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【連載】
新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】
第16回 「ITコンサルタント」
(2008年04月24日)
IT業界では常に新しい技術が誕生している。そしてそれに伴いさまざまな職種や役職が誕生している。本連載では、IT業界の職種を取り上げ、その仕事内容や必要とされる能力、労働条件や待遇といったものを紹介していくことにしたい。今回はITと経営の橋渡し役であり、経営者の懐刀でもある「ITコンサルタント」を取り上げてみよう。
横山哲也
グローバル ナレッジ ネットワーク、マイクロソフトMVP
【職務概要】
一般的なコンサルタントは、(1)顧客の抱える問題を発見/分析し、(2)適切なアドバイスを与え、(3)問題解決の方法を提案するのが仕事である。
ITコンサルタントは、顧客の抱えるITに関する問題を分析し、適切なアドバイスを与え、問題解決の方法を提案する。通常、ある経営課題を解決するためのITシステムは、以下の順序で作成される。
(1) 問題発見
顧客が抱える問題を分析し、ほんとうの課題を明らかにする。「過剰在庫を抱えることが多い」と訴える顧客がいたとしよう。その場合、いきなり「生産過剰」と結論づけるのはまちがいだ。顧客からの問題と同時に、販売体制や在庫管理方法など、周辺の状況も聞く必要がある。それらの情報を分析した結果、例えば、「販売店からの売り上げ情報の集計が遅い」という真の課題が明らかになるのだ。
(2)アドバイス
真の課題を解決するために、必要なことを提示する。先例を分析した結果、根本的な問題解決には、販売と在庫管理システムの刷新が必要だという結論に達したとしよう。その場合には、なぜ販売と在庫管理システムの刷新が必要かを裏づけるデータを用意し、経営者に提示する。
(3)問題解決の提案
課題解決の最適な方法を提案する。先の例では、ERPを導入すればリアルタイムにビジネスを監視できるので、ERPの導入が最適な問題解決と言える。この時、実際に必要な機能は何かを明らかにし、製品選択の判断基準を提供することも重要だ。
実は、(3)に挙げた問題解決の提案は、本来はコンサルタントの仕事ではない。しかし、実際には、コンサルタントが作成したリポート(成果物)だけを読んで、顧客自身が問題解決プロジェクトを始動させることは難しい。顧客のIT部門のみでプロジェクトを実行するには、物理的に無理な場合もあるし、コンサルタントが成果物を作成したときに、暗黙のうちに仮定した要件があるかもしれないからだ。
多くの場合は、ITコンサルタントの所属する会社が、システム作成までを請け負ったり、システム作成を請け負っている会社に、ITコンサルタントが常駐していたりする。ITコンサルタントがシステム開発会社に所属していた場合は、コンサルティングはITシステムの上流工程の一部となる。
【存在意義】
1980年代まで、ビジネスに対するコンピュータ・システムの影響力は、限定的だった。ITに特化した「ビジネス課題の発見」という業務は、あまり重視されなかった。経営コンサルタントが発見した「ビジネス上の課題」は、そのままIT化の課題対象となっていたのである。
しかし、1990年代に入り、コンピュータ・システムは急速に進化した。それに伴い、ビジネス上の課題に対する実現方法が、複数存在するようになったのである。どの方法が顧客にとって最適なのかを判断するのは、経営コンサルタントでは不可能だ。そこで登場したのが、ITコンサルタントである。ITコンサルタントは、ITを専門領域とし、経営課題を解決するために、どの技術を組み合わせればよいかを経営層にアドバイスする。
- 新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】
- 第1回 「オフショア・プロジェクト・マネジャー」
- 第2回 「ベンダー・マネジャー」
- 第3回 「BIアナリスト」
- 第4回 「IT財務責任者」
- 第5回 「下流プログラマー」
- 第6回 「上流プログラマー」
- 第7回 「システム・エンジニア」
- 第8回 「プロジェクト・マネジャー」
- 第9回 「アーキテクト」
- 第10回 「ヘルプデスク」
- 第11回 「テクニカル・サポート」
- 第12回 「システム管理者」
- 第13回 「ネットワーク管理者」
- 第14回 「一般ユーザー・トレーナー」
- 第15回 「ITプロ/開発者向けトレーナー」
- 第16回 「ITコンサルタント」
- 第17回 「CIO(Chief Information Officer)」
- 第18回 「CSA(Chief Software Architect)」
















