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【解説】
「できる部下」の管理術、「できない上司」の対処法

ストレスをためないオフィス・コミュニケーションの心得

(2008年08月26日)

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できない上司とうまくつきあうコツ

 新しい部署に配属されてから2週間がたち、あることに気がついてしまった。それは自分の上司が「できない人間」だったのである。さて、どうしたものだろう。

こき下ろすよりも持ち上げる

 企業管理職の指導コーチで『How to Work for an Idiot』(愚かな上司の下でサバイブする方法)(発行:Career Press)の著者でもあるジョン・フーバー(John Hoover)氏は、そうした状況を不幸と思わずチャンスととらえるべきだとアドバイスする。「上司への不満は、ランチの話題程度にとどめておこう。職場で上司を無能扱いしたとしても、気分は晴れるが昇進のチャンスはなくなる」(Hoover氏)

 できない上司への賢い対処法は、上司の無能ぶりが周囲に露呈しないようサポートに徹することだ。Hoover氏は「上司の不手際をカバーして自分の存在をアピールし、昇進のチャンスを獲得すべきだ」と語る。

 では具体的にどうすればよいのか。Hoover氏は「まず上司の“知的レベル”を学習する」ことを勧める。「上司がオフィスに飾っている写真や小物を含め、上司の価値観や行動をじっくり観察する。これらを通じて上司を理解できれば、彼の“言語レベル”で対話できるようになり、上司も心を開いてくれるようになるだろう」(Hoover氏)

 上司を細かく観察するメリットについて、Hoover氏は以下のように語る。

 「例えば上司がイライラしているとしよう。それは彼や彼女の行動が(わざと要求に反抗する)受動的攻撃性人格障害などではないかぎり、単に能力以上の仕事を求められ、処理できないでイラついているのだと判断できる。上司の無能、もとい“ギャップ”を部下がカバーできれば、上司も自分も企業の主力メンバーとして認められるはずだ」

 こうした行動をへつらいと嫌う向きもあるだろうが、そんな狭い考えにとらわれてはいけないとHoover氏は言い切る。むしろ、「上司を打ち負かせ」とそそのかす自己顕示欲に気づき、その誘惑に打ち勝つことが大切だという。「上司をバカにし、権力闘争を仕掛けたとしても、下克上が起こる可能性はゼロだ」(Hoover氏)

 前出GeekLeaders.comの創設者であるGlen氏は、「自分の上司が無能だと思ったら一度上司の立場で物事を考えてみることだ。そうすれば“知能”にもさまざまな種類とレベルがあることを理解できるだろう」と語る。

 「おそらくほとんどの人が『自分の上司はできない人間だ』と思っているはずだ。しかしそれは上司の任務を正しく理解していない、誤った認識によるものだ。管理職は部下だけでなく、将来にも目を向けなければならない。部下はそうした管理職の能力をなかなか評価できない」(Glen氏)

細部よりも大局を見る

 TopCoderプログラミング・コンテストで何度も優勝した経験を持つセルゲイ・カリニチェンコ(Sergey Kalinichenko)氏は、視野を広げることで自分だけが正しく、他人はすべてまちがっているという思い込みから解放されると話す。

 Kalinichenko氏自身、入社したころは、自分が構築していたシステムに携わる管理職たちと話がかみ合わないと感じていたという。「最初は『(自分のような)超有能なエンジニアがいるIT企業の同じ社員なのに、話が通じないなんてどういうことだ』と憤りさえ感じた」と同氏は当時を振り返る。しかしその後、そもそも彼らはエンジニアと同じ専門用語を話す必要などないことに気がついたという。「彼らの視点や立場はわれわれと違うと理解したとたん、彼らと良好な協調関係を築けるようになったのだ」(Kalinichenko氏)

 同じくTopCoderの参加者である前出のRobbins氏は、自分の意見を主張するタイミングを見極めることが大切だとして、次のようにアドバイスする。

 「1つ1つにいちいち反論していたら、上司との関係は悪くなる一方だ。我慢できるときは上司の言い分を善意に解釈して受け入れるほうがよい。そうすれば、自分の意見を貫きたいときに、自分の要求を押し通すことができる」


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