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[世界]
モトローラやNTTドコモなど、モバイルLinuxの業界団体を設立

(2006年06月16日)

 世界の主要な携帯電話メーカーおよびキャリアのグループが6月15日、携帯電話やモバイル機器に対応するLinuxベースのオープン・ソフトウェア・プラットフォームの開発を目的とした新しい業界団体の設立に向けて準備を進めていることを明らかにした。

 同団体への参加を表明しているのは、モトローラ、ボーダフォン・グループ、NTTドコモ、サムスン・エレクトロニクス、NEC、パナソニック・モバイル・コミュニケーションズなど。各社は今後、API仕様、アーキテクチャ、ソース・リファレンスの開発、およびマーケティング活動を共同で推進していく計画だ。

 米国オーブムのアナリスト、トニー・クリップス氏は、携帯電話の共通プラットフォームの構築は、市場の細分化によってこれまで成長が妨げられてきたLinux携帯電話の普及拡大に貢献するとの見方を示している。同氏によると、現在市場に出回っているLinux携帯電話は、各社が独自の仕様を採用しているため、異なるデバイスで機能するアプリケーションを開発するのが難しいという。

 また、共通のアプローチがとられていなかったため、シンビアンやマイクロソフトなどの有力なモバイルOSとの競争にも苦戦を強いられていた。シンビアンとマイクロソフトは現在、各社共通のアプリケーション開発エコシステムを育成している。

 今回結成される団体では、モバイルLinux用の開発エコシステムを構築し、市場の細分化を最小限に留めるためのコラボレーティブな環境を整備することを目指していく方針だ。まずは、設立当初のメンバーによって、モバイルOS参照インプリメンテーションの開発を推進していくが、将来的には、電話機メーカーや電話事業者、チップ・メーカー、ソフトウェア・ベンダーなど、他の企業にも参加を呼びかけていくほか、製品が仕様に適合していることを実証するための開発者向けテスト・スイートも提供する予定としている。

 モトローラとボーダフォンは、クリップス氏の取材に対し、新しい仕様に基づいた最初の携帯電話を来年下半期中に出荷する計画を進めていることを明らかにした。通常、携帯電話の新規開発には、少なくとも18カ月かかるため、モトローラとボーダフォンでは、プラットフォームを構築するためのアプリケーション・レイヤとカーネルの選定をすでに済ませている可能性が高いとクリップス氏は見ている。

 団体にとって、大量の携帯電話機を発注するボーダフォンやNTTドコモなどの大手キャリアはきわめて重要な存在となる。というのも、大手キャリアがLinuxベースの携帯電話を採用すれば、他のキャリアもそれに追随する可能性が高いからだ。

 すでに中国では、携帯電話用のLinux OSが広く普及しており、ヨーロッパでも普及が加速しつつある。また、メーカーやキャリアの多くが、Linuxを採用することで携帯電話の開発コストを引き下げられると説明している。

 今回結成される団体は、Linuxフォン・スタンダーズ(LiPS)フォーラムとモバイルLinuxイニシアティブ(MLI)に続き、この1年間に結成された3番目のLinux携帯電話推進団体となる。LiPSフォーラムも、各種Linux携帯電話でアプリケーションの相互運用を可能にするAPIの開発に重点を置いている。

 なお、LiPSで主導的な役割を果たしている企業は、パームソース、フランス・テレコムSA、オレンジSAなどである。一方、モトローラやパームソースなどが参加するMLIでは、携帯電話向けLinuxのカーネル関係の開発作業を統一する活動を推進している。

 今回設立される団体とMLIが、将来互いに協力し合う可能性は高い。MLIで中心的役割を担っているOSDL(Open Source Development Labs)のヨーロッパ/中東/アフリカ地域担当ディレクター、クロード・ビュレンス氏は、「カーネル関係の作業が必要となるAPIを定義する場合などは、われわれも協力するつもりであり、彼らの意見や提言も聞きたい」としている。

(ナンシー・ゴーリング/IDG News Service ダブリン支局)




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