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【解説】
Youku.com――政府公認“中国版YouTube”の実像

中国随一の動画共有サイトが推進するコンテンツの「健全化」

(2008年08月22日)

電子指紋と手作業で投稿動画を審査

 Youkuでは20〜30名のスタッフが8時間交替制で常時作業にあたり、投稿された動画を承認もしくは却下することで、コンテンツの質の維持に努めている。

YoukuのCEO、ビクター・クー(Victor Koo)氏

 同社はコンテンツの審査用に電子指紋技術も導入済みだ。電子指紋を照合した結果、以前に承認されたことのある動画だと判明すれば同様に受け入れ、逆に却下されているものは新たに投稿されてもやはり認めない。さらに、タグを用いて微妙な言葉を検索し、ポルノ・コンテンツの排除を行っている。もちろん、映像を実際に視聴し、掲載に適しているか否かを判断するという昔ながらの作業を行うのが大前提だ。

 Youkuはユーザーに対し、自分自身ではなく身の回りの事物を撮影するよう推奨している。「投稿される映像の方向性を定める」(クー氏)という理由からだ。

 こうした方向づけは、広告主関連でよい成果を上げている。クー氏によると、今年1月に広告の掲載を許可するようになってから、Youku.comは150社の広告主を獲得したという。その中には、北京オリンピックのスポンサーでもあるLenovoやSamsungが含まれており、両社ともYouku.comにゲーム関係のプロモーション映像をアップロードしている。

 クー氏は具体的な数字こそ明かさなかったものの、2008年の広告収入の成長率が毎月2ケタ台に達していることを示唆した。

当面は広告主体のビジネス・モデルを強化

 今後は、映画スタジオやテレビ局など映像コンテンツ制作のプロフェッショナルにプラットフォーム的な使い方をしてもらったり、広告主にオンライン・ビデオを活用してもらったりしてほしいと、クー氏は話す。また、サービスの有料化も視野に入っているが、当面は国内外の競合サイトと同様、ユーザーに無料でサービスを提供する予定だ。

 「有料のオンライン・サブスクリプション・モデルを導入するには、高解像度映像に対応する必要がある。おそらく2年以内には、ハイビジョンの著作権コンテンツも扱えるようになると思う」(クー氏)

 とはいえ、現在の一般消費者向けブロードバンドは最速でも2Mbps程度にすぎない。今の状況が改善されなければ、ハイビジョン映像をオンライン配信することは難しい。

 サービスの有料化と並び、クー氏が継続的な課題と位置づけているのが不正コンテンツ対策である。同氏によると、不正コンテンツを振るいにかけつつ、著作権コンテンツを積極的に扱っていく方針だという。すでにYoukuは著作権コンテンツのパートナーとして、Shanghai Media GroupやBeijing TV、香港のTelevision Broadcasts(TVB)のほか、映画配給会社のChina Film Groupや映画制作スタジオHuayi Brothersと提携を結んでいる。

 ある識者は、こうしたパートナーシップがYoukuに計り知れない成功をもたらすかもしれないと指摘する。「この手のサービスは、一般人の作品だけでは魅力が減じることもある。そのため、オリジナル作品の配信契約を獲得できたのはYoukuにとってきわめて大きなことだ」と、北京に拠点を置く電気通信およびインターネット投資研究会社、BDA Chinaのダンカン・クラーク(Duncan Clark)会長は述べている。

 一方、同社の上級アナリストであるリュー・ビン(Liu Bin)氏は、Youkuが抱えている課題をこう説明する。「Youkuにとって最大の課題は、ユーザー・エクスペリエンスの向上とサービスの双方向性強化だ。映像共有事業においては、こういった(ビデオ・オンデマンド型)サービスは有効なセールス・ポイントにはならないし、ユーザーからの高い支持も得られないだろう。したがって、単にコンテンツを増やしていくだけでは効率的な成長は遂げられない。ほかのオンライン・ビデオ企業と互角に渡り合えるサービスを考案していかねばならない」

 ビン氏はこれ以外にも、新規株式公開(IPO)や買収についても具体的に検討すべき時期に来ていると指摘した。だが、クー氏は当面、そうしたアクションを起こす気はなさそうだ。同氏としては、Youkuのビジネス・モデルが間違っていないことを2008年から2009年にかけて証明するつもりだ。IPOや買収などの流動的なプランは、そのあとで検討すべきことだと述べている。

(Computerworld.jp)

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