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[国内]
「日本の国際競争力を左右するのはソフトウェア産業」──日立主催セミナーで早大大学院教授が政策提言

(2006年11月22日)

 日立製作所ソフトウェア事業部が11月22日に開催したプライベートセミナー「HITACHI Open Middleware World 2006 Autumn」において、早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授の小尾敏夫氏が「日本のソフトウェア産業が世界一になる条件 −国際競争力の比較分析−」と題する基調講演を行い、ソフトウェア産業を後押しする政策の必要性などを訴えた。

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授の小尾敏夫氏

 小尾氏は講演でまず、各国の競争力を比較したさまざまな指標を紹介。世界経済フォーラム(WEF)の「2006年世界競争力ランキング」では日本は7位、英国エコノミスト誌と米国IBMが発表している「e-readiness rankings」2005年版では21位、日本経済研究センターの「潜在競争力ランキング」では15位だったとしながら、「日本の順位自体は決して悪い数字だとは思っていない」と評価した。

 続いて、2005年の携帯電話端末の出荷台数シェアと、同PC市場の企業別シェアを解説。携帯電話端末においては、フィンランドのノキア(32.1%)、米国のモトローラ(17.5%)、韓国のサムスン電子(12.5%)、同LG(6.6%)の上位4社で全体の70%近くを占めており、国内メーカーとしては、合弁のソニー・エリクソンが6.3%で5位、単独では松下電器産業が1.4%で8位にとどまると述べた。

 また、PC市場も同様に、米国のデル(17.9%)、同ヒューレット・パッカード(15.2%)、中国のレノボ(6.4%)、台湾のエイサー(4.9%)の4社が上位を占めており、「かりに国内メーカーすべてを合わせたとしても、上位の1社にかなわない状況にある」と説明した。

 そして同氏は、国内IT産業の抱える問題点/課題として、人材を有効活用できていないこと、企業改革が内部中心になりがちなこと、多くのベンダーで過当競争を強いられていること、技術は一流だと納得した結果グローバル・スタンダード戦略が欠如しがちなことなどと整理した。

 「カー・ナビゲーション・システムやデジタル・カメラなど、グローバル市場で70%を超えるシェアを獲得している分野もあるが、IT産業全体として見た場合、グローバル市場と国内市場は9:1の割合で棲み分けができてしまっている」(小尾氏)

 同氏は、米国やBRICS諸国、ベトナム、フィリピンなどの近年成長が著しい国では、政府主導型の経済発展が基本であると指摘。日本の国際競争力を上げていくためには、ソフトウェア産業を中心に、官民が連携した施策・政策が必要だと強調した。

 特に、企業規模による格差が広がり始めているため、「中小企業に対しては、システム開発やソフトウェア調達における優遇税制なども視野に入れていくべきであり、ソフトウェア人材を育成するための補助も望まれる」と語り、政府が掲げるイノベーション25や再チャレンジ制をソフトウェア産業に導入すべきとの考えも披露した。

 なお、同セミナーは、日立のソフトウェア事業部が定期的に開催しているもので、「内部統制」「運用管理」「システム開発/SOA」をテーマに設定した3つの会場で計9つのセッションが行われ、多数の来場者を集めた。

(Computerworld.jp)




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