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【解説】
クラウド・コンピューティングのインパクト[前編:定義と関連技術]
ユーザー/IT部門はどうとらえ、備えるべきか
(2008年08月29日)
その他のクラウド・コンピューティング関連用語
クラウド・コンピューティングとデータセンター・ビジネスが同列で語られることがある。しかし、データセンターはクラウド・コンピューティングを実現するための基盤の構成要素と考えるべきだ(この点については後述する)。
クラウドと仮想化も、関連はしているが相互に独立した技術である。確かにクラウドの利用者はサーバの物理的存在を意識しなくて済むので仮想化環境が実現されているとも言える。しかし、例えば、「http://www.google.com/」というURLにアクセスしてGoogle検索エンジンを利用する際に、利用者はサーバの物理的存在(検索サーバが具体的にどのような機種であってどこのデータセンターに存在しているのかなど)を気にする必要はない。その意味ではインターネットの世界はすでに仮想化されている。仮想化は、ITの世界では古くからあらゆる階層において適用されてきた技術なので、クラウド・コンピューティングの実現に仮想化が必要であるとは言えない。
もちろん、サーバ仮想化やストレージ仮想化などの技術は、クラウド・コンピューティングの基盤層を実現するために重要な役割を果たす。ただし、これはクラウドだからというわけではなく、あらゆる大規模システムの実現にはサーバ/ストレージ仮想化技術が重要な役割を果たすというだけのことである。
同様に、SOA(サービス指向アーキテクチャ)とクラウド・コンピューティングも、関連性はあるが独立した技術である。SOAにおける「サービス」はソフトウェア部品を指しており、「ネットワーク・サービス」とは意味が異なる。例えば、企業内で完全に閉じたSOAベースのシステムを構築することもありえる。しかし、SOAによりアプリケーションの部品化を実現することで、アプリケーション特定機能だけをクラウドから提供し、利用者にアクセスさせることが容易になる(このような考え方をホステッドSOAと呼ぶこともある)。その意味では、SOAとクラウド・コンピューティングは相互補完的な関係にあると言えよう。
ところで、米国Sun Microsystemsが1982年の創業以来、「The Network Is The Computer」という言葉を企業スローガンとして長きにわたり使ってきたことはご存じだろうか。「(コンピュータの本質は企業内に置いてある大きな箱ではなく)ネットワークこそがコンピュータなのだ」というこの考え方は、まさにクラウド・コンピューティングのビジョンを先取りしていたものと言えるだろう(注2)。
注2:Googleはクラウド・コンピューティングを牽引する主要プレーヤーの1社だが、同社CEOのEric Schmidt氏がSun出身であることは興味深い事実だ
【解説】クラウド・コンピューティングのインパクト[後編:推進要因と各層への影響]


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