【 ここから本文 】

キャリアアップ

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


【解説】
ハッカーは もはやルートキットを使わない

感染攻撃を行う脅威全体の1%未満

(2008年11月17日)

 ルートキットは、コンピュータの奥深くに感染してひそかに攻撃活動を行う恐るべき存在だ。セキュリティ対策ツールでも、検出や分析が困難だという。ところが、最近のサイバー犯罪者たちはルートキットを使わないという。本稿では、ルートキットの脅威と最近の攻撃者たちの傾向について解説しよう。

Robert McMillan/IDG News Serviceサンフランシスコ支局

PC上でひそかに活動する
ルートキット

 ドイツのITサービス会社GADのセキュリティ研究員、フランク・ボールドウィン(Frank Boldewin)氏は、悪意あるソフトウェアを数多く見てきたが「Rustock.C」のようなものは初めてだった。

 Rustock.Cは、Windowsコンピュータに感染し、感染PCを勝手にスパム・メール配信サーバに転用するために悪用されるルートキットだ。各種の高度な技術が応用されており、セキュリティ対策ツールでも検出や分析がほとんど不可能とされている。

 ボールドウィン氏が今年、Rustock.Cに初めて気づいたのは、このルートキットが同氏のコンピュータをクラッシュさせたからだ。Rustock.Cは、ドライバ・レベルの暗号化機能を搭載しており、調査するにはそれを復号する必要があった。また、アセンブリ言語を用いて“スパゲッティのようなコード構造”で作成されていたため、ソフトウェアの実際の挙動を把握するのは非常に困難だった。

 通常、ルートキットの分析は、ボールドウィン氏のような高い技術を持つ人なら一晩でできるものだ。だが、同氏がRustock.Cの仕組みを調べるのに何日もかかった。ボールドウィン氏は、Rustock.Cは非常に見つかりにくいことから、「ウイルス対策製品で検出され始める1年近く前から出回っていたのでは」と述べている。

 これこそが、ルートキットの特徴だ。つまり、ユーザーやセキュリティ・ツールに見つからないように、こっそりと不正行為を行うというものだ。だが現在、ルートキット自体は大きな脅威となっているのだろうか。

ルートキット技術を応用した
コピー・プロテクト・ソフト

 2005年秋、Windowsセキュリティの専門家であるマーク・ルシノビッチ(Mark Russinovich)氏は、自分のPCにルートキットを見つけて困惑した。調査の末に同氏は、Sony BMG Music Entertainmentが採用していたコピー・プロテクト・ソフトウェアが、ルートキット技術を使ってコンピュータ上で自身の存在を隠していたことを突き止めた。Sonyのソフトウェアは、悪意ある動作をするようには設計されていなかったが、ほとんど検出不能で、削除するのは非常に困難だった。

 Sonyのルートキットは、同社のイメージに大きな打撃を与え、同社はこのソフトウェアがインストールされたマシンのユーザーの訴訟・和解に数百万ドルを費やした。現在はMicrosoftのテクニカル・フェローを務めるルシノビッチ氏は、依然として、「このルートキットはコンピュータ・ユーザーにとって重大なトラブルを引き起こした」と考えている。

 Sonyのルートキットは、ウイルス対策ベンダーにとっても災いの種となった。どのウイルス対策ベンダーも、このソフトウェアを約1年間も発見できずにいたのだ。このことで、セキュリティ業界は著しく評判を落とした。

 ルートキット自体が登場したのは何年も前のことで、当初はUNIXマシンが主な標的だった。ところが、この騒動を機に、ルートキットはウイルス対策ベンダーにとって次の大きな脅威だと考えられるようになった。セキュリティ専門家は、仮想化技術を使ってルートキットを隠す手法を探り、まったく検出できないルートキットが登場するかどうかを巡って議論を戦わせた。

 しかしルシノビッチ氏は、ルートキットについて盛んに言われていた予想は外れたと述べる。「大方の予想とは異なり、ルートキットは蔓延していない」


 |12 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


キャッチアップ

不況時こそ優秀な「エンタープライズ・アーキテクト」の存在が不可欠――フォレスターが主張

「IT投資ではアーキテクトが経営陣をリードすべき」と提言

“使いにくい”就職支援サイトの実態――フォレスターの調査で浮き彫りに

「求職者、求人企業の双方にとって悪影響をもたらす」

米国の大手ITベンダーCEO、報酬はどのぐらい?

業績好調で報酬がアップしたCEO、業績好調なのに報酬がダウンしたCEO

今後求められるのは、「ワイヤレス関連スキル」を持つ技術者

すべての地域および業界で最重要のITスキルに

熟練したITワーカーの不足に悩む米国IT業界

防衛業界と並び、深刻な人材難が続く

2008年のオープンソース動向を読む

M&Aが活発化するなか、人材不足はさらに深刻に

熟練したITワーカーの不足に悩む米国IT業界

防衛業界と並び、深刻な人材難が続く

「国際化と技術革新によって仕事の意味が変わりつつある」――マイクロソフト幹部が提言

加速的に増加する「新たな仕事環境」への対応の重要性を強調

【CIOコネクト調査】スキル不足が企業ITの進化を妨げている

求められる新時代のプロジェクト・リーダーとは

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコ・システム

最先端ITの“夢”と“現実”――企業ITのあり方を変える?!

超伝導/自律/DC電源/相変化/量子/TIA ……

【ガートナー調査】日本のCIO、最優先課題は「人材育成」と「セキュリティ技術」

悩みは経営者の期待と現場の課題とのギャップ

COBOLは死せず

COBOLプログラマーを育成・確保する秘訣

【ガートナー調査】IT部門に必要なのはビジネス・センス

1,400人のCIO調査で明らかに

2010年の企業ITリーダーに求められるスキルとは

“バーサタイリスト”が企業ITを牽引する時代に

「優秀なIT部門」を維持するために

激しい雇用競争の中ですぐれた人材を探し、確保する方法

「全社横断型の戦略部門」への転換がIT部門の未来を切り開く

企業の“DNA”に沿った事業戦略をITで具現化するという「大役」を果たすために

適切な要求仕様を仕上げるための8つの秘訣

“曖昧さ”がコストを肥大化させる

ITスタッフが取得すべきセキュリティ認定資格はこれだ!

情報セキュリティに関する各種認定資格をセキュリティ専任スタッフの育成に活用する

ITワーカー受難の時代。サバイバル・レースを勝ち抜くには

IT/IS部門に求められる「新しい役割」を探る

ニッポンのITの将来を担うか? IPAの「未踏ソフトウェア創造事業」

「天才プログラマー」の発掘・育成計画の実態と成果に迫る

キーパーソン

「イノベーション」で生存競争を勝ち抜け!

『ライフサイクルイノベーション』の著者、ジェフリー・ムーア氏が語る「イノベーション戦略」

グーグル幹部、R&Dセンターの国際展開構想を語る

「グーグルは、R&Dもグローバルに考える」

ユーザビリティの第一人者が語るWebデザインのベスト・プラクティス

「まずはユーザー評価の実践を!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

マイクロソフトのバルマー氏が明言、「SaaSの普及はIT関連の雇用喪失にはつながらない!」

ITプロは新たなスキルを習得する必要があるとの“ゲキ”も

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

【VIDEOインタビュー】
Linuxの“生みの親”リーナス・トーバルス氏が語る

Linuxの魅力、Vistaのネック

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調

連載

Weekly Ranking

集計期間:01/01〜01/07



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国