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[国内] 【HITACHI Open Middleware World】
知識成長を促しイノベーションを創出――Cosminexusで実践する知識の深化スパイラル

日立が提唱するイノベーション創出のアプローチ

(2008年11月19日)

 11月17日と18日の2日間にわたり、日立製作所主催のプライベート・イベント「HITACHI Open Middleware World 2008 Autumn」が都内で開催された(関連記事)。「Cosminexus DAY」の18日には、同社ソフトウェア事業部 アプリケーション基盤ソフトウェア本部 本部長の林 重年氏が、イノベーションの創出と、それを支える「Cosminexus」をテーマに講演を行った。

 林氏が言うイノベーションとは、企業の「知識」を活用した経済活動の成果として生み出されるものを指す。知識なしではイノベーションは創出できない、と同氏は述べ、企業で生成・蓄積されている知識の重要性に言及。そして、この知識をいかにマネジメントしていくかが、昨今、企業にとって重要な課題になっていると指摘した。

日立製作所 ソフトウェア事業部 アプリケーション基盤ソフトウェア本部 本部長、林 重年氏

 ならば、生成・蓄積された知識を基に、どうすればイノベーションを生み出すことができるのか。その事例として林氏が挙げたのが、桝一市村酒造場とサントリーのケースである。

 2つの事例に共通するのは「知識成長」への取り組みだ。桝一市村酒造場が長く培ってきた酒造りに関する伝統・ノウハウと、同社に18年前に入社し新風を吹き込んだセーラ・マリ・カミングス社長との組み合わせが知識の成長を促し、新銘柄の「スクウェア・ワン」を生んだ。サントリーの場合も、日本人のお茶への思いという普遍的な価値を暗黙知として共有し、緑茶飲料「伊右衛門」のコンセプト作りに活用した。

 「経験やノウハウに存在する知識を循環させて、新たな知識を生み出す。これが、SECIモデルと呼ばれる知識成長のメカニズムだ。このメカニズムの上で行動し実践することが、イノベーションの創出につながる」(林氏)

 SECIモデルは大きく分けて、個人の中にある暗黙知を形式知に変換してつないでいくステップと、形式知を暗黙知として吸収し共有するステップがある。このステップを循環させ、暗黙知と形式知の交換と知識移転のサイクルで知識成長を促す、というのが同モデルの特徴だ。

 暗黙知を言語化やモデル化により形式知に変換し、それを学習し体験する。そうすれば、その形式知は暗黙知として進化する。これが知識成長のメカニズムであり、イノベーション創出の原動力となる。

 そして、暗黙知→形式知には「ITによる支援」が、形式知→暗黙知には「人による取り組み」が必要になる、と林氏。つまり、ITと人の両輪によって「知識やノウハウの深化スパイラル」を生み出すわけだ。

 「ITを活用して知識を蓄積・活用できるシステムを作り、その一方で外部の視点とコンテキストを共有できる場を作る。そうすれば、知識・ノウハウの深化スパイラルを実現できる。こうしたメカニズムが、これからの企業システムでは重要になる」(林氏)

知識成長を支援するべく強化されたCosminexus V8

 日立では、こうした知識・ノウハウの深化スパイラルを、Cosminexusによって支援・具現化しようとしている。企業に蓄積された知識やノウハウをシステム化し形式知に変える「SOA(サービス指向アーキテクチャ)プラットフォーム」と、パートナーとコンテキストを共有し暗黙知として習得する「コミュニティ」を提供し、「知識やノウハウと企業システムとの相互作用を支援する」(林氏)というのがCosminexusのコンセプトなのだ。

 10月2日に発表された最新の「Cosminexus Version 8」でも、こうしたコンセプトをより強化・具現化したかたちでサポートする機能などが新たに追加されている(関連記事)。

 例えば、業務ノウハウを可視化するポータル基盤「uCosminexus Navigation Platform」が製品ラインアップに加わった。この製品は、業務の作業手順をポータル化し、ボトルネックを分析するための作業ログの取得機能などを提供する。業務ノウハウを可視化して形式知に変え、さらにそれを組織内で共有できるようにすることで、ノウハウの深化を促進するのである。

 知識共有の場として「Cosminexusパートナーコミュニティ」を今年12月に開設することも、今回のV8と同時に発表された。これは、SOAベースのシステム構築に関する知識と業務ノウハウの共有をCosminexusパートナー企業と図るための場と言えるもので、日立が有するシステム構築ノウハウを反映した構築ナビゲーション・ツールを活用する。

 「企業内部に蓄積された知識や業務ノウハウの活用に加え、外部の視点とコンテキストを共有する場をCosminexusは提供する。知識成長モデルによるイノベーション・ダイナミクスを、ぜひ実践していただきたい」(林氏)

(Computerworld.jp)




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