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企業のストレージを変える新世代SCSI規格「SAS」
ユーザーにメリットをもたらす新標準インタフェース
(2006年02月06日)
IDE/ATAが主流となったあとも、主に企業向けストレージとして重要な役割を果たしてきたSCSIハードディスクに、大きな転機が訪れようとしている。SAS(Serial Attached SCSI)という新世代SCSI規格への移行と、3.5インチから2.5インチへというハードディスクの標準サイズの移行という2つの波が押し寄せているのだ。そこで本稿では、こうした潮流に対し、ストレージ・ベンダーやサーバ・ベンダーがどのような準備をしているのか。また、SASへの移行が企業ユーザーにどのようなメリットをもたらすのかを紹介しよう。
ガレン・グラマン
InfoWorld米国版
2つの技術革新が始まったSCSIハードディスク
企業ストレージにおいて長い間利用されてきたSCSIハードディスクが、今、生まれ変わろうとしている。後述する2つの技術革新が並行して進んでおり、企業のストレージ・システムで利用されるハードディスクが置き換わることになりそうだ。
まず1つ目の革新は、数年前から準備されてきたSAS(Serial Attached SCSI)という新世代のシリアル規格への移行だ。同規格は、ディスク・ドライブとの接続速度が速くなり、信頼性が従来のSCSIよりも高まっている。表1に示したように、4つのストレージ接続インタフェースの中で、SASはファイバ・チャネル(FC)に次ぐ性能を有するうえに、接続可能なドライブ総数では他の規格を寄せつけないのだ。
| 表1:ストレージ接続インタフェースの比較 |
2つ目の革新は、3.5インチから2.5インチというハードディスクの標準サイズの移行である。SASに対応した2.5インチ・ハードディスクが登場したことにより、企業向けストレージにおけるハードディスクの主流は3.5インチから2.5インチにシフトしていくかもしれないのだ(写真1)。
ハードディスクの小型化は、同じスペースのデータセンターに、より大容量のストレージが収容できるようになることを意味する。メリットはそれだけではない。消費電力の低減、データ・アクセスの高速化、ディスクアレイに搭載可能なストレージ容量の増大といったことが実現可能となる。
もちろん、即座にSASへの移行が完了するわけではないが、すでに従来方式であるパラレルSCSIハードディスクの代わりにSASハードディスクを内蔵したサーバ製品が登場している。ディスクアレイについては、年末ごろからSASハードディスクの採用がミッドレンジ製品から始まる見込みだ。
米国の市場調査会社ガートナーのアナリスト、ジョン・モンロー氏は、「現在、大手サーバ・ベンダーやストレージ・ベンダーがSASの実装を進めている」と話す。同社の予測では、2008年から2010年までに、すべての製品がSCSIハードディスクからSASハードディスクに置き換わる見込みだという。
この移行を、ユーザー企業はどうとらえ、何をやらなければならないのか。また、ベンダー各社が主張するSASがもたらすユーザー・メリットとは何か。同規格の製品実装計画に基づき紹介していこう。
| 写真1:富士通が今年3月に出荷開始した2.5インチSASハードディスク「MAV20xxRC」シリーズの内部構造 |
社内インフラを再構築せずにスムーズな移行が可能
結論から言うと、SCSIは今後、漸次的にSASに移行していくが、企業はこの変化に対応するためにストレージ・インフラを再構築する必要はない。
新しいSASハードディスクは、ストレージ・システムとしてのインタフェースとコマンド・セットが従来のSCSIハードディスクと同じであるため、企業のストレージ・アーキテクチャを大きく変更する必要がないのだ。
米国EMCのネットワーク・ストレージ製品である「CLARiiON」シリーズ(国内ではCLARiXの名称で販売されている)」を担当するディレクター、ジェイ・クローン氏は、SASハードディスクについて、データの読み書きを行う磁気ヘッドからして、従来のSCSIハードディスクと変わりないと説明する。
米国シーゲイト・テクノロジーのエンタープライズ・ストレージ製品マネジャー、フランコ・カスタルディーニ氏も、「SASへの移行に際して、企業のIT部門がやらなければならないことは、実のところあまりない。既存のミドルウェアやストレージ管理ソフトウェアをリプレースする必要すらないのだから」と話す。
従来型のSCSIハードディスクが引退するまでの間、企業のDAS(Direct Attached Storage)、およびSAN(Storage Area Networks)には新旧2つのタイプのSCSIハードディスクが混在することになる可能性がある。しかしこれは、「障害に備えて2種類の予備ドライブを維持したり、同じ場所にある複数のタイプのドライブ用キャビネットの数を減らすためにディスクアレイを再編成したりするのと同じようなことだ」とEMCのクローン氏は話す。



















