状況を改善するため、VistaPrintは新しいUIをテストするためのWeb分析ツールを探すことにした。UIを新しくすることで顧客転換率を高められるか、訪問者はなぜサイトから立ち去ったのか、ユーザーが途中で去ったのはどこのページかといったことを突き止めるためである。

 「製品を調べた結果、市場に出荷されているWeb分析ツールは、大きく2つの方向に分類されることが判明した。1つは事前にデータのアグリゲーションを行うことなく、利用可能な全データを分析するタイプのツールで、もう1つは全データを事前にアグリゲートするものの、ユーザーが実行したいすべてのクエリをあらかじめ見越しておく必要があるツールという2つのタイプだ」(Malone氏)

 VistaPrintの業務では、データをアグリゲートする目的となった質問セット以外の質問がある場合、そのデータセット全体を処理しなおす必要があった。そこで、VistaPrintは最終的に“第3の選択肢”であるサンプリング方式を採用した、米国Visual Sciencesの「Visual Site」を導入することに決めた(Visual Sciencesは、2007年10月に米国Omnitureに買収されている)。

 サンプリング方式により、VistaPrintは従来どおり詳細なデータをクエリできるうえ、質問してすぐに回答を得られるのでレスポンスも良好だ、とVisual Siteの出来にMalone氏は満足している。

 「データの1%をクエリし、その結果に基づいて回答を出す。残りの99%のデータはその1%と同じようなデータだと仮定するのだ。データはすでにランダム化されているので、そう仮定しても問題はない」(同氏)

 VistaPrintでは、Visual Siteを、同社が3週間ごとに行う30〜40の新機能テストに用いることにした。例えば、同社はユーザーが名刺にプリントするデータをアップロードするための、4ページからなるパスをテストしていたが、その結果、新しいアップロード・パスの顧客転換率がコントロール・バージョンと同程度であることがわかった。「パスの改善に多くの時間を費やしたのに、この結果には少しがっかりした」とMalone氏。

 そこで、Visual Siteを用いたところ、テスト・バージョンは4ページのうち3ページでコントロール・バージョンより改善されたものの、最後のページに限っては離脱率が高いことがわかった。「そのページの問題点をユーザビリティ・チームに伝えることができた」(同氏)

 Visual Siteツールを用いたことで、さらに、サイトに戻ってくる顧客が新規に顧客登録プロセスに入るとエラー通知を受けることも判明した。そのため同社は、そのサインイン・ページからの離脱率を減らす対策を講じた。問題を修正した結果、「サインインの率が大幅に改善し、顧客転換率が高まった」(同氏)という。

 Malone氏は、正確なROIを算出するのは難しいとしながらも、Visual Siteへの投資は、インストール後、数カ月で回収できたとしている。

 現在、VistaPrintは、どの名刺テンプレート、宛先ラベル、レターヘッドが顧客にとって最も魅力的かも分析できるよう、このツールをさらに積極的に活用していく予定だ。


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