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【連載】
新時代のITキャリア【トップ・マネジメント編】

第18回 「CSA(Chief Software Architect)」

(2008年07月25日)

【必要な経験/スキル】

 CSAには、言うまでもなく技術的な洞察力が不可欠だ。そのうえで自社に求められている“モノ”を察知し、自社が進むべき方向性を決める。また、MicrosoftがそうであったようにCSAは経営者の役割も担うケースがほとんどだ。よって、当然経営センスも要求される。

技術に対する洞察力

 IT業界には、過去、何度かの技術的ブレークスルーがあった。1970年代にはサーバの価格が低下し、1980年代にはLANが一般化した。1990年代にはインターネットが普及し、2000年代には、ブログやWiki、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)といった個人による情報発信/コミュニケーションが盛んになった。

 CSAにはこうした技術的な変化をとらえる洞察力と、それを自社製品に適用できる応用力が求められる。また、廃れそうな技術からは早めに手を引く潔さも必要だ。

社会に対する洞察力

 技術的な洞察力以上に重要なのは、社会に対する洞察力だ。技術的ブレークスルーだけではビジネス・チャンスは起こらない。テクノロジーがビジネスに結びつくのは、社会的な変化を的確にとらえたときである。

 例えば、多くの人が携帯電話でインターネットを利用するようになったのは、携帯電話にインターネット・アクセス機能が搭載されたからだけではない。それよりも、携帯電話の料金体系に定額制プランが登場し、コストを気にせず利用できるようになったことのほうが大きい。

 特定の技術が社会に対して与える影響を予測し、それに先んじて製品技術を提案することが求められる。「PCの父」と言われたアラン・ケイ(Alan Kay)氏は、「未来を予測する最良の方法は、未来を作り出すことだ」という明言を残している。理想のCSAは、未来を作り出せる(例えば携帯電話の料金体系を提案できる)人物だ。

経営センス

 ソフトウェア企業において、CSAの判断は社運を左右すると言っても過言ではない。将来性のある技術を商品化したとしても、あまりにも遠い将来の場合には、それまで会社が持たないかもしれない。また将来性のある技術(やサービス)にシフトする場合でも、既存の資産との兼ね合いで、シフトが難しいこともあるだろう。

 例えばMicrosoftがパッケージ製品の販売を即座に中止し、自社のソフトウェアをすべてオンライン(ホステッド)サービスに切り替えることは不可能だ。そんなことをしたら、売上げの大半を失う。では、Microsoftの最大のライバルである米国Googleがパッケージ・ソフトウェア分野に参入するとしたらどうだろう。ニュースにはなるが、成功する可能性は限りなくゼロだ。



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