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【解説】
「RFID携帯」実用化に向けた、米国企業のチャレンジ
非接触型決済システムの普及を促す起爆剤となるか?
(2008年08月15日)
米国では、RFID(Radio Frequency Identification)を活用した非接触型決済システムへの期待が高まりながらも、実際の普及具合を見るとあまりはかばかしくないのが実情のようだ。そのメリットは明らかだが、普及に拍車をかける起爆剤となる要因がこれまでは存在しなかった。だが、ここにきて、そうした状況を打開しそうな兆候が見え始めている。携帯電話とRFIDとを組み合わせることで、消費者がより手軽に非接触テクノロジーを活用できるようにしようとする動きがあるのだ。本稿では、米国のユーザー企業におけるRFID活用の事例の紹介とともに、RFIDを搭載した携帯電話の可能性を探る。
Robert L. Mitchell
Computerworld米国版
すでに全国1,000店舗以上で
非接触型の決済に対応
米国でファストフード・チェーンを展開するアービーズ・レストラン・グループは、1,000を超える店舗を有している。同社の店舗に車で訪れる顧客の中には、ドライブ・スルーのレジカウンターを文字どおり“スルー”していく人もいる。
| 写真1:アービーズ・レストラン・グループのCIOを務めるドン・ジンマーマン氏。同氏は、米国でいち早く非接触型の決済システム導入を決定した |
それというのもアービーズは、全国の店舗(店内およびドライブスルー)において、非接触カードによる決済にいち早く対応した企業の1つなのだ。同社でCIOを務めるドン・ジンマーマン氏(写真1)は、「われわれの準備は整った。あとは、対応カードの普及を待つばかりだ」と話す。
非接触型の決済システムでは、大手カード会社が発行するクレジットカードやデビットカード、あるいはキー・フォブ(決済機能つきのキーホルダー型デバイス)に埋め込まれた無線技術を活用している。これらには、RFID(Radio Frequency Identification)が使われているため、カードやキー・フォブを店舗の端末に通さなくても店舗側のカード・リーダとの間で決済を成立させることができる。
カード・リーダが対応しているのは、非接触カードのメッセージングに関する国際標準規格であるISO 14443である。利用者が持つカードやキー・フォブがこの規格に準拠していれば、ビザ、マスターカード・インターナショナル、アメリカン・エクスプレスといったカード会社を問わずに、そのカードとの間で決済処理を行うことができる。
メリットは大きいものの
実際の利用者はごくわずか
非接触型のRFIDは、どのような立場の人にも、何らかのメリットをもたらす技術であると言える。
カード会社にとっては、カード1枚あたり約1ドルという負担が発生する。それでも、非接触カードが普及すれば、これまで現金払いが中心の少額決済において、デビットカードやクレジットカードの利用を後押しする要因となる。
一般消費者にとってのメリットは、支払い時の利便性の向上という点だ。これまでのように暗証番号を入力したり、カードをリーダに通したりといったことが不要になるうえに、25ドル未満の決済では署名の必要さえもない。支払いを済ますには、カードをリーダから数センチのところにかざすだけでいいのだ。
アービーズのようにスピーディな顧客対応を重要視している小売店では、支払い手続きの迅速化を図ることができる。アメリカン・エクスプレスによると、同社の「ExpressPay」対応クレジットカードを使用した場合、支払いのための手続きを完了できる時間は、現金の約3分の1、従来型カードの約半分にまで短縮できるという。
しかし、この技術にも大きな問題が残されている。そもそも一般消費者への普及がごく一部にとどまっており、小売店にしても、ほとんどが様子見を決め込んでいるということだ。
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