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[米国]
ネットの中立性が損なわれれば「SaaS」市場が減速しかねない──業界専門家が懸念
(2006年03月02日)
米国議会などで「ネットの中立性」の問題が議論されているが、その結果いかんによっては、新たに生まれつつあるSaaS(サービスとしてのソフトウェア)市場が減速しかねないという懸念が、カリフォルニア州ナパで3月2日に開催された「Software as a Service(SaaS)Summit」で業界アナリストや関係者から示された。
現在、AT&Tなどの大手サービス・プロバイダーが連邦議会に対し、インターネットの通信基盤となっている自社回線を通るあらゆるサービスを管理できるように認可してもらおうと働きかけている。
一方、Webベース・サービスの提供企業や消費者団体は、インターネットは今後も中立であるべきだと考えている。もし中立性を維持できいなければ、サービス・プロバイダーが自社のブロードバンド・サービスに高速回線を割り当て、Web経由でサービスを提供する他社に遅い回線を割り当てるおそれがあるからだ。
3月2日のSaaS Summitでは、通信キャリアがSaaS企業に対して、高速ネットワークを利用する代価として割り増し料金を請求する可能性が出ており、そうなれば、SaaSの幅広い普及が遅れかねないとする懸念が業界関係者から示された。SaaS企業はサービス提供にかけるコストや、顧客に課金する料金の額について、見直しを迫られる可能性もある。
「SaaS企業は、サービスを提供するために割増料金を支払うかどうかを判断しなければならなくなる」と指摘するのは、ウォール・アソシエイツのアナリスト、エイミー・ウォール氏だ。「インターネットが複数のカテゴリーに分かれてしまうと、インターネットの世界で起こっているアプリケーション開発を巡る新たな動きが鈍化し、価格の問題が生じるだろう」と、同氏は警鐘を鳴らす。
また、ソフトウェアプライシング・ドットコムの代表兼創設者、ジム・ガイスマン氏は、「ネットの中立性が失われれば、SaaS企業は、顧客を獲得、維持できるだけの高いサービス品質を保証しなければならないというプレッシャーを受けることになる。そうなれば、キャリヤから割り増し料金を請求されたとしても受け入れざるを得ない」と心配している。
「SaaSプロバイダーとしては、顧客からサービス・レベルが下がったと思われることは何としても避けなければならない」(同氏)
その一方で、ガイスマン氏は、キャリアがインターネット・ベース・サービスをコントロール下に置くことに成功したとしても、SaaSプロバイダーとその顧客への影響を軽減する新しい技術や価格モデルが開発されるのではないかとも見ている。
サービス・プロバイダーがWebのコントロールを握ることはなく、握ったとしても、SaaSの普及に影響はないとする見方も有力だ。
SaaSの支援技術を提供するオプソースのCEO、トレブ・ライアン氏は、「サービス・プロバイダーが、顧客が割り増し料金を払うかどうかでサービスに差を付けたとしても、顧客が離れてしまうだけだ。それを恐れて割り増し料金を課金しないサービス・プロバイダーも必ず出てくるはずだ」と断言する。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service サンフランシスコ支局)



















